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リザと話したことは、ほとんどないのに。それなのに、どうしてこんなに胸が騒ぐのだろう。校舎の廊下ですれ違うだけでも、キャンパスで見かけるだけでも、胸の奥が締めつけられるように熱くなり、どうにかなってしまいそうだった。僕が求めていたものは、この胸のときめきなのではないか。そんな気がしてくる。
彼女を初めて見た瞬間から、リザは僕にとってすべてになった。全世界になり、やがて神秘的で、神のような存在になっていた。
胸の奥から聞こえてくる声は、リザは僕のものだと、子どもみたいに言い張っていた。
けれど、僕にはどう考えても高嶺の花だった。望みなんて、これっぽっちもなかった。
それでも、もし彼女が自分の彼女になったら――そんなことを、僕は何度も考えてしまった。好きすぎて、自分自身が燃えてなくなってしまいそうだった。
リザはバスのほうへ歩いてきて、顔をぱっと上げて笑った。
理由なんてなかった。ただ、その仕草ひとつひとつが、僕には完璧に見えた。
やがて二人が席につくと、バスは再びヨセミテ国立公園へ向かって走り出した。




