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幕間.雨上がりのその後.1

先日のE.F組のG組襲撃計画事件から数日間。

俺は打たれたダメージと雨の中戦い汗をかいたせいで盛大に熱を出して学校を休んでいた。

休んでる最中、自宅で変わる変わる姉妹たちが看病してくれるのだが、その内容があまりいいとは言えなかった。


看病の仕方:美月の場合


美月看病は姉妹の中では比較的マシな方だった。


「はい稜君。おかゆ出来ましたよ。食欲ありますか?あら、だいぶ汗かいてますね。体拭きます?

着替え持ってきますね。」


至って普通な看病。ちょっと過保護な気もするが、それを差し引いても、献身的で素晴らしいと思う。

だが問題はその後だ。


「あら、中々熱が下がりませんね…。そうだわ!」


何かを思いついた様子の美月は台所へ向かうと、手にたくさんの食材を抱えて戻ってくる。


「はい、まずはネギを首に巻いて。稜君はまだ未成年ですからたまご酒は飲めませんよね…。

代わりにりんごをすりおろしたものに蜂蜜を加えたこれを食べてください。それから後は…。」


美月その後、なぜか頭に大量にキャベツの葉を乗せたり、おでこあたりに梅干しを押し付けるなど。

本当に治療なのかと思えることをしばし続けた。


「なんだかおばあちゃんのやり方みたいだなぁ。」


「・・・・・・。」


急に美月の看病の手が止まる。


「どうかしたの?美月姉さん?」


「…稜君? もし今度私をおばあちゃん呼ばわりしたら…、わかりますね?」


どこから取り出したのかわからないが、包丁を逆手に持ち、こちらに笑顔を向けてそう言った。


「…!? うっうん。」


姉妹の地獄の特訓を経験した今の俺だからわかる。

あの美月の笑顔の裏から確かに漂うその殺気を。

風邪で先程まで感じていたよりも強い寒気を背中に感じながら、恐怖のあまりすぐさま布団を頭から被り、静養に努めた。


今度から美月におばあちゃんは禁句だな。


看病?の仕方:火鈴の場合


「うぉーい、かえっらぞぉーい。」


美月の看病後。時は経ち、夜11時過ぎ。

どこで呑んできたのか、酒に酔ってすこぶる上機嫌な火鈴が帰宅。


「おっ!なんだ稜?まだ熱治ってなかったのか?だらしねぇなぁ。」


無理を言わないでほしい。

普通の風邪の熱なら下がっていてもおかしくはないのだろうが、昨日あれだけ殴られたのだからしばらくはこのままだろう。

と、心の中では思っていたのだが、酔っ払い相手にまともな返しをすると余計絡まれそうなので寝たふりを決め込んだ。


「なんだぁ?寝てんのか? あっそうだ!いいこと思いついたぞ。」


ムワッ!


なんだ?急になんだか汗が滲み出てくる。熱がまた上がってきたかな?

いや違う。部屋の温度が急に上昇しているのだ。

熱っ!!!なにごと!?


目を開けて周りを見ると、火鈴の体の周りに赤い蜃気楼のようなものが発生しているのが見えた。


「熱ん時は体温っためんのが一番。私の能力で部屋の温度を上げてサウナっぽくすれば、朝もかけて稜の熱もすぐ治る。それに、アタシの酒もすぐ抜けて一石二鳥。いや〜、アタシって天才だわ!」


酔った勢いでとんでもないことをし始めた火鈴を若干引いた目で見ながら暑さにうなされ続ける。

これじゃあ治るどころか、火鈴の酒気状態と一緒に俺の魂まで抜けかけない。


「ハァ…、ハァ…。」


マスクして寝てるから熱気がこもって尚更息苦しい。


「なんだなんだ?ハァハァ言って。エロい夢でも見てんのか?まぁしょうがねぇか。アタシらが家に来てから一人の時間なんてないもんな。そりゃ溜まるもんも溜まるて。」


とんでもないことを言い出したよこの人。

もうやだこの酔っ払いのダル絡み。誰かどうにかして…。

完全に起きるタイミングを逃した俺は熱のせいで意識が朦朧とし、火鈴の奇行をやめさせる事ができなくなっていた。


「どれどれ、よく寝てるみたいだし、いっちょこの火鈴姉さん大人の階段を登る手伝いでも…」


「火鈴…。あなたそこで何をやっているのですか?」


「!?」


火鈴が俺の布団に手を掛けた瞬間、彼女の背後に美月姉さんが現れた。


「みっ、美月姉!? 違うんだこれは、稜の風邪を治そうと思って…。」


明らかに怒っている美月の姿を見て、先程までの酩酊はどこはやら。すっかり酔いは覚め。逆に青ざめた顔をしながら苦し紛れの言い訳をしていた。


「だからと言ってあなた何時だと思ってるんですか。部屋もこんなに暑くして…。ちょっとこっちに来なさい!」


「勘弁してくれよ美月姉〜。アタシが悪かったからさぁ。」


「問答無用です!さぁ、早くいらっしゃい!!!」


美月は火鈴の服の襟元を掴むと、隣の部屋に火鈴引きずって行った。

その夜は、隣の部屋で夜通し美月お説教が行われ続け。そのあまりの煩さに気が散り、俺は一睡もする事ができなかった。

稜と姉妹たちの何気なく、馬鹿馬鹿しい日常の1ページです。

本編のストーリーとは関係ありませんが、書いてて楽しいので数話分になりました。(申し訳ない)

楽しんでいただけると嬉しいです。

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