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豊作

どーも!どーもどーも!

最近は二朗をUberして後悔したサバ美です!

2日かけて食いました!

店二朗には一生いけませんね!!畜生

今日で15日目になる。あの人間はずーっと箱に入れっぱなしだ。ため込んでいた事務仕事もだいたい片付けることができた。


あの箱は対象の様子も見ることが出来ない上、下手したら情報聞き出す前に対象がぶっ壊れてたりするから没案だった。でも、取っておいて良かった。あれほど1番にぴったりなものもない。最初の1番では、痛みよりまず、恐怖に気が狂ってしまう。

普段ならそれでも満足だが、

1番はそれでは駄目なんだ。

恐怖による圧迫も重要だが、痛みによる苦痛も同等以上に重要だ。

両方を認識し、正しく病んで、消耗する心を作らなきゃいけない。

彼には痛み以外の恐怖に慣れてもらわないとね。

野菜は土壌がしっかりしていないと育たないんだ。

さて、実験だと2週間では30%が壊れるけど、人間だしデータがちゃんと役に立つか分からないな。

でも早く開けすぎてもあれだし、もう1週間待つとしよう。勘だけど、それくらいが程よい具合なの思われる。

よし…。暇だし海辺の別荘で休暇でも取るかな。


………1週間後…………


そろそろいい感じだろうか。箱の外見が意識レベルを反映してたら分かりやすくなりそうなんだけど…今度試してみるか。

まぁ取り敢えずそれは置いとこう。

お待ちかねの開封だ。


「おはよーう」


中から1番が出てきた。

三角座りを維持したまま、ころころと転がっていった。


「…1番?」


足で小突いて見る。

動く様子はない。

顔を1番の顔に近づけて凄んでみる。

特に表情などの様子に変化はない。

瞳孔がおおきく開いており、まるで生気を感じられない。

ここまではいい。

問題は、この先。

1番の下顎に足を置いて思い切り踏みつける。


ペキっグチャ


下顎はぐちゃぐちゃになった。赤い血が少し気味が悪い。


「ヒューーっ!!!ヒュー!!」


舌も一緒に潰しちゃったから呼吸音だけ聞こえる。この呼吸音から推測するに、舌があればしっかり叫んでいたかな。目からはしっかりと涙を流しているし瞳孔も縮まってる。

顔を近づけたらこちらを見た。とてつもない憎悪を感じる目だ。


「良かった。成功だ。」


みるみる下顎の再生が始まっている。潰れた肉片が自主的に元へ戻ろうとしているようだ。身体の仕組み自体にも興味が湧く。仮に下顎を肉片も残さず吹っ飛ばしたらどうなるのか。この分だと切断しても断片さえ残っていれば問題はなさそうだ。脳も消し飛ばさなければ案外…いや、やめておこう。労力に反して効果も薄いしリスクもデカい。

いやしかし、良かったなぁ。


「……」


下顎が再生したようだ。口を開いた。何か喋るようだ。


「俺は、死んでも、喋らない。くたばれクソ野郎。」


「最高だ」


これが僕の人生において、至福とも言える一年の始まりだった。






……一年後………






「おはよーいっちゃん。」


「………」


「調子良さそうだね」


ブォン……メキャッ


「ギャア……」


どうやら1番は名前にも「いち」がはいるそうなので、愛称を込めていっちゃんと呼ぶことにした。いっちゃんはあの日以来、逃げ出そうとすることがなくなり、拷問にひたすら耐え抜く姿勢を見せた。もちろん毎日のように泣き叫ばせた。日ごとに拷問は酷くしていき、最終的には処刑のメニューまで加えた。悶える姿、表情全てが毎日毎日素晴らしかった。そして、僕の毎日の楽しみ。


「話す気になった?」


こう問いかけると決まって彼は僕につばを吐きかけてこう言う。


「死んでも話さねぇよバァカ」


友人は奥さんに毎日行っていますのチューをしてもらってエネルギーをチャージしてると言っていた。聞いた当時は、ふざけたイチャイチャに吐き気がしたけど、今は気持ちが分かる。

強い気持ちは、人に力を与えるのだ。

もう、これがないと頑張っていけない気さえする。


「いい返事をありがとう。じゃあ今日のメニューを発表するね。題して!

