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勇者増殖  作者: T村
この先未改稿
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14/52

増殖6体目「青鬼キノメ」その2



「アナタ、まさかそんなことも知らずに戦ってたの⁉」

「え、そんな常識なのこれ」


 その一言にキノメはため息をついた。


「こんなのに負けたのね私は……」

「いや僕だけそういう説明なく放り出されたんだからな」

「ああ、そうだったわね」


 さっき駄弁っている時にお互いの身の上を愚痴りあったからか、キノメはすんなりと納得してくれた。


「じゃあとりあえずその項目を開きなさい」

「ああ、わかったよ」


 スキルを開くのと同じ要領で【勝者の選択】をダブルクリックして展開する。


【勝者の選択】


 ・殺害

 ・隷属

 ・釈放

 ・勧誘


「何か危険な香りのする項目が出てきたんだが」

「それが【勝者の選択】よ」


 そういわれたのでもう一度項目に目を通してみる。うん、これってもしかして。


「察しの通り、戦いに負けた敗者をどうするかの選択よ。ちなみに敗者はそれに絶対に従わなくてはならないわ」

「何それ怖い」


 特に上二つは凶悪な気がする。殺害に隷属って、何処の世紀末だここは。しかし、隷属、隷属か……。

 もう一度よくキノメを見てみる。

 青鬼と言っていた割には青いのは髪だけで、その髪も綺麗なライトブルーだ。肩までのややはねたセミロングは、ヤギ系の黒い角がアクセントになっている。

 身長も僕より低く、いかにもアーチャーと言った風貌がより一層引き立てられているし、物静かな深い蒼の瞳をたたえた双眸は、感情の起伏をつよく感じさせず、その整った顔立ちに一味違う華を与えていた。

 一言でいうとかなりの美少女だ。前の世界にいたころの僕なら思わずストーカーしてそうなくらいには。

 とすると、選択肢は一つしかないな。僕はウィンドウを軽く操作する。

 それと同時に、キノメの眼前に小さなウィンドウが展開された。


「これは……?」

「一緒に来て、くれるよな?」


 そのウィンドウには、【勧誘】の二文字がきらめいていた。

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