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24.計画

「稜っ、聞いたぞ!あの不良のような男に昼休み中にどこかへ連れて行かれたと。」


昼休みが終盤に差し掛かった頃、俺は教室に戻ってきた。

その瞬間、同じくして教室に戻ってきていた燕に突如として捕まった。

先ほどの件を聞いて心配してくれているのか、上壁とさっき睨み合いをしてた時よりも顔の距離を詰めて来る。


「何があったのだ?まさか、カツアゲというやつか?

おのれ!私の友人にそのような行いをするとは、許せん。」


怒りに燃える燕は竹刀を手に取り、今にも上壁の元へ殴り込みをかけに行きそうな勢いである。


「ダメだよ燕ちゃん、なんでもかんでもそんなに決めつけちゃ。」


同じく昼食を済ませ、隣で話を聞いていた瀬川さんが、荒ぶる燕を優しく制止した。


「そっそうか、すまない。ついカッとなって事を急いてしまった、反省する。」


叱られた燕の姿は落ち込んでいる時の飼い犬のように一回りくらい小さく見えた。


「でも心配する気持ちわかるよ。私も話を聞いた時心配したけど、響八君が無事に帰ってきてくれてホッとしたもん。」


安堵したあとに見せた瀬川さんの笑顔を見ていると、さっきまで張り詰めていた神経がリラックスしていくような気がした。


いつも癒しをありがとう、瀬川さん。

心の中でではあるが、瀬川さんに手を合わせて深々とお辞儀をした。


「それにしても、あの上壁という生徒。

昨日のF組の件といい、何がしたいのか目的が全くわからんな。

そんなにポイントが欲しいかったのか?」


燕が疑問に思うのも無理はない。

俺も昨日の上壁の行動については少し疑問に思っていた。

昨日初めて登校した上壁は教室に来て早々説明も受けてないにも関わらず、この学校の重要アイテムでもある端末を要求した。

そして端末を受け取るとすぐにF組へ行き、生徒を襲った。

まるで学校のシステムがわかっていたように。


「あの、すみません。ちょっといいですか?」


上壁のことを考えていると、急に一人の男子生徒が声を掛けてきた。

確か同じクラスの生徒だがそれ以前にどこかで見覚えがあるような気がした。


「えっと、何か用?」


「みんな今、上壁君の話してましたよね。さっき話してるのが聞こえちゃって。」


さっき燕が大声で上壁の名前を叫びながらじたばたしていたので、この男子生徒にも聞こえたのだろう。


「うん。してたけど、それが何か?」


「僕さっき見ちゃったんだ。お昼ごはんから帰って来る時、上壁君が多人数の生徒と一緒にどこかへ歩いていくのを…。」


「それ本当か!?」


教室に帰ってきた時に上壁の姿が教室になかったのは、帰ったか、授業が始まるまで他の場所にいるかどっちかかと思っていたが。

まさか、また何かのトラブルに巻き込まれていたとは。どおりで教室にいないわけだよ。


「僕昨日登校中にF組の生徒に絡まれて。そこに突然通りかかった上壁君が、ぼくを助けてくれたんだ。」


それを聞いてはっきり思い出した。

この生徒、上壁を初めて見た時の現場にいたぞ。

よく見てなくて勘違いしてたけど、あれは上壁一人が絡まれてたわけじゃなくて、上壁とこの生徒が絡まれていたんだ。


「上壁君が奴らを倒す前に、奴らの一人がこんなことを言ってたんだ。

G組は終わりだ、もうすぐ俺たちF組にやられるって。」


上壁の昨日の行動の理由が大体わかってきた。

まずF組が学校の内外関係なく、計画的にG組の生徒を襲っていた。

その計画の遂行中、上壁はその計画を昨日襲われた時に知り、F組に自ら乗り込んでG組がこれ以上やられないようにしたのだ。

端末のことも昨日F組の生徒から聞いたのであれば、ホームルームの行動も説明がつく。


「僕、昨日助けてもらったのに、上壁君が連れて行かれる時何もできなくて…。

この学校のシステム的に先生に言っても無駄だと思って、どうしようか悩んでたら君たちが上壁君の話をしてるのが聞こえて、それで…。」


「そうだったのか。わかった。

上壁達がどっち行ったか教えてくれる?」


「おい、稜!お前、まさか助けに行く気か?

危険だ!もし、昨日上壁にやられた連中の仕返しだとしたら、何かしら上壁を倒すために策を考えてるはず。だとしたらわざわざ仕掛けられた罠に自ら飛び込むようなものだぞ!」


「そうかもしれない。でも、このまま見て見ぬふりはできない。話を聞いた感じ、これは上壁一人の問題じゃなくて、G組全体の問題だから。」


「上壁君は体育館の方へ連れて行かれたよ。」


「わかった、行ってくる!3人は危ないから、教室にいて!」


急いでその場から駆け出す。


「響八君!」


心配する瀬川さん達を残して、俺は上壁を追った。


***


とりあえず体育館の方への走ってはいるが、連れて行かれた正確な位置はわからない。

でも心配ご無用。

伊達に長い間人気のない場所を探してぼっち飯に勤しんでいたわけではない。

人気がなく、且つ多人数が暴れられるような広さがある場所ならある程度絞り込める。

そこへ向かって全速力で走った。

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