澪にフラれた俺に学園一の美女、萌々香が猛烈アプローチ開始!なぜか澪は気になってしまって。
幼馴染みシリーズ第2弾です!
今更、俺のことが好きだって?俺は都合のいい男じゃないぞ。
日が傾きかけた教室。
「優真!一緒に帰ろ!」
澪は当たり前のように優真を誘う。
「おう。澪ちょっと待ってろ」
優真は急いで教科書をカバンに放り込む。
「優真と澪ってホント仲いいよね。付き合ってるのかなぁ?優真になんか彼女いないのは確定的だし、澪にも彼氏がいるなんて聞いたことないし。ね、萌々香もそう思うでしょ?萌々香?どうしたの?ボーっとして」と女子生徒。
「あ・・・そうだよね。ほんと仲いいよね」萌々香は制服のスカートの裾をキュッと強く握った。
「そう言えば、萌々香さ~A組の陸斗に告られたんだって?これで、1,2,3,4・・・」
「一年間で四人の男子に告られるとか異常じゃない?わたしなんて1回もないよ」呆れた顔で萌々香を見た。
「でもさ、萌々香、なんで誰とも付き合わないの?陸斗なんてめっちゃ背が高いし、顔も申し分ないでしょ?どんだけ理想が高いのよ?」
萌々香は赤面して「そ・そういうんじゃなくて・・・」うまく言葉が出なかった。
優真と澪が並んで歩く。夕日に照らされて二人の長い影が写る。
「こうしてあるくのって昔から当たり前になってるよね。変なの」澪は肩をすくめて笑った。
優真は心臓がはち切れんばかりにドキドキしていた。
今日こそは言うんだ。やっぱ、俺、澪が女として好きなんだ。
「あ、あのさ、澪。ちょっといつもの公園寄ってかないか?」
「え?どうしたの急に。ま、あそこはわたしたちの庭みたいなもんだからね。いこ」
公園のブランコに二人並んで座る。
優真は顔を真っ赤にして「あのさ、澪。俺たち幼馴染じゃん」
「そうだけど?いまさらなに?」澪は不思議そうに笑う。
「俺さ・・・澪のことが好きなんだ。お、幼馴染としてじゃなく、一人の女として」
澪は硬直して目を丸くした。
「幼馴染やめて、俺を彼氏にしてくれ!」
優真はありったけの勇気を振り絞って言った。
一拍おいて、澪がゆっくり口を開く。
「ごめん。わたし彼氏いるんだ。他の高校だから知らなかったと思う。ちょっと驚いたけど、わたしを女の子として見てくれてありがとう」
優真は気が遠くなりながら
「そうかそうか。わるい、わるい。知らなかったからさ。変なこと言ってごめん」
澪は「でもさ、わたし、こういうこと言われたからって優真との関係壊したくない。もし、優真さえよかったら、今までと変わらずにいたい」
ブランコに乗りながら足元の小石をローファーで蹴っている。
「お、おう。だいじょぶ、だいじょぶ。ノーダメージ!澪はこれからも大切な幼馴染だ」
優真は強がって言った。
「ありがとう」そう言って澪は優真に微笑んだ。
その微笑みが針で皮膚をさされるように痛かった。
優真はベッドに横になりながら天井のシミを数える。
澪が彼氏と腕を組んでいる姿が頭を過る。キスだってしてるよな・・・。
優真は枕に顔を埋めた。
翌日、いつもは友達とゲームやSNSの話題をちょっとうるさいくらいに話している。
その優真が今日は教室の机に突っ伏している。
萌々香は恐る恐る
「あ・あの。優真くん、体調悪いの?」
優真は顔を上げて萌々香を見た。
「あー萌々香さんか。こんな3軍男子に声をかけるなんてもったいない」
優真は本気で言っている。A組の陸斗すら轟沈させた萌々香だ。あまりにも住む世界が違うので優真はもはや萌々香を女としてみていない。優真はVチューバーに投げ銭をするようなタイプではない。自分のことはわきまえている。手の届かない存在には興味がないのだ。
萌々香は慌てて「そんなことないよ!わたし1軍とか2軍とか興味ないし。それに優真くんはわたしにも他の女の子と同じように接してくれて・・・嬉しいの」
「そんなもんかなぁ」寝ぼけたような顔で萌々香を見た。
それから数週間が経つ。
「ね、最近、優真と澪さ、一緒にいないよね?どうしたんだろ?喧嘩したとか?それにしては長いし。まさか、優真が澪に告ってフラれたとか?澪が優真に告る姿なんて想像できないしさ」鋭い女子生徒が噂話をしている。
萌々香はその会話に耳をそばでてていた。
そういえば、最近、優真くんと澪ちゃん一緒にいないな・・・。ほんとになにかあったのかな?
