表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/50

32.襲来、地味ブルマメガネっ娘の変

「たのもーっ!」


部活棟の更衣室で着替えた俺は水姫に連れられて、外の運動場に来ていた。


「水姫、その言い方じゃあ道場破りみたいじゃない?」


「えっそう?まぁ、なんでもいいじゃん!とりあえず、体験入部お願いしまーす。」


水姫はいつ着替えたのか、ここにくる途中、一瞬目を離した隙に見慣れない体操服姿に着替えていた。

実際に入部するのは俺なのだが、体操服に着替えるし、ストレッチも俺より入念ししている様子から、俺よりも体験入部に積極的であり気合が入っているように見える。


「ところで水姫、その格好は何?」


「えっ、知らない!?これはねブルマって言うんだよ。一度着てみたかったんだよね〜。」


「まさか、それが着たかったから最初に運動場来たの?」


「そっ、そんなことないよ〜…。これ着てると結構いいことあるし。ほら、誰か来たよ。」


水姫は盛大に目を泳がせていた。図星だな。


まず訪れたのは野球部が活動している野球場だ。

野球部の部員たちは最初水姫のテンションの高さにあてられてぽかーんとした顔をしていたが、少しして、部長と思しき人物が声をかけてきた。


「何?体験入部?ウチの野球部に入る奴は春休みから練習に参加してるし。新入生ももうほぼ入り切って新チームとして動き出してるから、5月も中旬だし今から体験入部はねぇ…。」


「そんなこと言わずに、ね♡お願〜い。」


水姫は部長の手を即座に握ると、メガネを外しあざとく上目遣いで頼み込んでいた。

純情そうな野球部員は顔の良さに鼻の下を伸ばし、既に骨抜き状態になっていた。


「そっそれじゃあ、少しだけなら…。」


「やったぁ!ありがとうございます。稜ち〜ん、いいって!」


恐るべし水姫のコミュ力というかお色気というか。

来ているブルマの効果もあったのだろうか?

早速いいことがあった。


「じゃいくぞー!」


手っ取り早く野球を体験するには玉を打てと、雑にバッターボックスに立つように指示され、言われた通りにバッターボックスに立ち、ピッチャーが投げたボールを打つことになった。


「ふんっ!」


「あー、スイングスピードは中々のもんだけど、やっぱり素人には早かったか〜。」


やっぱり難しい。一球もバットに掠らなかった。


「よーしっ、バッター交代!続きましてバッター水姫。かっ飛ばすぞぉー!」


今俺の考えてることと、守備につく野球部員たちが考えてることは同じだと思う。

いや、お前も打つんかい!


「どうしたの?さっ!いつでもいいよぉー!」


もうバッターボックス立っちゃったし、仕方がないかという感じでピッチャーがボールを投げる。

一応女の子だからか、俺のに投げたボールより勢いがないように見えた。

だがそんな気遣いは無用だった。


「もらったぁ!!!」


カキーンッ!


爽快感のある金属音が鳴り響いたと思うと、打たれた白球は遥か彼方へと消えていった。


「いえ〜い、ホームラーン!きーもちー!!!」


これには野球部員たちも唖然としていた。

それもそのはずである。水姫は普通の人間ではない。ギアの能力なのだから。

水姫に軽々とホームランが打たれてプライドが刺激されたのか、その後は手を抜かずに本気でボールを投げていた。

しかし、水姫はお構いなしに全てのボールをホームランにし、もはやバッティングセンターにでもいるかのように楽しんでいた。


***


「うーん!楽しかったぁ!!!ありがとうございました!」


満足した水姫は次の部活体験に向かうべく、お礼を言うと、すぐ野球場を後にした。

部長が去り際にコーチとしてだとか、だったらせめてマネージャーにでもとか言っていたが、水姫は華麗にスルーしていた。


「さっ、時間は有限だよ稜ちん。どんどん体験入部していこう!」


その後、怒涛の部活動体験ラッシュが始まる。

運動部のサッカー、テニス、バレーにバスケ。卓球、バドミントン、ソフトボール。

格闘技系にも行った。

運動部を制覇した後は文化系も見て回った。

ボードゲーム系から家庭科部。

分刻みというか秒刻みのスケジュールを消化しているかのスピード感で、体験入部をし尽くした。

まぁ、ほぼほぼ途中から体験してたのは水姫だけだった気がする。

部活動で才能を遺憾なく発揮し、思う存分部活を楽しんだ後、部員から逆に部に勧誘されるという一連の流れを数えきれないほど繰り返し、今に至る。


後に今日の出来事は、地味ブルマメガネっ娘、部活嵐の変としてこの学校に語り継がれることになるのだが、そのことを俺たちはまだ知らない。


「あ〜、楽しかった。稜ちんどう?気になるところあった?」


「ハァ…ハァ…。気になるのあるかって言われても、もう何が何だか…。」


ぶっちゃけ水姫に散々振り回されすぎて何が何やら。流石に今日だけで全部活制覇するのはハード過ぎた。


「そっかー。じゃあ今日は遅いし、明日また改めて見て回ろっか?」


「うん、そうしようか。」


俺はこの時決めた。明日は自分のペースで見て回ろうと。

そんなこんなで、俺の部活動探しは2日目へと突入することになった。

今日から本格的にゴールデンウィークですが更新はいつも通り毎日行うつもりです。

(時間は変わるかも)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