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31.部活を探せっ!

ホームルーム終了後、クラスメイトの瀬川さん、燕、櫂と集まり、水姫のことを説明するのと同時に、部活のことについて相談することにした。


「やはりどこかで聞いた声だと思ったが、稜の姉妹のお一人でしたか。師匠には日頃お世話になっております。」


「そうだったんだ。見た目がだいぶ変わってたから気づかなかったよ。私はてっきり…。いや、やっぱりなんでもない。」


てっきりなんなのだろうか?そこだけが気になるが、なんとか誤解が解けてよかった。


「俺も改めて礼を言わせてくれ。あの時は助かった、ありがとう。


見た目とは裏腹に深々と丁寧にお辞儀する櫂に対して、水姫は軽い感じでいいよ〜と返していた。


「ところでさっ、みんなはもう部活決めた感じ?まだならこれからあーし達(・・・・)と一緒に見て回らない?」


あーし達?もしかしなくとも水姫も一緒に回るつもりか?

はっ、まさかその為にわざわざこの学校の制服を着てきたのか?堂々と実体化して部活を回る為に?


「部活ですか?私はまだどこにも入ってませんが、このまま帰宅部でもいいかなって思ってます。

私の家母子家庭で母が働いていているので、少しでも生活費の足しになるように放課後はバイトでもしようかと。」


そうだったのか。

小さな時はご両親と揃って出掛けていくのを見た記憶があるが、大分前の話なので良く覚えていない。

そんなことより、お母さんのことを気遣う瀬川さんの気持ちにジーンときた。


「俺も今は学校に来るのに支障をきたさない程度にバイトを減らしてはいるが、部活やってる暇はないかもな。

ババアのアパートから引っ越しもしなきゃならんし、今は資金を貯めるのが優先だ。」


「自分も部屋を借りて一人暮らしをしているのでな。その関係で生活費を稼がなければいけないので、部活には入れそうにない。本当は剣道部に興味があったのだが、生きていくためだ、仕方がないが諦める。」


悲しきかなG組メンバーの金銭事情。

俺も今朝はみんなが言うならと部活に入る方向で考えていたが、みんなの話を聞いていると俺もなんだかバイトした方がいいんじゃないかと思えてくる。


「えーっ、そんなの勿体無いよ。部活に入ってれば任務にも出れるし、そこで稼げばいいじゃん。」


「ちょっと待て。部活に入ればって、入ってなくても申請とすれば普通に任務って受けられるんじゃないの?」


「えっ知らないの?一年生でE組以下の生徒は、どこかしらの部活などの組織に入って、二人以上のメンバーじゃないと任務受けられないんだよ?」


「「「「!?」」」」


そんなの初耳だぞと言わんばかりにお互いの顔を見合わせる俺たち。


「友子ちゃんみんなに言ってなかったんだ。多分忘れちゃったんだね〜。友子ちゃんらしいなぁ〜。」


水姫はお気楽そうに言ったいるが、俺たち四人はまたかあのやろうという気持ちで内心いっぱいだった。

もうそろそろ友子先生への不満を書き記した報告書を教頭なり生活指導の先生なりに渡した方がいいんではないかと思うほどだ。


「その話が本当なら、一刻も早く部活に入らねぇと行けないな。あんまし期待してないが、任務の報酬で貰える金も生活の足しにしようとこの学校に来たんだからな。」


「あぁ、実は私も。」


「うん、私も…。」


「じゃあ決まり!早速今日の放課後から各々入りたいと思う部活を探して回っちゃおう!」


こうして、俺たちの部活探しは始まった。



***



予定されていた授業が全て終了し、放課後がやってきた。

帰りのホームルームが済むと、すぐさま本校舎とは別の部活棟方面へと進みながら、各々が興味がある部活の活動拠点のある方へと途中で別れた。


「ふふ〜ん♪なんだかこうしてると、あーしたち付き合ってるみたいだね。」


確かに夕日が差し込む校舎。腕を組んでくる水姫。

側から見れば放課後デート?をしているように見えなくはない。しらんけど。


「なんでもいいけど、歩きにくいから離れて歩かない?」


「ひっどーい!せっかくデート気分を味わってたのに。そんなにあーしと一緒に歩くのが嫌なの?もう別れましょ私たち。」


またよくわからん水姫の悪ノリが始まった。


「いや、ただ歩きにくいから離れてた方が歩きやすくていいかなと思って言っただけで…。それに…」


「それに?」


あまり意識したくはないが、当たるんだよな、胸が…。

腕に組み付かれていると、確かな膨らみが腕に当たって落ち着かない。

はっきりとそう言うのを恥ずかしいと思い黙っていると。


「ははーん?もしかして稜ちん…。」


もしかしてバレたか?


「お姉ちゃんと一緒に歩くのが恥ずかしいんでしょ!?もうっ、可愛いんだからっ。わかりました。

可哀想だから今日は離れて歩いてあげます。

あっ!?最初の目的地が見えてきたよ。」


微妙に間違った解釈をしたと思ったら、いつもの自由人体質全開で全速力で先に行ってしまった。

そう、この自由さと言うか、やりたいことはとことんやって、それ以外のことは普通というのが水姫の基本スタンスだ。

この性格に振り回されることが多いのだが、やると決めたことは真剣に取り組む姿は素直に尊敬に値する。


「おーい、稜ちん!早く行こうよー!」


「うん!今行くよ!」


元々内気な俺をこうして引っ張ってくれる水姫には感謝している。

こういう新しい世界に踏み込む機会を与えてくれることで、俺の小さかった世界が広がっていく。

今回も水姫の突然の思いつきで、俺の中の世界がまた少し広がるような気がしていた。

5月もよろしくお願いします!

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