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恋の2度見  作者: 乃菜
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40/40

触れた温度

土曜日。

待ち合わせの時間より、少し早く着く。


「……」


落ち着かない。


スマホ見ても、時間しか進んでない。


「……」


人が通るたびに、顔を上げる。


違う。


また違う。


「……」


ため息が出かけた時、


ふっと視界に入る。


「……あ」


つばき。


少し小走りでこっち来る。


「ごめん、待った?」


「……いや、今来たとこ」


嘘。


でも、そんなのどうでもいい。


「……」


近い。


なのに、



なんか距離ある。


「……久しぶり」


「……うん」


数日しか経ってないのに、


変にぎこちない。


「……」


沈黙。


前ならこんな空気、すぐ崩せたのに。


「……」


つばきが少し視線を落とす。


「……なんかさ」


「……ん?」


「最近、変じゃない?」


「……」


分かってる。

言われなくても。


「……あー、まぁ」


「……」


言葉が出てこない。


「……」


つばきが、小さく笑う。


でもそれ、無理してるやつ。


「LINEもさ、なんか…」


「……」


「前みたいじゃないよね」


「……」


胸がチクっとする。


「……」


「……ごめん」


思わず出た。


「え?」


「……なんか、分かんないけど」


「……」


「どう話せばいいか、分からんくなってた」


「……」


つばきが少しだけ驚いた顔する。


「……私も」


「……え」


「同じこと思ってた」


「……」


一瞬、空気が止まる。


「……」


そのあと、


ふっと軽くなる。


「……なんだよ、それ」


「ふふ、ほんとに」


少しだけ笑う。


やっと、


いつもの空気が戻りかける。


「……」


でも、


まだ足りない。


「……なあ」


「……ん?」


「会いたかった」


「……」


つばきの動きが止まる。


「……普通に、寂しかった」


「……」


ちゃんと、言えた。


「……」


つばきが顔上げる。


目、少しだけ潤んでる。


「……私も」


「……」


「会いたかった」


「……」


次の瞬間、


自然に距離が縮まる。


「……」


手が触れる。


「……」


そのまま、


指が絡む。


「……」


前より、


ちゃんと繋いでる。


「……」


つばきが小さく笑う。


「やっと、戻った感じする」


「……だな」


「……」


少し沈黙。


でも、


今度は嫌じゃない。


「……」


つばきがこっち見る。


「ね」


「……ん?」


「もう、我慢しないで」


「……」


「寂しい時は寂しいって言って」


「……」


胸がじわっと熱くなる。


「……お前もな」


「うん」


「……」


少しだけ近づく。


「……」


つばきも逃げない。


「……」


距離、ゼロ。


「……」


小さく、


触れる。


「……」


一瞬だけのキス。


でも、


前よりずっと意味がある。


「……」


離れたあと、


つばきが笑う。


「……なに」


「いや、なんか」


「……ん?」


「ちゃんと“恋人”って感じ」


「……」


思わず笑う。


「今さらかよ」


「ふふ、たしかに」


「……」


手、繋いだまま。

今度は離さない。


────────────────────


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