第13話 文化祭一日目② 2年D組では・・・
一方、その頃――。
二年D組の教室。
廊下から見れば、ひときわ目立つクラスだった。
入口にはピンク色に輝く大型ネオン。
色とりどりのバルーンアーチ。
天井からはきらびやかな飾りが何本も吊るされ、遠くからでも「派手なクラスだ」と分かる。
「すごっ。」
通りかかった生徒が思わず足を止める。
「結構お金かけてるね。」
期待した生徒たちが次々と教室へ入っていく。
しかし――。
「はい、ポップコーンでーす!」
手渡されたのは、紙コップに入ったポップコーン。
しかも量は控えめで、湿気のせいか食感も今ひとつだった。
「……三百円?」
思わず値札を見直す。
「これで?」
顔を見合わせる生徒たち。
「うーん……。」
「ちょっと高くない?」
そんな空気が少しずつ広がっていく。
それでも、教室の中央ではAチームが満面の笑みでステージに立つ。
「いくよー!」
音楽が流れ、ダンスが始まる。
だが、練習不足は隠せなかった。
一人だけ振りが半拍遅れ、隣は逆方向へ腕を伸ばす。
フォーメーションも何度も崩れ、そのたびに慌てて立て直す。
本人たちは全力で楽しんでいる。
だが、それは身内だからこそ通じる盛り上がりだった。
教室の後方では、見に来た他クラスの生徒が小声で話している。
「……なんか。」
「うん。」
「あ、身内ノリきついね。」
「別のクラス行こ。」
そう言うと、何人もの生徒が静かに教室を後にした。
入口の豪華なネオンとバルーンだけが、むなしく光を放ち続けていた。




