お喋り
暑さが続く8月だが、薄着である事と好都合な事に俺の住んでいる地方は日本では比較的に北の方向であることもあいまってそれほど、強い暑さは無かった。
隣でラムネを飲んでいるこいつも余裕を持った涼しい顔をしていた。
俺は物欲しそうにこいつの持っているラムネを目にして涼しさの感じる綺麗な青空を見上げる。
「無職って何も仕事しない人だよね?」
飲んでいた物を横に置いて、俺の顔に焦点を合わせていた。
「じゃ、じゃあ叔父さんは普段から何してるの?」
「......さあ」
食い気味に質問をしてくるこいつの会話にテンポを置いた。
「別に何もしてないな。ゲームしたり漫画読んだり飯食ったり、最後の方はそれすら面倒で寝てばっかだったな」
「......なんだ、あんまり僕と変わらないね」
その言葉に少しばかり心が揺れた。
確かにやっている事自体は幼少から青年中年まで何一つ変わらなかった。
ただただ一生同じ部屋に閉じ籠ってこんなんに小さい子供の頃からずっと変わることなく、変わることが出来なかった。
せいぜい徐々に変わっていったのは親の目線程度のものだ。
年を追うごとに見てくる冷ややかな目と三十路を越した辺りの諦めた目は今でも鮮明に覚えている。
誤魔化しで貰っている障害年金と親の年金から祖父祖母の遺産を食い物にして生きてきて、誰よりも得をした生涯をしたように見えて誰よりもつまらなく意味のない人生を体験していた。
「......他人からはそう見られないんだよな」




