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85.砂浜にて I

白い砂浜に照りつける太陽。この島に来る道中の様々な障害を突破し、何とか島へと辿り着けた俺達。

 船から荷物を下ろし、砂浜に調査拠点などを設営すると。美月の"皆さんさっきの戦闘で疲れてるでしょうし、少し早いですけど先にお昼にして調査前の英気を養いましょう"との言葉に一同賛成した。


 昼食は持ってきた食材に合わせて、海で取れた新鮮な魚や火の燃料となる枝などを集める最中に見つけた気になっていた果物なんかを加えたバーベキューだ。

 各自割り振られた仕事をこなしながらすぐさま昼食の準備は整い、皆心ゆくまで開放感のある野外での食事を堪能した。


***


 食事を終え、後か片付けを済ました俺達は、腹も満たされたのでようやく調査開始…とはならず。

腹ごなしも兼ねて、水着に着替えてみんなで海や砂浜で遊ぶこととなった。


「ゆくぞ侑!それぇっ!」


「きゃっ、もう燕ちゃん。お返し!」


浅瀬で楽しそうに水の掛け合いで盛り上がっている二人を見ながら、俺は広げたパラソルの陰の中で体育座りをしていた。

 ここに来るまで元気がなさそうに見えた侑だったが、美味しいご飯に海で遊ぶという学生ならばテンションを上げざるをえない状況に、普段以上に元気を取り戻しつつあるように見えて少しホッとした。

 それだけで誘って良かったと思える。


「ヒービーは遊ばないんすか?」


「俺はさっきの戦いで姉さん達がバンバン大技使うもんだから、ドンドン勝手にゼスト使われて今遊ぶ気力が出ないんだよね。そういうタツは遊んでこないの?」


「自分は他にやるべきことがあるんで…。」


さっきから一緒の日陰に入って隣でカメラの調節のようなことをしていたタツが、それを終えたと思いきやすぐにカメラを構え出す。


「何してんのタツ?まさか、やるべきことって盗撮?」


「やだなぁ、人聞きの悪いこと言わないでくださいよ。単なる調査の一環として島の様子を撮影して記録しようとしてるだけですよ。決して、南の島に行くから皆さんの水着が見れるかもと思ってお高めのカメラを用意してきたわけじゃないっすからね!?」


 わざとらしくみんなに聞こえるように大声かつ早口でそう話すタツに俺は、絶対こいつみんなの水着目当てだろと確信していた。


「まぁ、記録してる最中に水着姿の皆さんが写真に映り込んじゃってもそれは事故のようなもんですよ。」


「何でもいいけどさ、あんまり大胆なことして女子に嫌われても知らないよ。」


「ふっ、美人なお姉さん達と毎日一つ屋根の下で暮らしてるヒービーや可愛い妹さんがいて他の女の人に全く興味を示さず海で泳いでいる筋肉バカのカカっさんにはわからないんですよ。普通の男子高校生は、こんな沢山の水着のお姉さん達に囲まれた状況でそんな平然としてられるわけないっす。」


そう言い終わると、タツはカメラの望遠機能を使いながらビーチにいる水着姿のみんなを順番に眺め始めた。


「見てくださいよ!夏の太陽よりも眩しいビキニ姿のお姉様方や布地が多いデザインの水着にも関わらず、セクシーさが全身から溢れているヨーコ先生のあの妖艶な姿を。これで興奮しないなんて、男じゃないっすよ。」


カメラのレンズの動きからして、ほぼ胸の大きい人物にしか目で追ってない様子のタツを見て。いつしかこの行為がバレて天罰がくだらないことを密かに祈っていた俺だったが、そんな祈りは虚しくも数秒後に打ち砕かれることとなる。


ビュオッ


 突如タツの覗くカメラのレンズに着弾した謎の銃撃。


「ギャアァァァーーーーーーッ!!!カメラがぁぁぁーーーーーーっ!!!」


よほど大金を注ぎ込んで購入した物なのか、新品のカメラは無惨にも先程飛んできた謎の弾によって風穴が空いていた。


「何故かしら。何か邪な視線を感じた気がして、思わず撃っちゃったわ。」


 水着の上にパーカーを着込んだ姿の金恵が片手ゴツい水鉄砲を持ちながらこちらに歩いてきていた。


 えっ!?まさかさっきの銃撃って水鉄砲だったの?どんだけえげつない威力したんだよ…。


 さっきの凄まじい勢いではなくちょろちょろと水が銃口から飛び出しているところを見ると、本当に水鉄砲のようだ。


「グスンっ…。べっ、別に、木陽さんや金恵さんのことはそんなに見たた訳じゃ…。」


「・・・・・・はあ!?」


この言葉がただのガキの悪ふざけと思って流そうとしていた金恵の琴線に触れることになる。


ガシッ!!


「えっ!?あの、ちょっと金恵さん!?何処に連れて行くんすか!?」


いきなり怖い顔をし出した金恵はタツの首を問答無用で掴むと、そのままタツを引きずって何処かへと歩き出す。


「金恵…?」


「ちょっとこの全世界の女の敵(ノンデリバカ)適当な所に埋めてくるわ…。」


「そんなぁ!?ヒービー助けてくださいっす。」


「タツ…。俺にそうなった金恵を止める力はない。大人しく自分の罪を自覚して、裁き(お仕置き)を受けるんだ…。」


「この裏切り者〜!」


何を裏切ってしまったかは定かではないが。冗談の通じる顔をしていない金恵を見て、すぐに抵抗は無駄だと察してタツは、その後大人しく金恵に引きずられて岩場の陰に消えていった。

 そんなタツ達を見送る最中、俺は胸の前に手を合わせて哀れなタツの持つ煩悩がこのお仕置きを機に少しでも収まってくれるくれることを祈願した。

調査は…?

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