セルフカニバループ〜!

切り離した部位を接合部から強制的に離したり消し飛ばしても、ちゃんと再生することが分かったからね!

まず、君の足の指から首下までを部位ごとに少しずつ再生を待ちながら順に切り離していく。そして首下まで切り離し終わったら足元から順に僕が食べさせてあげるんだ!今日中に食べ終わらないと明日もこれだよ!じゃあ今日も頑張ろう!」


いっちゃんの身体を台に寝そべらせ頭身体足先まで全身を金属製ベルトで固定する。隙間に刃を通して少しずつ、ステーキを切り分けるように切断していく。足先。足先が再生したら踵。踵が再生したら……。

こうすれば万が一逃げ出すことはない。1年経っても油断はしない。


ザクっ


「……ふ」


今日もいい悲鳴が聞けるかな。楽しみだ。今日は記念すべき1年記念日だ。終わったらいっちゃんの身体を少しずつ切り離してつなぎ合わせていっちゃん人形を作ってどこか一緒に遊びに行こう。海辺のホテルのテラスでコーヒーでものみながらゆっくりと過ごそう。

今日はいつも以上に素敵な1日になるぞ。


「……ふふ」


おっと、思わず笑い声が漏れてしまったかな。いつもより声が高くなってる。一応仕事だけど、しょうがないよね。


「……ふふふふふふ…くくくくくくく」


…?僕の声じゃあない…?誰の声だ。この部屋で僕以外に笑える奴なんて………


「ヒャハハハハハハハハァーーーーーーィ」


いっちゃんだ!?いっちゃんが突然大笑いしだした。脚を今現在切断している最中だ。いつもなら…もっと悲痛な…あれ?どうしたんだ?

ま、まさか、壊れた?


「お、落ち着いて!大丈夫だ。(まずいまずい)

き、今日は休みにしようか?そうだそれがいい。たまには必要だ。それに今日は」


「「記念すべき1周年」」


「!?」


「そう、今日は記念日だ。お前みたいなサイコ野郎は記念日を大切にしそうだからなァ。いつもより気が緩むかもって勘だよりの予想だったけど

当たって良かったよ!!

ここに来て1年経った。耐えた。耐え抜いた。そして、今日がこの地獄の日々から解放される、俺の脱獄祝の記念日だ!」


「な、なにを…」


「ふんっ!!!」


「……?」


今、何かしたか?…は、そ、そうか。


「いっちゃん…急なハッタリは心臓にわる…」





ベチャ…


…?この音は?何の音だ?


ベチャ…ベチャ…ベチャ…


何か、水っぽい、生々しい音……………

…!!!!


いっちゃん…1番の台から大量の、血液が流れ落ちていた。この音はその音だ。でも何で…1番は自分の身体に触れていない。


「っグゥ…おおおおおああああ!!!」


1番の身体に明らかな異変があった。何だか、身体…様子がおかしい。1番の身体から肉塊が、どんどん増殖しているッ。肉塊が金属製のベルトを内側から圧迫して、はち切れんばかりだ。拘束が壊される。

まずい!不測の事態が起こってしまった。

もう一度箱に1番をしまう…それしかない。

タイミングはベルトが破壊されるその瞬間、


ミチミチ…


「まだ…」


ミチ…ピシっ


「……」


ピシっ!!


「今だ!!」




………




何とか、入れることができた…。危なかった。しかし、何だったのだ。あの現象は。

この肉塊…よくよく見ると首から下の肉体の前半分の部分のようだ。

人間にこのような能力はないはずだ。

余りに不可思議。


ピシっ  



何だ、この音は。



ピシッ…ピシッピシピシピシ



床に、ヒビが!!!!

まずい、このままでは割れて落ちる。



バリーン!!!



下の部屋に落下していく最中、見間違えようもない。肉塊の中に彼を、僕は確実に見た。


「1番ッッッッッッ!!!!!!!」


「やっとその面歪ませてやれたぜぇ!!!

