増殖6体目「青鬼キノメ」その2
「アナタ、まさかそんなことも知らずに戦ってたの⁉」
「え、そんな常識なのこれ」
その一言にキノメはため息をついた。
「こんなのに負けたのね私は……」
「いや僕だけそういう説明なく放り出されたんだからな」
「ああ、そうだったわね」
さっき駄弁っている時にお互いの身の上を愚痴りあったからか、キノメはすんなりと納得してくれた。
「じゃあとりあえずその項目を開きなさい」
「ああ、わかったよ」
スキルを開くのと同じ要領で【勝者の選択】をダブルクリックして展開する。
【勝者の選択】
・殺害
・隷属
・釈放
・勧誘
「何か危険な香りのする項目が出てきたんだが」
「それが【勝者の選択】よ」
そういわれたのでもう一度項目に目を通してみる。うん、これってもしかして。
「察しの通り、戦いに負けた敗者をどうするかの選択よ。ちなみに敗者はそれに絶対に従わなくてはならないわ」
「何それ怖い」
特に上二つは凶悪な気がする。殺害に隷属って、何処の世紀末だここは。しかし、隷属、隷属か……。
もう一度よくキノメを見てみる。
青鬼と言っていた割には青いのは髪だけで、その髪も綺麗なライトブルーだ。肩までのややはねたセミロングは、ヤギ系の黒い角がアクセントになっている。
身長も僕より低く、いかにもアーチャーと言った風貌がより一層引き立てられているし、物静かな深い蒼の瞳をたたえた双眸は、感情の起伏をつよく感じさせず、その整った顔立ちに一味違う華を与えていた。
一言でいうとかなりの美少女だ。前の世界にいたころの僕なら思わずストーカーしてそうなくらいには。
とすると、選択肢は一つしかないな。僕はウィンドウを軽く操作する。
それと同時に、キノメの眼前に小さなウィンドウが展開された。
「これは……?」
「一緒に来て、くれるよな?」
そのウィンドウには、【勧誘】の二文字がきらめいていた。




