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絶望

おはよう!また連続で書いてやりましたわ。

のると書けるよねぇやっぱ。人間ってそんなもんさぁ!

「お待たせ。いくら人間の身体強度でも15分の宙ぶらりんはさすがにキツかったかな?全然すぐ話してくれてもいいよ?人間界から最高都市マヒドゥルガへの侵入方法。早ければ早いほうが君にとっても魔族にとってもいいんだから。」


 今現在、俺はあのガラスの建物の内部のある一室にかれこれ15分かけて連れてこられた。遠目からではよく見えなかったが、やはり拷問に使う道具が山のようにある。上下両隣後ろの部屋では既に拷問が行われており、そのむごたらしい様子がはっきり見られる。かの有名な【ファラリスの雄牛】【アイアン・メイデン】らのように西洋チックなラインナップもあれば、シンプルに鞭、杖。両手両足を固定して引き伸ばすやつもある。天井からつられているロープに謎の箱。何でもござれといった感じだ。


ドサッ


床に雑に置かれた。膝から落ちたから膝立ちの状態になっている。

クソっ。膝が地味に痛い。


……いやてか冗談じゃないぞ!!

拷問なんてまっぴらごめんである。拷問器具とかはネットで説明動画見るくらいのもんでいい。使用感とか、微塵も興味はない。

だが残念なことに俺自身どうやってそんな最高都市などというところに行ったかなど知らない。いつの間にかこうなってたのだ。

 つまり話せない。

するとつまり、拷問は下手すりゃ死ぬまで続く。

最悪のQEDだ。

どうする。絶対嫌だぞ。なんとか切り抜けられないか……




「残念ながら…俺自身気づいたらここに来るあの乗り物に乗ってたって状況で、ほんと何もわからないんだ。だから俺から話せることはない。」


「……」


下手に嘘はつけない。アマンが嘘発見機みたいなものを持ってたように、コイツもよく分からん魔導具を持ってるかもしれない。だが、どっちつかずな返答は返って疑念を生むだけだ。

 とにかく俺が本当に何も知らないと、アイツが理解してくれるかどうか。そこにかかっている。


「……はぁ…なんだつまらない。

…じゃあ、質問を変えよう。

君が意識を失う前のことだ。何がどうなって、君は意識を失ったのか。きっちりと振り返って教えてもらおう。」


様子を見た後少しガッカリした様子を見せそう言った。

やっぱり嘘発見機的なの持ってたか。良かった本当のことを言って。

こりゃ案外呆気なく済むかもしれない。…いやまぁこのまま解放って訳にもいくわけないから最悪の状況は免れたといったところか。

取り敢えずさっさと吐いてしまおう。


「ハイ!いつも通り暮らしてたらある日急に変場あたり一面田んぼが広がっている所に来てしまって」


俺がそう話すと、ハデスの胸ポケットが黄色く発光した。

ハデスの口角が上がる。


「君、嘘はついてないようだが

何か隠したね?」


まずい。


「いえいえそのようなことはございません!

気が付いたら田んぼが地平線まで広がる謎の場所にいたんです!」


またハデス胸ポケット黄色く光る。

ハデスは歯を剥き出しにし邪悪な笑みを見せる。


「やはりだ。何か隠している!その田んぼだらけの不可思議な場所も興味深いが、今はそこじゃない。

君、2回目の説明のとき1回目とは違って ゛いつも通り暮らしていたら ゛の部分省いたね。田んぼだらけの場所に行く以前。隠し事はそこにあるのかな?」


「……!!」


「いいねぇ。楽しくなりそうだ。話してくれるのが遅ければ遅いほど僕はとても嬉しい。」


精度が恐ろしく高い。嘘はついていなくても隠し事があると反応するのか。

だが、あのど田舎以前のことを詳しく語るわけにはいかない。そうなると俺がここに来たことから話さねばならなくなる。つまり、【アマン】のことを知られてしまう。

あの子は魔族の中でも底抜けのいい子だ。だから俺に情を感じて逃がしてくれた。

だがおそらく、重罪だ。

ただでは済まない。

絶対に話せない。


「待ってください!確かに隠しましたが、その点と俺が最高都市?にいたこととは何も関係はありません!」


胸ポケットは光らない。


「ほら!事実でしょ!?つまり、」


「もう一度、質問を変えよう。

君は、どこから、どうやって、その田んぼの場所へ行ったのかな?」


「……」


しまった。今ので余計にハデスの関心が隠し事の方へ向いてしまった。

どうする。アマンのことをどうやって隠し通す?いや違う、隠せないんだ。たとえアマンのことを仮に協力者、など別の呼称で話に登場させても機械が反応してしまうだろう。そもそもそれ以前に協力者が何者でどこにいるか追及されてしまう。

…いや待て、確か人間界にも魔族がいるとかいう話を聞いた。上手くいけば、何とかなるのではないだろうか。だが機械の精度が予想より高ければ終わる。…だめだ。リスクがデカい。下手したら即アマンの存在がバレる。


「境界…」


「ん?」


「いや…何でもない」


今やめようと思ったのに、この口めっ!!!!


