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文化祭! アイドルカフェを成功させろ!  作者: 小兎


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23/29

第23話 文化祭2日目 ⑤



 三人は軍帽を目深にかぶり、胸を張って廊下を歩く。


 昨日とは違い、先導するワッちゃんもイッチもいない。


 それでも、一歩ずつ確実に二年D組を目指した。


「……着いた。」


 教室の前で小さく息を吐く。


 すると、扉が開いた。


「あっ、来た来た!」


 迎えに出てきたのはコバ。


 その横には、シフトを手伝うことになったBチームとCチームのメンバーが並んでいた。


 そして三人の姿を見た瞬間――。


「えっ!?」


「ちょ、ちょっと待って!」


「本当に石井君と大竹君と大森君なの!?」


 教室中に悲鳴にも似た声が響く。


 昨日はほとんど顔を合わせなかったクラスメイトたちは、初めて間近で見る完成度に目を丸くしていた。


「別人じゃん……。」


「昨日動画もすごいと思ったけど、近くで見るともっとヤバい……。」


 しかし、コバはパンッと手を叩く。


「はいはい!」


 空気を切り替えるような声。


「盛り上がるのは後!」


「一回目のお客さん入れますよ!」


 BチームとCチームへ次々と指示を飛ばす。


「二十人ずつカウントして!」


「押さないように誘導お願い!」


「整理券の確認も忘れないでね!」


「了解!」


 クラスメイトたちも慌てて持ち場へ散っていく。


 やがて最初の二十人が教室へ入り、照明が落ちる。


 そして――。


 一回目のダンスパフォーマンスが始まった。


 一回のステージは二十分。


 ダンス。


 物販。


 握手。


 お見送り。


 観客を入れ替えたら、また次の二十人。


 その繰り返し。


 休む時間はない。


 座る時間もない。


 笑顔を絶やす暇さえない。


 コバは合間を縫って三人の前へ立つ。


「汗、押さえるよ。」


 化粧が崩れないよう、パフで優しく汗を吸い取る。


「大丈夫?」


「……うん。」


 タケちゃんは笑顔を作る。


 しかし、その笑顔の裏では呼吸が少しずつ荒くなっていた。


 イシイも額に汗をにじませながら姿勢を崩さない。


 モリも握手のたびに笑顔を見せているが、肩がわずかに上下している。


 客足は途切れない。


 廊下には、まだ長い列。


 整理券を手にした来場者が順番を待っている。


 その様子を見たコバが、小さくつぶやいた。


「……ヤバいな。」


 視線は三人へ向く。


「一回、休憩させないと。」


 その時だった。


「大丈夫。」


 すぐ後ろから、聞き慣れた声がした。


「これで、一旦休憩させるから。」


 コバが勢いよく振り返る。


 そして――。


「……え。」


 思わず言葉を失った。


 そこに立っていた人物を見て、コバは絶句した。

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