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勇者増殖  作者: T村
この先未改稿
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43/52

増殖20体目「登録試験」その4

【お知らせ】

 読み返してみたらあまりにも前半部分がひどかったのと、数の暴力って言ってる割に【融合】のステ強化だよりになっていたため、全体的に強さのバランスを見直し、かつ数の暴力を使うように大幅加筆修正しました。

 主な変更点としては【融合】がチートスキルではなくただの【増殖】したからだを元に戻すものになり、全体的にステータスの桁がおとなしくなりました。

 そのため、増田玲汰君はこれまで以上に数の暴力を振りかざしていくことになると思います。

 ここに書いた内容さえ見ればこの先大丈夫ですが、どんな風に変わったのか気になる人はもう一度読んでみてください。

 まず先に行動したのはカフカだった。土煙が大きく立ち上がるほどに激しく地面をけって両手の拳銃を構える。そのままさながら映画のワンシーンの如く何の道具も使わずに黒竜王の腕を駆け上がっていったカフカは宙返りするように大きく跳躍し、黒竜王の目の前で十発の弾丸を放った。…いずれも黒竜王の最も脆弱な部位――眼球に向かってである。超高速で飛び回っている最中に放たれたにも関わらず、信じられない精度でそれは黒竜王の眼球を直撃した。


『グアアッ!?』


 突如として訪れた激痛に黒竜王は大きくのけぞってしまうが、この隙をカフカが逃すはずもない。空中を落下しながら左手の拳銃をしまい、代わりにワイヤーフックを装備、むき出しの喉元にフックを射出して高速で巻き取り、喉のド真ん中に踵落としじみた攻撃を叩き込む。


『グッこの!』


 反撃しようとする黒竜王だったが、彼が自らの喉に手を伸ばした時には既に数十発の弾丸を打ち込み、離脱した後だった。

 大きく後ろに跳び、音もなく着地したカフカは自分の持つ獲物と黒竜王の喉元をとの間で視線を交錯させた。そして、この武器では効果が薄いと判断したのかすぐさま拳銃をホルスターに戻し、腕に巻きつけたベルトから筒状の道具を取りだした。


「コール・アンチマテリアル」


 静かにそう呟くと、音声認識でも入っていたのか、筒状の道具はキィンと乾いた音を立てて変形し、ライフルのような武器に変質した。そして流れるような動きで片膝を立ててそれを構え、引き金を引く。撃った衝撃だけで地面が軽く揺れるほどの銃撃――いやここまでくると砲撃か――は通常ではありえないほどの轟音を纏い、まっすぐに黒竜王の左腕をぶち抜いた。


『…やるな!』


 流石は黒竜王だなんて大仰な名前がついているだけあるといったところか。ぶち抜かれた左腕はみるみるうちに再生されていく。驚きの再生力に、ほんの少しだけカフカは目を見開いた。


「やっぱり凄いな! お前!」


 そして満面の笑みで―――連射した。


『え、ちょ、ま、それ汚い』


 再生が間に合わないくらいの勢いで次々と穴だらけになる黒竜王。穴のサイズは直径20センチほどと体全体に比べれば小さいが、全身穴だらけは流石にきついのだろう。慌てて何かぼそぼそとつぶやくと、淡い光を称えた魔方陣のようなものが無数に現れ、カフカの攻撃が目に見えて効きづらくなっていた。


「そうこなくっちゃ!」

『! いつの間に!』


 そう叫んだと思ったときにはいつの間にかカフカは黒竜王の頭の上に乗っていた。手には僕に渡したのと同じ高周波ブレードが握られている。

 高周波ブレードの危険性を本能的に察したのか、黒竜王は大きく首を振って振り落とそうとするがカフカはまるで動じず、大きく高周波ブレードを振りかぶった。


「せい!」


 どばっ、と音を立てて血があたりにまき散らされる。大きく跳躍し音もなく地面に着地したカフカの手には、カフカと同じくらいの大きさの一本の角がつかまれていた。黒竜王の角を、切り落としたのだ。


「さあ、どんどん行くぞ!」

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