#10〔街〕
どこかもわからない場所を進む。まぁどこであっても正直問題ないんだが。
「あっ!!」
街だ。人間の街が見えてきた。
まぁこの大きさじゃ入れないんですけどもね。
「コックローチエージェント。出てこい」
コックローチエージェントを5匹出す。
「あの街に入って調査してこい。指示は随時出すからな」
「「「かしこまりました」」」
通常のコックローチよりも小さいコックローチエージェントは、さながら調査に最適である。
5匹を見届け、再び歩みを進める。
眷属はいざとなれば強制的に転移で主人のところまで呼び寄せることができるので、あの5匹も安全だ。
少し進むと、蔦が茂った森——というよりは樹海についた。
ウルフか。
その樹海で最初にあったのはウルフだった。
石の剣で行けるか?
そんな不安を覚えつつ、亜空間からイチーザを含む10匹のアサシンコックローチと5匹のコックローチメイジを出す。
「コックローチメイジ、全員の攻撃にバフを掛けてくれ」
「「「はっ!」」」
バフをかけ、それぞれ配置につく。準備は万端。
そして右手を上げる。それぞれ飛び掛かる。
気付いた!?
ウルフは1匹のアサシンコックローチに狙いを定め、右足を振りかざした。
しかしそれがかわせないはずもなく、優雅にかわしたアサシンコックローチはそのまま前進し、喉元を狙おうとする。
そしてウルフがそれを阻止しようとしたところに、腹に、背に、他のアサシンコックローチと俺が持つ短剣が刺さる。
ウルフは何が起こったのかわからないと言った表情のまま絶命した。
ふむ、一応警戒はしてみたが、5匹も居れば大丈夫そうだ。
疲れた俺は、狩りをするなら5匹以上で、と言う命令を出してログアウトした。
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