萌々香さんと一緒に昼食!?俺でいいの? は?澪・・今更なんだよ?
幼馴染みシリーズ第2弾です!
俺は都合のいい男じゃないぞ。なめんなよ!
夜、優真がベッドに寝転んで漫画を読んでいるとスマホが鳴った。
萌々香からのLINEだった。
『今日はありがとう。コロッケおいしかったよ。また明日ね』
あそこのコロッケは間違いなく旨いからな。萌々香さんが喜んでくれてよかった。
スマホをクッションに放り投げた。
またLINEが鳴った。
今度はなんだ?
え?澪??優真はベッドから飛び起きた。
しばらく話すらしてなかったのに。今更なんかあるのかよ。
『ちょっと話がしたいな。公園に来て』
優真は慌てて着替えて公園に向かった。
公園は人気もなく、古い街灯が点いたり消えたりしている。
古ぼけたベンチに澪が座っている。
「澪?いきなりなんだよ。しばらく顔もあわせてないってのにいきなり」
澪はすこし頬をふくらませ
「わたしは幼馴染としてまた関係を続けたいっていったじゃん。なのに優真はわたしを避け始めたよね。あのときは気にしないから大丈夫って言ってたくせに」
優真は少しイラっとして
「好きな女にふられて、しかもその女に彼氏がいるって聞かされて、はい、そうですかって、普通に幼馴染やれるやついるかよ!?俺は澪のことが本当に好きだった。だから・・・そう簡単にはいかないんだ」
澪は「ごめん・・・」と言って俯いた。
少し落ち着くと優真も「ごめん。言い過ぎた。で、本当のは何の用だ?」
澪は言い出しづらそうにしながら
「今日、優真、商店街にいた?」
「ああ、いたよ。なんで?」
「あの・・・萌々香ちゃんと一緒じゃなかった?」
「一緒だったよ。なんか萌々香さんコロッケ買うけど場所がわからないって言うから案内してた」
「その…付き合ったりしてないよね?」
「してるわけないだろ。お前にフラれてすぐにそんな気持ちになれねぇし、第一、あの萌々香さんが俺を男として見てるなんてあるわけないだろ。ただの案内役。たまたま居合わしただけ」
澪はそれを聞いて安心した。
しかし優真は「俺がだれと居ようがお前にはもう関係ないだろ?あんまり気をもたせるなよ」と突き放した。
澪は再び「ごめん・・・」と俯いた。
「用はこれだけか?俺、そろそろ帰るわ」
「うん。ありがと。じゃあね」澪は消え入りそうな声で言った。
公園に取り残された澪はベンチでうなだれていた。
「わたし、なにやってんだろ・・・」
翌日の昼休み。
優真はいつも通り購買の焼きそばパンを買いに来ていた。
「あ、優真くんも焼きそばパンなの?」萌々香は震える手で焼きそばパンを崇高な杯のように掲げた。
「へぇ~萌々香さんも焼きそばパンなんて食べるんだ?なんかフルーツしか食べないイメージだから」優真はふざけて笑った。
「もう・・。わたしどんなイメージなの?」おもわず萌々香も笑った。
やっぱり、優真くんといるとなんか楽しい・・・。
「あの・・・優真くん。一緒に食べない?」萌々香は緊張していた。
「萌々香さん、焼きそばパン、強く握りすぎ。焼きそばがパンから全部出てる。それ、焼きそばとパンになっちゃってる」
萌々香は慌てて自分の手を見た。あまりの緊張にパンを握りつぶいしていたらしい。
「あ・・・ほ、ほんとだね。恥ずかしい・・」
萌々香さんて美人過ぎて近づき難いけど、話してみるとけっこうおもしろいんだね。
え?優真くん、わたしと話していておもしろいって??
萌々香の頭の中で優真の言葉がリフレインしていた。わたしと話していておもしろい…おもしろい…おもしろい…。
「じゃあ、萌々香さん、天気もいいし、中庭のベンチで食べようか?てか、萌々香さん、俺と一緒にいていいの?ほら、変な噂が流れたら萌々香さんかわいそうだし。ま、俺は光栄だけど」
優真は、またふざけて笑った。
萌々香は笑うのも忘れて、思わず
「ぜんぜんいいの!わたしも優真くんと一緒にいると楽しいから」
あ・・・言ってしまった。萌々香の頭は噴火した。
しかし、萌々香を女の子として見ていない優真は
「そんなこと女子に言われたの初めてだよ。萌々香さんは物好きだな~」焼きそばパンを手のひらで転がし呆れていた。
中庭のベンチに座る。萌々香はできる限り、優真の近くに座ろうと考えた。
あ・・・このベンチ、ひとりひとり間隔を開けて座れるように手すりでセパレートされているタイプだった。萌々香は密かにその手すりが折れ曲がらないか腕で押してみた。折れ曲がるはずがない。
「萌々香さん、パン交換しようか?ほら、萌々香さんの焼きそばパン、焼きそば、と、パン、になってるから」優真は萌々香の焼きそばパンを見て笑った。
萌々香は「え・・・。そんな・・・」顔を赤くして言葉に詰まった。
「いいよ、いいよ。俺、焼きそばパンに慣れてるから、慣れてる??って変なの」優真は自分んで笑った。
萌々香も「慣れてるって・・・」思わず笑った。
「ほら、交換、交換」
優真は萌々香の潰れた焼きそばパンを開けると慣れた手つきで焼きそばをパンに詰めなおした。
萌々香は「ありがと」と目を細めた。
萌々香にとって男子とは疲れる存在でしかなかった。
他の女子とは明らかに違う扱い。そのたびに他の女子にコソコソ言われる。
好きでもない男子に言い寄られる。断るのにエネルギーを使い果たす。
断れば断ったで、フッた男子にはお高くとまってると言われたり、女子には調子にのってると、またそれもコソコソ言われる。
そんな萌々香を元々、女として見ていない優真の隣が心地よく楽しい。
やがて、それが恋心だと萌々香は気が付いていた。
だけど、優真の隣にはいつも澪がいて・・・。
自分の居場所はないと思っていた。
でも、今はいない。
校舎からは優真と萌々香が楽しそうに昼食を食べている姿がよく見える。
男子は騒いで窓から顔を出し、女子はそれを見て「ありえない」と絶句する。
ちょっとした騒ぎに澪が気が付いた。
「ね?どうしたの?中庭でなんかあったの?」
女子生徒は「あれ・・・」怪物でも見るような声で中庭のベンチを指さした。
澪は思わず息をのんだ。そして吐くのを忘れる。
足がガクガクと小刻みに震えた。
やっぱり、萌々香ちゃんと付き合ってるんだ。
わたしのことあんなに好きだっていったのに・・・。
そのとき澪のスマホが鳴った。
【翔】の表示
澪は一瞬スマホを見たがそのままポケットにしまった。
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