「いや何でもある。゛境界 ゛だね。重要なキーワードだ。それじゃあいくね。」


「え?」


バチン


「ッッッアァァァァァァァァァァッッッ!!!!!!!」


「♪〜。見込み通り、いい声だ。

次何か隠したり、不明瞭、不要な発言をしたら、その度この杖で今みたいに君を引っぱたく。」


なんだ…今の痛み。背中を杖で叩かれただけ?そんなわけない。どんなに強く直に背中に叩いても、杖のような棒ではあれほどの皮膚の痛みはあり得ない。なんだ。なんだ。なんだ。


「この杖はねぇ、僕の友達のサニーに頼んでちょっと特殊な加工をしてもらったのさ。合金性でさ。それにほら、ザラザラしてるだろう?ここに罰ゲーム用の激辛スパイスをアクセントに加えるとね、驚くほどいい効果を発揮するんだよ。」


ヤスリで小さく傷ついた皮膚に唐辛子などの刺激物が塗りたくられたのか。しかも相当強い。叩かれた痛みが持続して続いているような錯覚に陥る。とんでもない痛みだ。苦しい。


「あ、あとね、30秒以内に何の発言がなかった場合、もう一度叩くから。その後また30秒待つ、それを話すまで繰り返す。適当なこと言って時間を稼いだりしたらペースは20秒ごとになる。またやったら10秒ごと。またやったら連打だ。

安心してほしい!この国では拷問の種類は1日1種類と決まってるから、今日は連打以上に酷くなることはないよ。」


何言ってるか頭に入ってこなかった。だがだいたい、早く話さないと碌な目に会わないってことだろう。始まってしまった。拷問が。


「さて、あれこれ話してるうちにあと5秒だ。」


「え、ま、待って」


「うん待つよ。話して。」


「…え?」


「今時間稼いだね」


「ちが」


「5」


「4」


「あ、」


「3」


「待たなくていいです!」


「2」


「まだしゃべりませっ」


「1!はいペースアップ!20秒!」


バチン


「っグァァァッッッッッッアッッッッァァァァァァ!!!!!!!」


地獄だ。この身体痛みはしっかりある。ゾンビなんだから痛覚切れとけ!!クソがっ!!!

まずいまずいまずい。痛みで頭がまわらない。早く調子を戻さないと。


「あと5秒」


早い。数えるの早くないか?絶対ちゃんと数えてなくないか?ヤダ。


「1」


あ、


「………ん?」


来ない……?


「君…はじめの一発の痕、消えてるね。そんなわけないのに。」


…そうか傷自体は直ったのか。唐辛子みたいなので痛みが持続してるだけで。


「今やるの実験だから。拷問じゃないからね」


「え、どういう」


「ぇ…あっ…ア…!ッッッギャッッッ!!!アアアアア!!!!」


背中にスーっと何かが伝うような感触。その後にとてつもない痛みが襲った。何をされた?痛い。痛い痛い痛い痛い。


「おぉ!深さ2センチはあっただろうに!どんどん治ってくぞ!」


「何した!!」


「ナイフで少し切れ目を入れたんだよ」


なんてことしやがる。何でこんなことができる?

思いやりがない。


「…あ!今の不要な発言だね!いや、こっちから誘ったみたいで悪いけどゴメンね?」


「…は?」


バチン


「アッ…………!……!…!!…ッッッ………!!」


「反応がコロコロ変わって面白いね。やっぱ逸材だよ1番。君は。それに、面白い体質っぽいしね。

…いや、いいね!君。…うん!…うん!!素晴らしいじゃないか1番!そうだ!1つ提案してもいいかな?」


「…?」


「そう怪訝そうな目をするもんじゃない。何。今聞いてる質問とは関係ない別の質問に2つ答えてもらう。

安心してほしい。この質問は答えようが答えまいが特段ペナルティはない。

だけど、答えてくれたら、杖のペースを10分にしてあげよう。」


「…!質問は?」


「何、簡単なことさ」


俺の鼻先までめいいっぱい笑顔を近づけて目の前の地獄の鬼はこう言う。


「君、どれほどの怪我まで完治できるのかな?」


「…!」


…………………………言おう。


「…失明、身体を貫通する刺し傷、内臓の重度の損傷、火傷、骨折、指程度の欠損は時間はかかるが完治した。手足などの欠損からの回復は…まだ確認できていない。脳の破壊は…分からない。だがリスクはかなり高い。」


「…脳さえ破壊しなければ死の心配はないと考えていいだろうね。」


…うかつなことを言った。……だが、現状ではもうこれ以上マトモに考えることができない。少しでも頭を整える時間を稼がなければ。


「ありがとう。じゃあラストだ。」


「……」


悍ましい笑顔でこう言った。


「痛いの、嫌い?」


「…嫌いだ。」


「そっか!…それは良かった。

実に、楽しいよ。」



読んでくれてありがとう。

みんなは醤油ラーメンと麻婆ラーメン。どちらを食べると言われたら、どっちにする?

麻婆ラーメン悪くないけど、俺絶対どんな時でも醤油ラーメンだね。多分。

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