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事件の結末

「ハリス校長!」 

「う〜ん。スライムは、あの男を倒しても止まらない。中々厄介だね」

 ドラゴンの魔法を使ったのはハリス校長だった。  

 彼はレインの事を助けに来たらしい。

 心強い助っ人だ。


「ハリス校長、少しの間で良いので、ネイサンを止めておいてもらえますか?」

「お、策ありかい?」

「えぇ、ロックフレアを使ってみようと思うんです」

「ロックフレアか。中々大胆な策だね」

 ロックフレア、それは巨大な岩石を呼び出し相手に、ぶつける呪文。

 かなり巨大な岩石なので、発動さえすれば、あのスライムも倒せるだろう。

 しかし、この呪文には一つ問題点があった。


「ロックフレアは、バラバラに砕け散った岩の処理が大変だ。君は、このフェスに来ているお客さんを巻き込まずに、魔法を処理出来るかい?」

「えぇ、僕になら出来ると思います」

 繊細な作業にはなると思う。  

 しかし、ここで決めないと、このスライムは一般客にも被害が及ぶかもしれない。

 絶対に決めないと。


「なら、問題はない。レイン君、ロックフレアを決めたまえ!」

「はい、校長!」

 レインは地面に両手をついた。

 そして呪文を唱える。


「ロックフレア!」

 レインの足元から巨大な魔法陣が出現。

 そして、スライムの頭上に巨大な魔法陣が出現した。

 レインは、ここぞとばかりに一気に魔力を練り上げる。

「はぁああああ!」

 魔法陣が回転を始めた。   

 そして次の瞬間。

 スライムの頭上から隕石とも思える、巨大な岩が出現。

 そして、その岩はスライムの赤い核を目掛けて落ちて来た。

 スライムは必死に核を動かすが、スライム本体より岩石の方がデカイ。 

 核を避ける事が出来ない。  


 凄まじい轟音。 

 その轟音と共にスライムの赤い核は砕け散った。

 よし、やったぞ。でも、まだだ。  

 赤い核と共に砕け散った岩石の処理が残っている。

 レインは集中力を上げ、バラバラに散っていった岩石に魔法を送る。  

 バラバラに散った岩石は再び、集まり巨大な岩石となった。  


「素晴しい魔力コントロールだ。レイン君、やるね〜」

「ありがとうございます」

 巨大な岩石は砂のようになって消えて行く。 そして握り拳くらいの大きさになった。

「ひ、ひぃーげこ〜」

 ネイサンが逃げようとしている。 

 レインは、残った岩をネイサンにぶつけ気絶させた。

 こうしてレインは勝利を収めた。 


「やったな、レイン」   

「会長……」

 テリーを倒して来たルビー達がレインと合流。 

 その功績を皆でたたえる。


「これで戦争は防げたで」

「やりましたわ〜」

「……ナイス」


「ありがとうございます、皆のお陰です、あ、そうだ。会長のお父さん病院に送らないと」

 スライムが倒されネイサンが気絶した事でルビーの父親も正気に戻ったはず。

 レイン達はステージ上にいるルビーの父親へと駆け寄った。


「は、私は何を」

「パパ!」

 正気を取り戻したルビーの父親の元にルビーが駆け寄り、大層喜んだ様子で話し込んでいる。

 幸いな事にルビーの父親は大きな怪我はしていなかった。

 全員で喜びを噛み締めている時、パトカーのサイレンらしきものが聞こえて来た。


「あれ、この音は」

「私が手配しておいた。これで一件落着だね」

「校長……」


 その後、ネイサンはやって来た警察に逮捕され、ルビーの父親も病院に運ばれ、何事も無く無事に退院。

 テリーも同様に警察に逮捕されたらしい。

 ルビーは少し怪我をしていたが医者曰く驚異の回復力でなんとも無いらしい。

 スライムの件は、誰も被害者が出なかった事で、ゾロール人の仕業だとはならなかった。

 戦争は回避され、こうして事件は終わりを迎えた。


「くそっげこ。くそっげこ。何で、こんな事になったげこ」

 逮捕されたパトカーの中でネイサンは愚痴を吐いている。 

 彼は、まだ、こんな事をしてしまった事を反省していないみたいだ。


「そもそも、国王が俺に変な呪文を渡して来たのがいけないげこ。絶対に全てをバラして復讐してやるげこ」

 全ては、この操心の呪文を渡して来たクロスのせい。

 ネイサンは全ての罪をクロスに擦り付けるつもりだった。


「それは出来ない相談ですね」

 年配のパトカーの運転手の警官が、そんな事を言ってきた。    

「うん? 今、なんて言ったけろ?」

 パトカーの運転手は、こういう時喋らない。 なんとなく、そう思っていたネイサンは思わず聞き返す事にした。


「出来ない相談だと申したまでです」  

「出来ないって何ケロ? これはお前らにとっても朗報ケロ」

 国王の悪事がバレれば、警官だって大急ぎになるはず。

 なぜ、この警官は、それを否定する?

 それにパトカーがなんだか人気の無い方、無い方へと向かっている気がする。

 一体、何処に向かってるんだ?


「おい、警官。警察署に向かうんじゃないケロ?」

「いえ、貴方は、ここで死ぬのです」

「は? 何を言っているケロ?」

 横を見るとテリーが怯えている。

 え、この状況、どういう状況?


「しくじった奴は、始末しろ。それがクロス様のご命令です」

「しくじった奴……は、お前は!」

 ネイサンは、この運転手を見た事があった。 この運転手はクロスの運転手も務めていた。

 今度は警察の格好をしたまま、パトカーの運転手を務めている。


「ゴーストアンサンブル」

 モールスはパトカーを止めて呪文を唱えた。 彼の頭上にゴーストが出現。

 そのゴーストは刀を持っている。

「おい! テリー、なんとかするケロ。こいつをやっつけるケロ!」

「魔法封じの手錠がかけられている状態では、某でもどうにもする事は出来ません。まぁ手錠が無くてもモールス相手では、どうにも出来ませんがな」

 テリーが戦う事すら諦める相手、一体何者なんだ。


「辞めるゲコ。死にたく、ぎゃあああ!」  

 ネイサンとテリー、二人はモールスに殺された。



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