触れたい理由
翌日。
「……」
教室。
いつも通りの朝。
「……」
のはずなのに、
なんか違う。
「……」
理由は分かってる。
昨日。
あれ。
「……」
抱きつかれて、
キスして、
「……」
思い出しただけで、
無理。
「……」
机に突っ伏す。
「おはよ」
「……っ」
声。
すぐ横。
「……」
顔上げる。
つばき。
「……おはよ」
「……」
一瞬だけ、
目が合う。
「……」
どっちも、
少しだけ逸らす。
「……」
昨日あんなだったのに、
なんだこれ。
「……」
つばきが、
小さく笑う。
「……なんか変」
「……」
同じこと思ってた。
「……」
でも、
嫌じゃない。
「……」
むしろ、
落ち着く。
「……」
授業中。
「……」
ふと、
机の下。
「……」
指、
軽く触れる。
「……っ」
一瞬びびる。
「……」
でも、
離れない。
「……」
つばきの指。
少しだけ絡む。
「……」
誰にも見えないところで、
こっそり。
「……」
心臓、
うるさい。
「……」
でも、
なんか安心する。
「……」
つばきが小さく呟く。
「……ちゃんといるね」
「……」
意味、
分かる。
「……」
昨日の続き。
「……」
小さく答える。
「……いるよ」
「……」
つばきが、
少しだけ指を強く握る。
「……」
それだけで、
なんか全部満たされる。
「……」
放課後。
「……」
帰り道。
「……」
今日は、
自然に隣。
「……」
無言でも、
気まずくない。
「……」
むしろ、
落ち着く。
「……」
つばきが、
ぽつり。
「……さ」
「ん?」
「……昨日のさ」
「……」
一瞬、
心臓跳ねる。
「……」
つばきが、
少しだけ照れながら言う。
「……ああいうの、嫌じゃなかった」
「……」
知ってる。
でも、
ちゃんと言われるとやばい。
「……」
「……むしろ」
「……」
少し間。
「……もっとしてもいい」
「……っ」
やめろ。
「……」
こっち固まる。
「……」
つばき、
ちょっと楽しそう。
「……なにその顔」
「うるさい」
「……」
笑う。
「……」
少し歩いて、
人気の少ない道。
「……」
つばきが、
ふと立ち止まる。
「……」
振り向く。
「……」
距離、
近い。
「……」
つばきが、
小さく言う。
「……今なら平気?」
「……」
昨日と似てる。
でも、
違う。
「……」
今回は、
迷わない。
「……」
少しだけ、
こっちから近づく。
「……」
つばき、
驚いた顔する。
「……」
そのまま、
軽くキス。
「……」
一瞬。
でも、
ちゃんと自分から。
「……」
離れる。
「……」
つばき、
ちょっと固まってる。
「……」
そのあと、
ふっと笑う。
「……なにそれ」
「……」
少しだけ目逸らして、
「……昨日のお返し」
「……」
つばき、
ちょっと嬉しそうに笑う。
「……ずる」
「……」
同じ言葉、
返す。
「……お互い様」
「……」
そのまま、
また少し距離が縮まる。
「……」
手、
自然に繋がる。
「……」
今度は、
どっちも意識してない。
「……」
ただ、
当たり前みたいに。
「……」
つばきが、
小さく言う。
「……なんかさ」
「ん?」
「……こういうのがいい」
「……」
同じこと思ってた。
「……」
小さく答える。
「……ああ」
「……」
特別じゃない日。
でも、
ちゃんと特別。
「……」
たぶんこれが今の二人にとっての
一番ちょうどいい距離だった。




