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幕間.あらためて

「はーい、みんなお待たせ。じゃあお昼ご飯食べましょうか。」

「わ〜い、いただきま〜す。」

「金恵、醤油プリーズ。」

「はい、どうぞ。」


光と別れて家に帰って来た俺達は、いつも通りみんなでちゃぶ台を囲んでご飯を食べていた。


「ンだ? 稜食わねぇのか? 早く食わねぇと俺が代わりに食っちまうぞ。」

「あ〜、火鈴ちゃんずる〜い。わたしもおかずもっとほしい〜。」


いつもの賑やかで楽しい食事のはずなのに、今は喉を通っていかない。

さっきの光の話が俺の頭の中でぐるぐる回ってる。

それに、美月達に会った時に聞いた姉さんの話はあれで全部じゃなかったんだ。

あの時は信じるって言ったくせに、隠してることがあるってわかった瞬間、疑念をまた抱いてしまう。

あーダメだ。

聞きたいことがたくさんあるのに聞いていいのかわからないし、そもそも聞いたところで本当のこと教えてくれるかさえ…


「ごめんなさい、今まで黙っていて。」


突然美月が口を開いた。真剣な顔でこちらを見つめる美月にみんなも食事の手を止める。


「いきなり、あんな話をされては誰だって困惑されます。それに、私たちが叶愛をことを黙っていたことも。」


全部見抜かれている。それもそうか。

もう一年も一緒にいるのだから。


「偶然が重なったとは言え、やはり貴方がこの学校を選んだ時点で止めるべきだった。

進学するのを止めさせる上手い言い訳が出てこなかったのもありますけど、些細なきっかけで叶愛の死について深く聞かれるのが怖かった。」


話すほど暗くなっていく美月と姉達の表情。

胸の内を曝け出すのは誰だって辛く怖いことだ。

だった一言話すだけで、ずっと一緒に暮らして来た人との関係が壊れてしまうかもしれないから。


「ううん、こちらこそごめん。信じるって言ったのに、揺らいじゃって。」

「いえ、私たちが悪いんです。さっき光はああ言いましたけど、もし稜が望むなら全てを話します。」


俺は手を前に伸ばして会話を止める。


「いや、いいよ。光さんが言っていた通り、実力で上に行って、聞く資格を得たらその時改めて聞かせて。その方がいいでしょ?」


こっちだって最初からわかってた。

今聞いたって、弱い俺のままじゃ何もできることはないってこと。

それをわかってて、姉さん達が叶愛姉さんのこと黙ってたこと。

無理に話して、真実を確かめようと危険なことしないようにしてくれてたこと…。


「ありがとうございます。これからは稜を守る為だけじゃなく、稜がしたいことにみんなで協力しますから。一緒に頑張りましょうね。」

「うん、これからもよろしくね。」

「よーしっ! 話も終わったところで飯食おうぜ。」

「木陽もまたお腹空いてきた〜。」

「木陽、あんまり食べてるとデブるよ〜。」

「バカね。能力体なんだから太るなんて概念ないわよ。」


また、いつもの賑やかな食卓が戻って来た。

新たな目標も決まったし、家族との蟠りもなんとか解消されたし。

これから決めた目標に向けてまた頑張らなきゃ。

あらためて決意と覚悟を決めた俺は、真実を知る為、明日も学校へ登校する。

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