病院
ミーナ病院の受付に聞いた所、ダイアナは三階の三◯八号室に居るらしい。
レイン達はエレベーターで三階へ。
そして、三◯八号室に、たどり着いた。
三◯八号室は、個室で、ベッドはダイアナの物しかない。
レインは病室の扉をノックする。
「どうぞ〜」
ダイアナらしき声がしたのでレイン達は中へ入る。
そこには怪我だらけで包帯が巻かれたダイアナがいた。
その側には椅子があって彼の部下らしき人物もいる。
「あの、ダイアナさん」
「あ、ちょっと待って」
ダイアナはスマホを弄っている。
一体、何をやっているんだろう。
「やったわ! メルメスのバック、ゲットよ」
「先輩、本当ブランドもの好きっすよね」
どうやら彼女はブランドもののバックをゲットしたらしい。
取り敢えず無事で良かった。
「と、いう事があったのよ」
レイン達はダイアナから何故、彼女が怪我をしたのか聞き出す。
どうやら凄まじい戦闘にあったみたいだ。
「なるほど、それは大変でしたね」
「まぁ、油断していた私達が悪いんだけどね」
自分達を呼び出したのは何もお見舞い相手が欲しかった訳ではないだろう。
レインは、その辺りを聞く事にした。
「で、何故、僕達を呼び出したんです? ダイアナさん」
「……貴方達、何故、私達がネイサンを尾行していたか聞きたくはない?」
「え、ネイサンが操心の呪文を使っているからじゃないんですか?」
「それもあるけど、あの男は、ある男の事を殺そうとしているのが分かったの。勿論、呪文で他人を操ってね」
「呪文で他人を操って、誰です?」
「ゴードンという人物を、ご存知?」
「ゴードン、名前は聞いた事があります」
ゴードン、それは活動家を名乗る人物でゾロール人の偏見まみれのスピーチを行い、金を稼いでいる人物である。
その内容は、もはやヘイトスピーチであり、しかし一部のゾロール人嫌いのマッセール人から人気があった。
「と、いう人物ですよね」
「そう、正直言って、ゴードンは、ヘイトスピーチで金を稼いでるクズよ。でも、殺人は許されない。ネイサンは、このゴードンを殺そうとしているのよ」
「でも、何故です?」
「恐らく、ネイサンはゾロール人がゴードンを殺した。そういう事実が欲しいんでしょうね。だから操心の呪文を使いゾロール人を操って、ゴードンを殺させるつもりなのよ」
「! なるほど、そんな事になればマッセール王国のゾロール人嫌いは益々加速する」
「そう。それがネイサンの狙いよ」
ネイサンの狙いはゾロール人を操りゴードンを殺させる事。
そんな事は絶対に阻止しないと。
「ちょっと良いか」
ここでルビーが口を挟む。
「私の父が行方不明なんだ。この事が無関係とは思えない」
「貴方の父はゾロール人?」
「あぁ、そうだ。父はゾロール大使館で働いている」
「! それは大変。もしネイサンが、そこの彼女のお父さんを操っているとしたら……」
「戦争が起きかねない。大惨事になりますね」
「うーん。イマイチ分からへんな。誰か分かりやすく解説してや」
「今の話を簡単にまとめると、ネイサンはゾロール人のルビーの父親を操って、ゴードンを殺させるつもりですわ。その事はゾロールとマッセールの間で戦争が起きかねない。大変不味い事態なんですの」
「えぇ! それはヤバいやないか。ネイサンは今、何処にいるんや?」
「ネイサンの居場所は、今は分からないわ。でもゴードンの居場所は分かる」
「何処です? ダイアナさん」
「ゴードンは、今度の日曜日、グレード公園で行われる醤油フェスに呼ばれている。そこで仕事をするつもりよ」
グレード公園の醤油フェス、そこに行けばゴードンがいる。
「会長」
「あぁ、行こう。グレード公園に」
レイン達は、病室を出てグレード公園に向かう事にした。
「良いんっすか、先輩。あんな子供達に託してしまって」
「そうね。私も気がまわったかしら」
レイン達はグレード公園に、たどり着いた。 この公園はミーナ(マッセール王国の首都)で最大の公園で野原も多い。
休日になると、家族連れ達がピクニックで多く訪れている公園だ。
今日は醤油フェスというイベントが開かれている。
その為、いつもより家族連れが多く公園内にいた。
「何処や! ゴードンは、何処や!」
エイデンが周りを見回しながらゴードンの居場所を探っている。
「うーん。ゴードンは一時から特別ステージでスピーチを行うみたいですね」
レインはスマホで醤油フェスについて確認する。
特別ステージは公園の西側にあり、レイン達のいる入り口から三百メートル程離れている。
「特別ステージやな。そこで待てばいいんやな」
「でも、今は醤油フェスの中を見回っているかもしれないな」
「取り敢えず、ステージ以外の場所も見てみますか」
レイン達は取り敢えず醤油フェスを周る事にした。




