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王妃主催ピクニック 初夏のクランペンボーの森の雷鳴

王妃キャロライン・マチルダとフランス商人ラファイエルとの関係を疑ったストルーエンセ。

初夏王妃主催の森でのピクニックと狩りを開催する事になりました。



キラキラと輝く初夏の太陽が美しい新緑の森の木々から零れ陽が降り注ぎ気持ちの良い季節を迎えたコペンハーゲンの近郊にある森クランペンボー。

今の所私のお気に入りの場所王妃主催のピクニックを楽しむならこの場所に決めたのよ。

挿絵(By みてみん)

人の手があまり入っていないこの森は窮屈な宮廷生活を忘れさせてくれる。

ここにストルーエンセがいなければもっといいのにって!


今日ストレートエンセの強い薦めで今日のイベントは企画された。


招待客はアンナ・ゾフィー・フォン・ビューローとアマリー・ゾフィー・フォン・ホルシュタイン伯爵夫人、クリスティーネ・ゾフィー・フォン・ゲーラーのデンマークの三美神と呼ばれた三人。

宮廷での彼女達の役割は大きいのよ。


私への敬意を彼女達が示してくれるだけで他の保守的な貴族達も黙るしかない。

何故ならほとんど全ての階級で彼女達はトレンドの魁的な存在。

ファッションや好み、趣味、思想その全てがデンマーク中の寵児達。


ただ何故か見た事のない平民だろうか?

貴族の娘なのか?

なんともいいのうのない初めて見る女性がいる。

そわそわ落ち着きのない様子で時折果実を噛んではグラスのワインを流し込んでいる。

テーブルの下に視線を落としてわざと私の方を見ないでいるわ。

失礼な人。

どうしてストルーエンセは彼女を推薦したのかしら?


名前のリストを貰った時には頭が??だったわ。

誰??それ??

国王陛下の侍女で寝室で着替えを手伝う侍女だという話。

まあ~~………………なんだか違和感を覚えて不安な存在。


それから後から到着するストレートエンセの推薦の一般女性市民がいるのだそうよ。

あと何故かラファイエルとサンジェルマン伯爵が向かいの席に座っているの。

彼らの名前がリストにあった時にはドキッとしたわ。

何かばれたのかってね?

でもその後ストルーエンセがラファイエルを謁見の時に気になってリストに加えたって。

ラファイエルからサンジェルマン伯爵を同席していいかと持ち掛けたと聞いたの。

だからばれたという訳でもないようだわね。


今日は初雲のない絵の具で塗った様な青い空と夏らしい草の香りの混ざった爽やかな風が肌に気持ちが良くって本当にピクニック日和。

イギリスでもお母様と兄妹で良く宮殿の庭でしたわね。

懐かしいわ~~。

そんな回想をあの男の声で断ち切られた。


「では王妃陛下よりこの度の森の集いに一言お言葉を」

ストルーエンセの太い重い声でね。

皆私へ視線を向けて静かに待っている。


「今日は急なお誘いにもかかわらずお集まりしてくれてありがとう。

 階級の垣根を越えて皆様と親しくもてるこの機会と時間に神に感謝します。

 今日は無礼講ですわ。

 皆で楽しみましょう」


パチパチパチ~~~!!

零れんばかりの拍手と爽やかな笑顔。

ただ一人を除いては。


「では皆様歓談をお楽しみください」


ストレートエンセのやや棘しい言葉の物言いがなんだか嫌な予感がするのは何故でしょう。

参加者は用意されたワインやカナッペ、オープンサンドや季節の果物、果実を優雅な仕草で口に運んではあの侍女以外の参加者は表向き楽し気に会話し始めている。

挿絵(By みてみん)

「王妃陛下。

 あのキュー商会の評判を聞いていらっしゃいますか?」

ホルシュタイン伯爵夫人は頬を染めてウキウキした様子で話し始めた。


「えぇ。勿論です。

 先日宮中にも参内して謁見しましたわ。

 今やコペンハーゲンのトレンドはキュー商会から発信されているとか」

私はにっこりと微笑んでそう答えた。

そう他人事の様に。


「ええ~~先日もモスリンのドレスを発注しましたの。

 まあ~~素晴らしい手触りで高級な絹に優るとも劣らないでき。

 しかも縫製と刺繍が素晴らしく繊細で丁寧で。

 この前領地の森でピクニックランチを開催いたしましたのですが。

 あまりの素晴らしさに画家を同席させて絵を描かせましたのよ。

 ぁあぁ~~次の新作が待ち遠しいですわ」


まあホルシュタイン伯爵夫人ありがとうございます。

本当にそう口にしたいのをグッと喉の奥へと押し殺す。


「私はバスケットやピクニック用の道具を注文しましたの」

かかさずビューローが参戦してきた。

そうそう東洋の藤とかいう植物の蔦を編み込んで刺繍をしたバスケットと使いやすい小型の銀のカトラリーとフランス製の陶器をつけたいわるゆピクニックセット。

これもビューローがオーダーしてきたのを特別発注して納めたの。

それから量産体制を整えて今や田園風が大ブーム。

財産に余裕のある人から注文が入って出しても完売出しては完売の連続なのよ。


「それは素晴らしいですね。

 私も注文すればよかったわ」

ビューローも良いお客様よ。

その後ドンドン売れて生産が追い付かないの。


「王室御用達の銘を掲げれば本当に商売相手はいなくなりましてね

 私は外出用の日傘と手袋、そして帽子を注文いたしましてよ」

ゲーラーも続く。


ええ聞いてましてよ。

他にはない珍しい素材とデザインでと。

日傘は細かいレースの刺繍で更に自然を描いた色々な色の糸で刺繍を描いた物を。

同じレース柄で手袋は夏用の陽が適度に防げながら通気性の良い夏用と特上の鹿皮に黒貂の毛裾に付けた最上級品を。

帽子も麦わらと絹の淡い紐を縁に縫い付けて田園風景を刺繍した夏用と同じ鹿皮で絹のリボンを後ろに漬けた冬用を納品したのだから。


「確かにキュー商会とは私も取引していますが。

 本当に取り扱う品が極上品で。

 オーナーの人柄も良く。

 才能もありながら皆に慕われておいでてす」

ラファイエルは口元を柔らかく穏やかな表情で言ってくれる。


「そうでしょうね」

自分の事だからちょっとドギマギしてしまうわ。


「私もキュー商会で何か発注する必要がありそうですね」

ストレートエンセがこれ見よがしに会話に入ってくる。


そういえば彼はうちに発注していないわね。

どちらかと言うと王室御用達の縫製専門デザイナーに依頼しているそうね。

啓蒙主義を謳っている割に煌びやかな貴族社会を満喫しているように見えるの。

だって来ている服装はどれも豪華で煌びやか。

カフスやボタンは宝石で出来ている物をおしげもなく普段に着ているわ。

それに彼が内閣を握るようになって今までより宮廷の晩餐会や舞踏会が増えたもの。


口では立派な事を言っているけど所詮は貴族の煌びやかな生活に憧れのような感情に支配されているのよ彼!!

堕落した宮廷にどっぷり浸かっている。

金と権力に揉まれている貴族達とどう違うのかしら??


ちらりとラファイエルの座っている方に目がいくわ。

でも私ラファイエルと視線を合わせられないわ。

どうしたらいいのかしら??


だってあんな愛の告白されたら………普通に気まずいもの。


駄目駄目沈黙したら!

そう思って話そうとした時だった。




キュー商会の賞賛の会話の後に思ってもみない突然の発言にその場は氷つく?


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