二度目の補習
「と、いう訳で、今日こそ。補習を受けてもらうぞ。エイデン!」
放課後。諦めのつかないルビーは、空き教室に再び、エイデンを呼び出した。
格好は前と変わらず教師のような格好をしている
「会長、まだやるんですか?」
「当たり前だ。このままでは、彼が退学になってしまうだろ」
まだまだ、やる気の様子のルビー。
一方のエイデンは。
「ふん。俺にやる気を出させられるんやったら、出させてみい」
「えばらないで下さい……」
こうして授業が始まった。
「えぇ、では、今日こそ、答えてもらうぞ。エイデン。空中から撃つ魔法と地上にいる魔法、両者の魔力が同じ場合。どちらが勝つ?」
ルビーは、前と同じ問題を出す。
前回の補習を聞いていれば分かるはずなのだが……。
「うーん。この教室、なんか辛気臭いのう」
「え? 今度はなんです?」
「いや、この教室なんか辛気臭いと思うてな」
「いや、普通の教室ですけど……」
ルビーが用意した教室は他の教室と、なんら変わらない普通の教室。
辛気臭いと言われても……。
「そや! 俺がオシャレになるよう改造したる!」
「へ? なんですか。急に」
「この教室は辛気臭い。だから、俺がオシャレになるよう改造したるねん」
「オシャレになるようにって、どうやって?」
「流行りのDIYやな。任せ時〜」
「DIYって、工具も材料もないでしょ。どうやって……」
「ちわ~っす。ミミゾンでーす。ご注文の商品、お届けに参りました〜」
「早いな! いつ注文した?」
ミミゾンから届いたのは木材やら工具やらのDIYする為の商品。
いや、本当に、この教室を改築するの?
「よっしゃ〜、腕がなるで〜、任せ時や〜」
「いや、エイデン。そんな事より勉強を……」
ギコギコギコ。
「駄目だ。木、切り始めちゃった。どうしましょう? 会長」
「うん? 丁度良い。このまま授業を進めるぞ」
「良く、こんな状況で授業出来ますよね……」
エイデンが教室工事を始める中、授業を進めるルビー。
ギコギコギコ。カンカン。
そうして一時間位がたった。
「完全したで!」
エイデンの声でレインは目を覚ます。
レインは机に突っ伏したまま居眠りをしていたのだった。
「へ? エイデン、工事、終わったんですか?」
「そうや。見てみぃ」
エイデンは工事を終えた教室をレインに見せる。
「先ずは、これや。窓を全部、木材で封鎖してみた」
彼の言う通り、窓が全部、木材で封鎖され全ての窓から光が入らなくなっている。
「何してんの!? 窓の意味ないじゃん!」
「名付けて、窓のない教室や。どや、斬新やろ」
「いや、早く元に戻して! 窓がないと困るから!」
窓のない教室など斬新などではない。健康に悪いし、ただ単に薄暗いだけ。
早急に元に戻すよう求めるレイン。
「まだ、終わりじゃないで。今度は教室の扉を見てみぃ」
まだあるのかよ。レインは教室の扉の方へと向かう。
レインが扉の前に立った瞬間。教室の扉が開いた。
「教室の扉、自動ドアにしたで」
「えぇ! 凄っ! どうやったの? 本当に自動ドアになってんじゃん!」
最早、個人の技術を超えた凄技に驚愕するレイン。
「最後や。ここ立ってみぃ」
教室の後ろの方、窓側の隅に立たされるレイン。
「え? 今度はなんですか?」
「壁にボタンあるやろ。押してみぃ」
確かに彼の言う通り壁にボタンが取り付けてある。
言われた通り押すレイン。
すると天井からシャワーが流れ始めた。
「どや! この天井をシャワーに改造したで」
「いや。凄いけど、要らない! 僕、びしょ濡れになっただけなんだけど?」
「え〜、魔法力学の基礎は重力にあって〜」
「会長、良く、この状況で授業出来ますね!?」
エイデンのせいで授業は、てんやわんや。 またもや補習は失敗に終わった。
「本当に大丈夫なんですか? エイデン。テストは明日ですよ」
エイデンは補習の授業を全く受けていない。
このままではテストに受かるのは不可能だろう。
心配になったレインはエイデンに問いかける。
「おぉ、心配せんといても、大丈夫や。問題ない」
エイデンはテストの事は一向に心配していない様子だ。
「本当に大丈夫かな?」
エイデンは何故か自信満々といった感じ。 何か秘策でもあるのかな?
「おい! エイデン、大変だぞ!」
その時、一人の生徒が教室の扉を開き中に入って来た。
「おぉ、ネルソンやないか。どうした?」
「アンドリューが先生に捕まった。今、校長室に呼び出されている」




