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ストルーエンセの改革の弊害 1971年春 不安と不満の渦Ⅳ

ストルーエンセの改革の弊害で大量の役人達が失業し生活に困窮する者も現れた。

キャロライン・マチルダ王妃はキャロン・キューの名で職業斡旋業の経営に乗り出した。

「結局王妃陛下が尻ぬぐい。

 しかも彼と同じだけ悪評がつき始めています。 

 私としては口おしゅうございます」

ラファイエルは悔しそうに言いながら大きな溜息を一つついたわ。

私は全然平気!

だってそうなるように仕向けたんだから狙い通りだもの。


「まぁ王妃陛下のご希望でもありますし。

 ラファイエル殿が口惜しいのはわかります」

隣では半笑いのサンジェルマン伯爵が慰める。

なんで半笑いなのかは分からないけれど…。


「まぁ〜…悪評なんて。

 どうぞどうぞって感じ」


「王妃陛下!」


「ラファイエル!

 ありがとう。

 気持ちだけもらいますね」


「王妃陛下。

 本当に宜しいですね。

 王太子殿下を残して……」

サンジェルマン伯爵は咳払いを一つして珍しく真剣な表情で聞いてくる。


「ええ…あの子はこの国の王となる継承者。

 私の自由には出来ません。

 それが王家に生まれた運命。

 私は愚かにもそれを放棄するのだから。

 言えた義理ではありませんね」


「王妃陛下の宿命を思えば無理もない事でご

 ざいます

 かしこまりました」


「よい養育係に恵まれているから。

 父は頼りに出来なくてもデンマークに新し

 い風を起こさせてくれますわ。

 昨日も地球儀を指さしながら世界のお話を

 してくれて。

 ストルーエンセは気にいらないけど。

 良い教育を施そうとしているのは認める

 わ」


「ではこれから正念場ですな」


「そうね………。

 計画通りに運べはいいんですけど……」


「こればかりは……王妃陛下のお命に

 も………」


「ラファイエル…。

 そんなに気を張らないで。

 私は現イギリス国王の妹です。

 おいそれと手は出せませんわ」


「……そうはいっても……」


「それよりも残された役人達の不平や不満が止まらないと聞いています」


「ええ……王妃陛下。

 ストレートエンセは解雇した後の役職者には意欲だけはあるものの、机上の空論者と言いますか。

 残った者がその尻拭いに追われているようで………。

 しかも給与は減額されて残業だけはかさばるともっぱら非難はストレートエンセに向けられているそうです」


「ええ…。

 私の耳にも入っています。

 困った事ですね。

 ただ政治の事は私に権限はありません。

 あまり政治の事に口を出すと警戒されてし

 まいますし。」


「それにストレートエンセへの非難の声を大きくする材料にはなります」



「ええ伯爵の言う通り。

 そうですね。

 そう長い間の苦難ではないでしょうから。

 役人達には暫く辛抱してもらわないといけません」


「これからストレートエンセを少し油断させないといけなくなります。

 私への警戒心が最近出来てきたように思うのです。

 例の窃盗罪の廃止の件でストルーエンセが変に思っているから」


「あ~~確かに」


「なので暫くは街にはそうそう外出出来なくなりそうです。

 ただ初夏に仮面舞踏会があります。

 平民も参加させるようなので紛れて来てください」


「わかりました」


「はい。

 陛下」



宮廷舞踏会の夜に思いがけない人との再会です。

そして疑惑と懸念が始まる夏の章開始です。


一旦休載に入ります。

次章の連載は活動報告でお知らせいたします。


気になっていただけたらいいねやBMなど励みになります。

宜しくお願い申し上げます。



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