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第八章 1 決戦

「ほう、それで私を、か」

 昼休みの学校の屋上、そこで体に似合わぬドカ弁を食べる高子先輩に今回のことを相談し、協力を仰いだ。

「峠剛士のことだ、力を貸さんわけにはいかないだろう」

 バクバク、と米をかきこむ高子先輩。どうしてこれで背が伸びないんだろうと不思議に思う食いっぷりだ。

「ありがとうございます、助かります」

「お前のためではない。私の仕事だからな」

 弁当を食べながらクールに言う。

「高子先輩が加わってくれれば百人力ですよ」

「ふん、上手を言いおって」

「お世辞じゃないですよ。高子先輩は頼りになります」

「……ハッキリ言っておくが、峠剛士は強いぞ」

 高子先輩が俺をチラッと見てそう言う。

「よく知ってます」

「それでもお前は挑むと言うのだな?」

「はい。鈴原さんという仲間もいます」

「鈴原瑠璃か……峠を恨んでおるのだろうな」

 弁当を食べるのを止めて、高子先輩は空を見上げる。

「そうですね、かなり恨んでいると思います。危なっかしいと思うぐらい」

「戦いの場は?」

「南鳥神社です」

「あの朱色に塗られた神社か……いいだろう」

 高子先輩は水筒のお茶をぐいっと飲み干す。

「はい。ベストな選択かと」

「確かにあの神社は退魔の力が強い。もし峠が本当に魔塊などに身をやつしてしまったのなら、我々の手で討つべきだろうな」

「そのとおりです。それに……」

「不動丸か」

「はい、何としても取り返さなければいけない物です」

「作戦はあるか?」

「鈴原さんと相談しました。峠を神社の中に閉じ込めます」

「ワハハ、それは面白い。よし、やってやろうではないか!」


「まあ、峠を追ってる者同士、協力すべきなんだろうね」

 俺と小川勇美さんはカフェで向かい合い、コーヒーを飲みながら話をした。

 俺が魔塊狩り本部に連絡を取り、小川さんの電話番号を教えてもらって、直接電話しわざわざ来てもらったのだ。

……この人がどれだけやれるのか分からないけれど、峠と戦うなら仲間は多い方がいい。

法術がどういうものか完全には分かっていないが、きっと頼りになる戦力となってくれ

るだろう。

「せっかく君が伴印を使って体を張ってるんだから、一気に片を付けちゃおう」

 小川さんは俺のシャツを捲ってお腹を覗こうとする。

「わわ、止めてくださいってば」

「いいじゃないの、男子高校生のお腹見せなさいよぉ」

「セ、セクハラです!」

「つまんないのー。で、君と鈴原さんとふたばちゃん、私と他には?」

「はい、高子先輩も参戦してくれます」

「高子先輩? もしかして龍王の高子ちゃん⁉」

「は、はい、そうですけど」

「いや~久しぶりだなあ、中学以来だなあ、強くなってるんだろうなあ」

 ほわんと小川さんは笑顔になる。

「高子先輩とはどういう……?」

「私が一つ年上で、魔塊狩りになったばかりの高子ちゃんを指導してたの。でも高子ちゃん全然敬語とか使わなくて、そういうところが生意気カワイイっていうか~」

 その様子が目に浮かぶようだ。

「ところで高子ちゃん背伸びた?」

「あんまり伸びてないと思います」

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