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61.ナメない方がいいぜ。

 おいおい…、まだ試合始まって10分そこらしか経ってない筈なのに、なんで敵が三人も纏まって俺のところに来るんだ?

 明らかに早すぎる複数の敵の登場に流石に驚いたが、すぐさま少し後ろは下がり距離をとった。


「ったく、ようやく気づきやがったか。対抗戦の真っ最中だってのに、女とこんな所でイチャついてるなんて随分と余裕だなぁ、響八よぉ。」


「別にイチャついてた訳じゃないんだけど…。ってか、なんで俺の名前知ってんの?」


「おまっ、俺だよ!上壁の野郎と一緒に戦ったE組の頭の…。」


「あー思い出した。リーダーぶってたくせに俺と櫂に一瞬で負けたE組の奴!」


正直印象が薄過ぎて顔も忘れていたが、なんとか思い出せてよかった。そうじゃなかったらなんか気不味い雰囲気になりそうだったから。


「変な覚え方してんじゃねぇ!クソがっ、上壁といいお前といいしたのクラスのくせにナメやがって…。だがな、そんな態度してられるのも今のうちだ。あの根津井さんを怒らせちまったんだからな。これを見ろ!」


そう言うと、男はポケットからスマホを取り出し画面をこちらに向けてくる。


『やっほー、聞こえてるー?さっきぶりやね、響八君。』


 スマホの画面はビデオ通話の状態になっており、画面の向こうには、先ほど会った根津井が画面越しにヒラヒラと手を振っていた。


『急に敵が三人も現れて驚いたやろ?ワイもビックリしたんやけどな、どうやらたまたま(・・・・)三人とも転送先が近くて、しかも響八君を近くで発見したゆうやんか。いや〜、ほんまこんな偶然であるもんなんやね。超ラッキーやん。」


あまりにもワザとらしくこの出来事が偶然かのように話す根津井は、今いる場所で必死に笑いを堪えているかのようだった。


『しかも偶然って重なるってゆうやないか?もしかしたら、おたくの仲間達のところにも俺ワイの手下達が一定数近くに転送されとるかもなぁ。』


「随分と機嫌良さそうに話すね。もしかして、転送先が重なるように細工でもしたんじゃないの?」


『酷い言われようやなぁ。ホンマたまたまやで。そう、たまたまや。』


やはり何か細工をしたようだな。

そういえば金恵が注意してたっけ。根津井みたいなタイプのインテリヤクザは、勝つためならどんな手段でも使ってくるから気をつけなさいって。

 試合開始早々根津井達が有利になるように、全員の転送先をいじったって訳か…。


『もし響八君達の他の仲間も同じような状態に陥っていたら、もうやられてしもうとるかもしれへんな。』


「へへっ、おい響八。俺たちをこの前と同じと思うなよ。これを見なっ!」


何故か強気な態度のE組の男は、着ているワイシャツの首元を手で下げると、首筋についたマークを俺に見せた。そのマークは、前に櫂が根津井につけられたものと同じものだった。


「これはな、根津井さんに忠誠を誓った者の証だ。このマークをつけてもらった奴はもれなく、今までの自分とは比べ物にならない力を得ることができるのさ。」


他の二人にも体の一部に同じマークがついてることが見て取れる。そう思っていると、敵の三人はギアにゼストを込め、武器を出現させる。

 ゼストを込める時にもそうだが、E組生は前に戦った時と比べ物にならないほどのゼストを身に纏っている。今回出現させた武器もゼスト量が違うからか、前は普通サイズの剣だったが今回出現させた武器はそれよりもはるかに大きく、形も変わっている。

 どうやら強くなったというのは嘘ではないらしい。


『まぁだいたい察しがついてるかもしれへんけど、これが俺の能力や。詳しくは言えへんけどな。まぁ無駄なお喋りはここまでにしようや。今回の試合、ワイは大将は響八君、君やと思ってんねん。違うか?』


「さぁ、どうだろうね。こっちも、どうせプライドの高そうな根津井君が大将じゃないかとみんなで話してたんだけど、違う?」


『さぁ、どうやろな…。ってか大将が誰かなんてこの際どうでもいいねん。こうしてる間にも俺の下僕達が、君たちの仲間を一人残らずボコボコにするんやから。』


「それはどうかな?」


『なんやと?』


「確かに.ここにいる君の仲間達は前と違って強くなってるけど、強くなってるのが君たちだけだと思わない方がいいよ?」


〜根津井サイド〜


根津井が転送された学校校舎、2階にある客人応接室。その応接室に設置されている窓が突如、ある男の手によって蹴破られる。


バリィーンッ!!


「なんやっ!?」


砕け散ったガラスの破片と共に部屋に入ってきたのは櫂だった。


「邪魔するぜ、狐野郎。」


「誰かとおもたら、響八君とこの金髪君やないか。大分突拍子もない登場の仕方してからに。ここ一応二階やで?そんなことより、なんでこんな早く俺の居場所分かったんや?」


「あぁ、別に特別な方法使ったわけじゃないぜ?ただ、何故が俺の転送された場所近くにお前の仲間がいて、向かってきたから返り討ちにして、そいつらに優しく聞いたらお前がここにいるって教えてくれたから走ってきただけだ。なんも不思議じゃないだろ?」


なんやそれ!?強化された俺の手下こんなに早く倒してここに来っちゃうんか?それにしても早すぎやろ?

 こいつは俺の能力で今ゼストの量がほぼゼロに近い筈…。

 状況が飲み込めず、困惑している根津井に櫂が不意をついて距離を詰める。


「なっ!?はやっ…」


櫂にかけられた自分の能力がとっくに解除されているとは知らず、油断した根津井は防御の体制が間に合わなかった。


「本当はこっちの作戦だと俺は宣戦布告だけすればよかったんだがよ。俺はお前にはデケェ借りがあるからな。せっかくだからこの場を利用して、この借りを返させてもらうぜっ!オラァッ!!」


素早い移動の勢そのままに、櫂の拳は根津井の顔面を正確に捉えた。


「ホガァッ!」


ドゴォッ!!!


攻撃を受けた根津井は、部屋の壁まで吹っ飛んでいった。


「これでファミレスでの借りは返したぜ…。これが俺なりの宣戦布告ってことでどうぞよろしく。一つ注告しとくけどな俺たちをファミレスで会った時と同じだと思ったら痛い目見るぜ?あっもう既に痛い目にあってたかw」


「クソがっ…。」


 吹き飛ばされた根津井はその場でむくりと立ち上がると、攻撃で出た鼻血を拭いながら、櫂の方を鋭く睨みつけた。

 本日5月31日の投稿で、自分が小説を投稿し出してから丁度二ヶ月が経ちます。

日頃から私の拙い文章の小説を読んでくださっている皆様へ、いつも私の小説を読んでくださり大変ありがとうございます。この場を借りて、感謝の言葉を贈らせていただきます。

 これからも可能な限り毎日小説を投稿させて頂こうと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

(投稿がされない日がありましたらどうせストック切れですので、続きを待ってくださってる人がもしいましたら、更新されるまでお待ち頂ければと思います。)

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