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恋の2度見  作者: 乃菜
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39/40

既読の距離

放課後。


「……じゃあね」


「……おう」


それだけ。


前みたいに長く話さない。


前みたいに、自然に隣にいない。


「……」


つばきが先に帰る。


その背中、


なんとなく遠い。


「……」


スマホが震える。


“帰ったら連絡するね”


「……」


短い。


でも、それだけで少し安心する。


「……」


家に帰る。


制服のままベッドに倒れる。


「……」


スマホを見る。


まだ来てない。


「……」


5分。


10分。


30分。


「……」


やっと来る。


『つばき』

“今帰った〜”


「……」


すぐ返す。


『おつかれ』


既読。


「……」


でも、


返事が来ない。


「……」


「……は?」


さっきまで待ってたのに、


今度はこっちが待つ側。


「……」


数分後。


『ごめん、お母さんに呼ばれてた!』


「……」


「……あーね」


ちょっと安心。


でも、


なんか引っかかる。


「……」


会話が続く。


でも、


どこかぎこちない。


『勉強してる?』

『一応』

『えら』

『そっちは?』

『してるよ〜』


「……」


なんか、


“普通”


「……」


前はもっと、


どうでもいいことで笑ってたのに。


「……」


時間だけ過ぎる。


「……」


『そろそろ寝るね』


「……」


「……早」


前なら、


もうちょい話してた。


「……」


でも、言えない。


「……」


『おやすみ』


既読。


すぐに


『おやすみ』


「……」


画面が暗くなる。


「……」


そのまま、


天井を見る。


「……」


なんだこれ。


「……」


さっきまで普通だったのに、


急に寂しくなる。


「……」


“会ってないだけ”


「……」


分かってる。


「……」


でも、


それだけでこんな違うのかよ。


「……」


次の日。


学校。


「……」


つばきはいる。


普通にいる。


「……」


でも、


距離がある。


「……」


話しかけようとして、


やめる。


「……」


なんでか分からない。


「……」


つばきも、


こっちを見るけど、


来ない。


「……」


目が合う。


「……」


すぐ逸らされる。


「……」


その一瞬が、


やけに長く感じる。


「……」


放課後。


また別々。


「……」


スマホが震える。


『つばき』

“今日もおつかれ!”


「……」


昨日と同じ。


「……」


でも、


違う。


「……」


少しだけ、


考える。


「……」


このままでいいのか。


「……」


指が止まる。


「……」


それでも、


送る。


『なあ』


既読。


すぐつく。


「……」


『ん?』


「……」


少しだけ、


深呼吸。


「……」


『今度、会えん?ちゃんと』


「……」


既読。


「……」


少し間があく。


「……」


その数秒が、


やけに長い。


「……」


『……うん、会いたい』


「……」


その一言。


「……」


一気に、


胸が軽くなる。


「……」


でも同時に、


気づく。


「……」


“同じだったんだな”


「……」


向こうも、


同じくらい思ってた。


「……」


『じゃあ、土曜』


『うん』


「……」


画面を閉じる。


「……」


久しぶりに、

少しだけ笑えた。


────────────────────



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