ザマァみろ!!このサイコ野郎!!!!」


箱にしまったはず…

まさかッ、ダミーかッ!!

どうやってかは分からんが1番はッ!

自分の肉体を切り離し、繋げてダミーを作った。

そして自分は肉塊の下に隠れて自由になった手足で床のガラスを割った!!

………いや、だが箱に入れた1番には頭も付いていたはずだ。つまり、既存の頭を切り離して新しい頭を再生したことになる。…そんな恐ろしいことを1番が?何故だ?何故そこまでするッ!?

そんなにも、貫き通したいものなのか?!!


「ッシャアっ!!!」


バリーン!!


1番の奴、床をどんどん破壊してどんどん下へ降りていく。こうなれば、もう1番を殺す気で止めなければ逃げられてしまう。

……


【いっちゃん!今日は皮膚を剥がした後餡掛けをかけていくよ!】

【なんか今日具合悪くてさ…食あたりかな?やっぱ人間って食べるもんじゃないんだね。せっかくお肉もらったのにゴメンねいっちゃん。】

【いっちゃん!今日占いしたらこの先もずっと幸せが待ってる人生だってさ!うっさんくさいけどなんか良いこと言ってもらえると嬉しいもんだよね!】


…1番……君の守ってるもの、結局分からずじまいだったし、最期まで話す素振りすら見せなかったね。意思を死なさず、じっと今日という日を待っていた。決して屈さず反撃の機を待っていた!!


「……!!」


なんて、綺麗な目をしているんだ。

そんな真っ直ぐな…憎悪?怒り?いや…え?

見たことない。

こんなにも、透き通った敵対感。

名残惜しさだとか、やりきれない思いが消えていく。

今僕は君と敵対しているのに、

たった今から!生命の奪い合いが始まろうとしているのに!

なんでこんなに、清々しい気持ちになるんだろう!!!


「ぶち殺してやる!!ハデス!!!」


「いや、まず僕の番だ!!!1番!!!!!」


ドグシャア……


1番が最下層に激突し身体がぐしゃぐしゃになる。が、すぐさま再生し、堂々とした立ち姿を僕の前にさらしてみせた。


「………」


「………」


あたりにアラートが鳴り響く。透明なガラスの城が赤い反射光で満ち、辺りはルビー色に染まった。

この緊張感。生まれて初めてのものだ。これが、生命を奪われるかもしれない時に感じる【ソレ】。身体が震えている。いつもみんなが感じていたもの。こんな気持ちだったのか。

みんな、これに耐えてきたんだ。

譲れないものを守り抜くために。こんな恐ろしいものに屈さず、心が壊れるまで。


あぁ、理解が深まってより鮮明に感じる。

この美しさっ!!

そして君は今、【ソレ】を克服しようとしている。


そんな君が再びどん底に落ちた時、どんなに素敵なものが見られるだろう!


あぁ、神様。初めて貴方に祈りを捧げます。

僕をこんな思いにさせてくれて、ありがとう。

この美しい世界に僕を誕生させてくれて、ありがとう。


1番、

1周年記念にピッタリの素敵な贈り物を、ありがとう。

1番


「オオオオオオオオオオオ!!!!!」


全身全霊で君を葬り去る!!!!!


「……へっ!」


グチャグチャ


…!!散らばっている1番の肉塊が、どんどん膨らんでいく。

何か嫌な予感がする。肉塊から離れなければ!!


「ジャストミートだ」


肉塊が、くっついて!!


グチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャ




「しまっ!」


パァァァァンっっ…………


…………………





__________________________________________________



あたりに血の雨が降り注ぐ。今の爆発で、ハデスは仕留めきれただろうか。完全に試作の技だから威力もいまいち分からない。だが手応えはあったと思う。頼むからおとなしく死んでてくれ。


ポツポツ…ポツ……………


雨が止んで辺りが鮮明に見渡せるようになった。


「……!!」


やはり、そう簡単な話ではないようだ。


「グル…るるるるるるるるるるるるるるるるるりりりりりりりりりりりりりりり」


なんて圧迫感、なんてオーラ。だが、見たところダメージは相当のものだ。俺の骨が身体中に突き刺さり大量に流血している。肉も所々抉れているし、爆発の衝撃で内部もズタボロのはずだ。


「…ルーパ・リーラ」


奴が何か呟いたように見えた。何といったかはよく聞こえなかった。

その直後のことだった。


ザシュ…ベチャベチャベチャ……


片腕が吹っ飛んだ。そう

【たったその程度の取るに足らないこと】


「……テメェ!!舐めてんじゃねぇぞッ!!!どうせやるならァ!!殺す気でかかってこいこの腰抜けがァ!!」


「…!!!………………君は……………

悪かったよ!!……やってやるさ!1番!!!