でもそれなら、わたしは嫌な光景を見なくて済むな。やっぱり好きな人がわたしじゃない女の子と特別に仲良くしてるのは胸が痛かったし。
わたしにも少しはチャンスが来たかも。
萌々香は心が軽くなるのを感じた。
優真の隣の席の萌々香は勇気を出して
「あの・・優真くん。わたし教科書忘れちゃったから、一緒に見てもいい?」と優真に小さい声で語りかけた。
「え?珍しいね。萌々香さんが教科書忘れるなんて。優等生筆頭って感じなのに」優真はからかうように笑って言った。
それを口火にして萌々香の優真を陥落させる作戦が始まった。
朝は真っ先に優真に話しかけて「おはよう」と笑顔で言う。
昼休みには優真が毎日買う焼きそばパンを買ってみる。
優真が好きと言っていたゲームについて調べてみる。
「最近さ、萌々香、やけに優真に距離感近いよね?まさか優真のことが好き?ないないない!天地がひっくり返ってもない」女子生徒はゲラゲラと笑う。
そんな噂は優真の耳には届いていない。
いつもどおり授業が終わるとスクバを肩にかけてサッサと帰る。
萌々香は慌てて教科書をしまい、優真に気づかれない距離で尾行を始めた。
優真はつまらなそうな顔をして校門を出た。
「ここを左に曲がれば優真くんの家に近い商店街にショートカットできる」萌々香は優真の通る道を完璧に把握していた。
しばらくして萌々香の読み通り、優真と商店街で出くわした。
「あれ?萌々香さんだ。この商店街来るんだ?萌々香さんの家が真逆だからびっくりしたよ」
萌々香はめちゃくちゃ息を切らせて「あ・・・あの。お母さんにコロッケ買ってきてってたのまれちゃって。その・・この商店街あんまり来たことないから、もしよかったら優真くん案内してくれる?」
ぜーぜー。
「あーべつにいいよ。行こうか。ところで萌々香さん?なんでそんなに息切らせてるの?
「な、なんでもないよ。はやくいこ」
萌々香は優真の隣を顔を赤くしながら俯いて歩きだした。
ゲームセンターから澪と彼氏が腕を組んで出てきた。
澪は優真を見つけた。
あ・・・優真だ。
え?隣にいるのは萌々香ちゃん?しかもなんか顔が赤いし・・・。
どういうこと??
「澪?どうした?」
「あ、前に話したでしょ?ほら幼馴染の優真って子がいるって。あれが優真なんだ」
「へぇーすげぇ美人な彼女連れてんのな?あ、俺がいちばん好きなのは澪だから誤解するなよ」そう言って澪の彼氏の翔は澪の髪をなでた。
しかし澪は優真と萌々香から目が離せなくなっていた。
なんで優真が萌々香ちゃんと?
そんなそぶりなかった・・・。だってわたしのことあんなに好きだって言ったよね。
それなのになんで・・・。
澪はなんだか優真が遠くに行ってしまい、姿が見えなくなるような感覚に襲われていた。
今夜、優真に聞こう・・・。
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