キュー商会の快進撃 遊覧飛行 アルベール空に落下
空中に投げ出されたアルベール?
このまま落下してしまうのか?
足元がふらついて身体が左右に揺れる。
グラリと傾いた身体はもうコントロールは効かない。
バスケットの端でつまずいて腰ごと空へと落下してしまった。
そばにいたラファイエルは咄嗟に身体を掴もうとするも間に合わない。
「アルベール!!」
見る見るうちにアルベールの姿は小さくなっていく。
「くそっ!!」
ラファイエルはバスケットに足を掛けて、空の海へとダイブする。
腕を伸ばした姿は鷲の急降下のようだ。
身体にGが重くかかるがそんな事はどうでもよかった。
なんとかアルベールとの距離が段々縮まっていく。
速度は身体の重さでラファイエルの方が断然早い。
バン!
なんとかアルベールの身体を掴む。
「WAWWWWWAA~~~~~~~」
アルベールの叫び声が空に木霊する。
ラファイエルは空中ですばやく肩についたフックにアルベールのベルトを引っ掛ける。
これで身体が固定出来た。
あとはうまく着地出来るかだ。
バン!!
肩に懸けていた紐を引く。
シュ!!
バン!バン!
ラファイエルの背中から折りたたまれたパラシュートが開く。
突然ラファイエルの背には大きなパラシュートの帆が大きく広がり瞬く間に上昇していく。
反動で一旦上昇した後、ラファイエルが両手に持った紐を引くとゆっくりと降下していった。
アルベールは失神している。
まだぐったりとして目覚める様子はない。
アルベールの胸に手を置いて鼓動を確認する。
しっかり波打っている。
とにかく大丈夫のようだ。
後は無事に着陸するだけだ。
左右にあるパラシュートの紐を操りながらようやく地面が足に触れた。
ズドンッ!
多少の衝撃を受けながらも地上に足を踏んばり、アルベールを抱えるようにして着地した。
「うっ!」
急に速度が止まった。
反動で前に倒れ掛かる。
ラファイエルはアルベールに怪我がないか顔を覗き込む。
衝撃があったにも関わらず意識は戻らない。
草原の中で草がクッションの役割をして、大きな怪我をする事もなかったようだった。
無事で好かった。
着地する前に大体の位置は把握出来ていたので、急いでアルベールを抱きかかえて走った。
しかし軽いな。
まじまじとアルベールの顔を覗き込む。
多分20歳にもなっていないだろう。
色白で口元がぷっくらとしてまるで少女の様な妙な感覚を覚える。
それに身体に感じる重さが重いのほか軽かった。
こんなに軽いものなのか?
成人したばかりとはいえ。
「えっ!!」
ラファイエルはその時に気がついた。
彼が自分の病気について語っていた言葉を。
そして彼の身体を。
そう。そうだ……。
どうして?
あっ!!えっ!!
不思議な感覚が身体に走り、疑問に思いながらも答えを探る事もせず、そのまま森を走り抜けた。
救出されたアルベールを待っていた人は?