ルーパ・リーラ…アミタ!!」


ハデスの身体の周囲3mが削り取られ、無になった。削り取られた物質がハデスの身体を取り囲み、やがてソレは赤色の鎧となった。

さらに、ハデスの周りを何か塵のようなものが統制のとれた動きで巡っていた。


「信じてるよ。1番」


来る。

あの塵は厄介だ。

両手五指を自切し、周囲へ散らす。そして十指それぞれ内側と外側から高速再生させ圧迫力を高め、破裂させる。名付けて。


「肉爆弾だ!」


パァンっ!!!


こちらへ向かってくる塵は血の雨で動きが鈍くした。

だが奴は周りを塵で囲んでいる。

遠距離からチマチマ爆発させても次の塵が来てこちらが不利になるだけ。

狙うは短期決戦だ。

足首を自切し、新たに再生。

切り離した足首を肉爆弾にし、ふくらはぎを傘のように肥大化させ衝撃を効率よく吸収させる。

両手を粉砕骨折させ、肉爆弾に変える。

そして足首の肉爆弾を破裂させッ!!!


パァンっ!!


アイツのもとへ高速移動っ!!!


「………!!!」


塵を防御に固めるか…無駄なことを。


「(ニヤァァ)」


…!塵が拳に集まって、でっかい拳にっ!!!


「いいぜ!!!乗ってやるよ!!!パワー比べだァ!!!!!」


「いちばぁんんんんんんんん!!!!!!!!」


拳と俺の両手が衝突。瞬間俺の両手は爆散。ハデスの塵の拳は粉砕したが、鎧は破壊できていない。


「勝った!終わりだ!!!いちばぁん!!!!

せめて君の死ぬ前の顔を僕に見せてくれぇぇぇぇ!!!!」


「…終わりは…オマエだ!!!」


「な、なんだ!?上半身が膨らんで……自爆…じゃない……まさかまたッ!!!」


「上半身をおとり爆弾にして下半身に本体を移す!ヤケクソ作戦に見事に引っかかってくれてアリガトよ!!

サヨナラだ…ハデス!!!!!!!」


__________________________________________________


死ぬ刹那、後ろで下半身から再生した1番に目を向ける。その、荒々しくも眩しい、何かを勝ち取ったような、嬉しそうな表情。その表情をみて、思わず声が漏れた。


「………………………………………………綺麗だ」


__________________________________________________




パァン




…………………………………ドサッ






「…はぁ……いってぇ……」


最期、俺の顔を見てなんか言ったような気がしたが、気のせいだろうか。…どうでもいい。もう直他のヤツらも集まってくる。肉爆弾で空飛んで逃げよう。


「……」


目の前のハデスの残骸を見て、何とも言えない気持ちになった。


「笑ってる…幸せそうに…」


結局、最期まで気味の悪い男だった。ほんと、よく勝てた。…気持ち悪かった。


……うす気味の悪い後味と同時に湧き上がる勝利の高揚。このぐちゃぐちゃな気持ちを、どうしたらいいのだろう。


「……?胸ポケットから何かはみ出てる。」


ソレを拾い上げ、見てみる。

【海辺でゆったりチルタイム!荒れ果てた心を海とご飯と程よい日差しで潤しましょう!】

もう一枚、紙がくっついている。

【VIPサービス:1週間無料宿泊券】


「…海、か。」


釣りとか、したいな。

読んでくださりありがとうございます。

最近は令嬢ものとか呼んだりしてボケーッとしてます。

いつか令嬢ものとか書きたいなぁ

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