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忌み嫌われ諦めていた【占いの館 ネムノキ】の魔女の扉を開いたのは、強面の騎士でした。  作者:


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16 お祭り 出店【占いの館 ネムノキ】


 

  『結果が出ました。そうですね……その方を励ましたり、力になってあげたりすると良いですね』

 タロットの結果が出てアドバイスをすると、クラウン様は緊張がほぐれたのか少し微笑んだ。


 「そうか。……ありがとう」

 スッと椅子から立ち上がって、お金を支払った。

 『その方を、笑顔に出来ると良いですね』

 「ああ」

 クラウン様は満足そうに微笑んで、頭を下げて出ていった。


 ふ――っ、と息をつく。

 『あら?』

 タロットカードの一枚が重なっていたのに気が付いた。――ミスをしてしまった。

 めくってみる。

『あ……』

 裏返した指先が震えた。


 「【恋人】……」

 クラウン様と占いをお願いした方、()()()()()()のカードだった。


 そうなのか……。

 クラウン様には想っている人がいるし、その方もクラウン様を想っている。相思相愛……なのね。

 わかっていた。クラウン様は素敵な人。


 「片付けなくては……」

 ガタッと椅子から立ち上がって、道具を片づける。クラウン様で占いは終わり。

 重い気持ちで片づけていた。


 一度移動魔法陣で屋敷へ帰って、着替えと化粧を落とした。

 また戻って出店からリサになって、屋敷へ歩いて帰る。面倒だけれど、リサがライザではいけないのだ。


 「……帰ろう」

 出入り口の布をくぐって、外へ出た。


 「あ! リサさん」

 ルルさんが、街の方から歩いてくるのが見えた。ルルさんも、私の姿を見つけて声をかけてきてくれた。

 「手のケガ、大丈夫?」

 ルルさんは私のケガのことを心配してくれていた。


 「あ……。大丈夫です」

 ルルさんへ手当して包帯をした場所を見せた。

 「薬が他の場所へ触れないように、包帯を巻いただけですから」

 心配してくれているのが嬉しくて、少し微笑んだ。


 「そう……」

 ルルさんは何か考えているようだった。

 「あ! クラウン様、街の見廻りへ行ったわよ。会えるかも?」

 ニコニコと微笑んで、ルルさんは私に教えてくれた。


 「そ、そうですか」

 できれば今、会いたくない……と思ってしまった。

 「帰り……ます」

 私はルルさんに頭を下げて、屋敷へ帰るために街へ向かった。

 「また明日!」

 ルルさんは手を振って見送ってくれた。


 

 占いの出店は好評で、毎日行列が出来ていた。

 朝に整理券を配って時間に来てもらう。これで混乱は起きてなかった。


 あと二人で終わり……という時。

 「やけに当たる、占い師はお前か?」

 きゃあ! という悲鳴が聞こえて、大柄でひげを生やした中年の男が中へ入ってきた。

 驚いたけれど冷静に返事をした。

 

 『整理券はお持ちですか?』

 悲鳴が聞こえたので、押しのけて無理やり入ってきたかと考えた。

 「そんなものはない! いいから占え!」

 偉そうな、この男性は何者だろう?


 『並んでくださった方へ、整理券をお渡ししています。お持ちでない方は、明日並んで整理券を受け取って下さい』

 落ち着いてハッキリと言った。

 「な、なんだと! 私を誰だと思っている!?」

 男性は怒りだして顔が真っ赤だ。


 どうしようか……。魔法で追い出すことはできるけれど、後々面倒なことになりそうだ。

 「ライザ様! 私達のことはいいから、ハインズ様を先に占ってあげてください!」

 並んでいた二人が、怒鳴り声を聞いて中に入ってきて言った。


 手を振って声を出さずに「ダメダメ!」と、身振り手振りして私に伝えてきた。

 逆らうな、ということらしい。

 権力者か、ヤバい人なのか。


 申し訳ないけれど怒鳴り声がうるさいし、並んでいた二人がこの人物のことを知っていて、逆らいたくないと態度から訴えているので順番を抜かして占うことにした。


『……並んでいた方の御好意で、特別に()()()()整理券なしで占います』

 強調して伝えたが、ニヤニヤしていた。男性に伝わっただろうか?


 気を取り直して、占い師ライザとして質問した。

 『占いたいことは、どんなことでしょうか?』

 ドン! と乱暴に椅子へ座った。

 

 「は? お茶の一杯も出せないのか?」

 いきなりそのような事を言ってきた。

 『……ここは占いのお店です。お茶を飲みたければ、カフェへどうぞ』

 呆れて返事をすると、男性はブツブツと文句を言った。


 「街の、貧しい地域を再開発したいと思っている」

 男性は占う内容を話し始めた。

 「今、住んでいる者たちを追い出して新しい宿屋を作る」

 追い出す……? 聞き違いだろうか。

 「低家賃の貸し家を壊して、新しく豪華な宿屋を作って旅行者を泊まらせるようにする!」

 ニヤニヤと気持ちの悪い笑い方だった。


 今、住んでいる人たちを追い出して新しい宿屋を作る? そんなことが許されるのだろうか。

 「ほら、さっさと占え!」

 態度も悪い。でも占いで嘘はつけない。

 『わかりました。では占います』


 タロットカードで占っていく。

 見て行くと、やはり()()()()()()()という結果が出ている。

 

 『……その地域の方の協力が、必要です』

 全部めくり終わった後に説明をしていく。結果は最後に伝える。

 「協力? そんなものは必要ない」

 フン! と鼻を鳴らし、腕組みをしてこちらを睨んだ。今住んでいる人たちを、追い出す気だ。


 『今……住んでいる方々と協力をお願いしていけば、追い出して一からやっていくより利益が出ると出ています』

 嘘は言っていない。占いで、()()が出ている。


 「追い出すより、協力した方が利益の出る? はっ? そんな馬鹿な」

 男性は信じていなかった。

 

『私は占いの結果をお伝えしただけです。信じられないのなら結構です』

 私はハッキリと男性に伝えた。

 

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