一緒が良い
※エブリスタ・カクヨムにも投稿しています
「自警団は入団試験があるけど、探索業務は自己申告だからね。『これが出来るよ』とか『こんな大物を倒したことがあるよ!』って言ったもん勝ち」
「報告書を出しに行ったら、担当のゴーンルさんがまた嘆いてたな……。自己評価を偽る人が多いって」
「アイカやシャルの同行者か……」
ガイダが潜入していたことは計算外だったにしても、キージェ達が救助に行くまで、彼らは震えあがって一歩も動けなかったというし、自己評価を高めに申告していた、ということかな。
「探索の報酬の方は、そんなに期待はできないかもな」
「え、この金額の他にまだもらえるの?」
「今の受領書の金額は、特命を受けられる技量者への支給金だ。現地での探索の報酬はこれから報告書を見て決定するんだ」
わぁ……。確かにこれは嘘をついてでも受けたがる人が出て来ても仕方がないのかもしれない。
「最深部の調査ができていないから、期待はできないけどな」
「そうだね……。私の報告書は調査の内容よりもガイダとのやり取りと、探索組合やヨーン政府などに当てた申し入れの方が多いかも……」
「どうなるかね……今後のヨーンは」
少しでも古ヨーンの末裔たちと、昔のような良好な関係になれたらいいのだけど……。
「俺は、エリとガイダのやり取りを聞いていたが、確かにエリが言うようにいがみ合っているより、互いに協力した方が遺跡の調査はやりやすいと思うし、末裔だって恩恵を受けられると思うんだがな」
「そう、学者も末裔も、ウィンウィンの関係になると思う」
「ウィンウィン?」
「……いつものか?」
「いつものか」
「……いつものです」
キージェの話の腰を折ってしまった。
「……それから、救助活動に関しては、ゴーンルさんから感謝された」
「まー、救助って当然のことだから、評価点はそんなに高くないけどね」
「救助で評価点が高いのは治癒士だけだからな」
「本当に高待遇だよなあ」
「アイリスは、そろそろ正規軍に入れって言われるんじゃないか?」
「やだよぉ、あんな堅苦しいところ」
うんざりです、という顔を見せた。
自警団に所属する冒険者は、有事の際には正規軍と連携を取らなくてはならない。
治癒士として、先日のデジエント戦の招集時にもピルーコ指揮官から呼ばれていたから、正規軍の様子については一番詳しいのかな。
「アイリス、それじゃ可愛い顔が台無しだよ」
「おっと、いけない!」
アイリスが正規軍に入ってしまったら、一緒に探索に行けなくなってしまうし、こうしてみんなで気ままに集まることも無くなってしまうかもしれない。
「あのね……、私が思うのも烏滸がましいことかもだけど、ずっと4人でいたいなって思ってる」
「大丈夫だよ、エリ。僕は正規軍には入らないから」
いつも通り、無邪気な笑顔。
「アイリス……」
「俺もエリと同じ考えだ。やっぱりこのメンバーはバランスがいい。何より、気心も知れてるというのが一番大きいからな。これからもよろしくな!」
「同じく、よろしくな」
互いの顔を見合わせながら、互いに拳をタッチ。
本当に、この素敵な仲間たちとずっと一緒にいたい。




