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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第二十八章 聖女、暇なので観光に走る

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352.それで問題はない

「あれ?」

 気づいてしまった。

「目立ったら駄目なのよね」

 大っぴらに観光出来ないのでは。

 アルバートは席に着いてコーヒーを飲みながら言った。

「帽子とサングラスとマスクで何とかなるだろう。

 フード付きのコートでもいいが」

「レイナ様ってそれでも目立ちますよ。

 何というか存在感が凄くて」

「それはしょうがない。

 お嬢だと特定されなければ十分だ」

 それでいいのか。

「旅客機とか乗ると目立ってしまいそうだけど」

「あー、移動手段は組織(こっち)で用意する。

 プライベートジェットや(ヨット)もあるから」

 お金持ちって凄いなあ。

 この分だと現地では専用車が用意されそうだな。

 この間のファントムは凄かった。

 アルバートが確認するように言った。

「再確認するぞ。

 明日からはお嬢の希望する場所で観光する。

 必ずしも英国内とは限らない。

 移動手段は俺が用意する。

 ただし目的地は欧州、出来れば西欧内」

「それで問題はない」

「レスリーはお嬢の身の回りの物を手配しろ。

 金の心配はしなくていい」

「了解です」

「それでいいな?」

「問題ない」

 ということで解散。

 レスリーはレイナを部屋まで案内した後、足早に去った。

 明日からの用意があるらしい。

 大変だなあ。(人ごと)

 さて、どうしようか。

 まずシャワーを浴びてからクローゼットにあったバスローブを着てまったりする。

 念のために聖力で部屋を探ってみたけど盗聴器の類いはなかった。

 それはそうだろう。

 ここが組織の幹部用の施設だとしたら、盗聴器が見つかったりすると責任者の首が飛びそう。

 しばらくテレビを見ていたが面白くないし、バースで王女(プリンセス)が目撃されたというようなニュースも出なかったので早々に眠った。

 もう慣れてしまったけど寝心地は良かった。

 これが基準になってしまったら拙いかも。

 日本に戻ったら自分の部屋のベッドも買い換えようと決心するレイナだった。

 翌日は目覚めると部屋が暗かった。

 カーテンは閉めてあるがそれでも暗すぎない?

 窓の外は雨だった。

 空は一面の暗い雲。

 観光のムードじゃないなあ。

 スマホにメッセージが来ていたのでレスリーに電話したら朝食をどうするか聞かれた。

「もちろん食べるけど」

『お部屋で摂られますか?

 食堂ならモーニングビッフェですが』

 誘惑するんじゃない。

「もちろん食堂で」

『それではお迎えにあがります』

 これから色々やって着替えてとかだと時間がかかりそう。

「自分で行く。

 昨日のところよね?」

『はい。

 食堂でお待ちしています』

 レスリーが完全に侍女になってしまっている。

 いや侍女というよりは秘書かな?

 主人(レイナ)の世話をするわけじゃないから。

 まあいい。

 あまり遅れては気まずいので、レイナはささっとシャワーを浴びて聖力で髪や身体を乾かしてから一応歯を磨いた。

 こっちの方が気分的に気持ちがいい。

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