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駄菓子屋
「......ねえ」
ボトルに入ったラムネの量は半分を切っていた。過去の俺はさっきまでと変わらず真っ直ぐに俺を見ていてその視線が揺らぐ事は無かった。
俺は先ほどまでなんとなく逸らしていた彼の視線を冷静に合わせてみる。
「おじさんは僕になにしに来たの?」
腿の間にラムネを置いて呟いた。
「さあな」
「......」
これが今の俺にできる精一杯の返事であり、ここ数十年生きてきた逃げ口上の1つだった。
昔の自分に合う理由なんざ昔の自分が名残惜しいだけの理由ってもんだ。大嫌いな自分の苦手な子供時代を拝んで願わくは『俺のようにはなるなよ』って言ってやりたいだけでそこまで大それた目的なんて持っちゃいない。
こいつはそんな俺を見て、特に思うことなく残りのラムネを手渡して「これから駄菓子屋に行くんだけど来る?」と言ってダランと伸びていた俺の手を取って歩きだした。
どっかの自分とは違って大した行動力だよ。




