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呼び出し音が鳴っているのに誰も電話に出ない。
僕は受話器を置いた。そして、リザの家と思われる住所が書かれたページを破り取り、電話ブースに電話帳を戻し、焼けつくような光の中へ踏み出した。
彼女が育った家――リザはカリフォルニア中部の小さな町で育った。その家を見てみたいと思った。どうしても僕は、彼女をあのとき見た姿以外では、頭の中で動かすことができなかった。笑ったり、怒ったり、家の中を歩き回ったり、そんな何気ない日常のリザが思い浮かばない。
もしその場所を訪れることができれば、そこにいるリザが話し、笑い、歩いている姿を想像できるかもしれない。グレースランドを訪れたとき、そこに暮らすエルヴィス・プレスリーの姿が自然と目に浮かんだように。
そのためには、彼女がどんな家で育ち、どんな少女だったのかを知る必要がある。母親から話を聞き、アルバムの写真を見せてもらえたなら、僕の中で止まったままのリザが、ようやく動き始めるような気がした。
その前に、何年も土の中に隠しておいた、リザを殺したときに使った拳銃を取りに行った。
森に入り、足に絡みつく刺のある草を無視して進んだ。
その拳銃は、メキシコ最北部、アメリカ国境に接するシウダー・フアレスという町で手に入れたものだった。テキサス州のエルパソから国境を越えたとき、貴金属を売っている店で、英語を話せないテンガロンハットをかぶった店主から三百ドルで購入した。その後、さらに百ドルを渡して、その拳銃を車でアメリカ側まで運んでもらった。
森の中は薄暗かった。
歩いているうちに、封じ込めたはずの記憶が少しずつ戻ってきた。
拳銃を埋めた場所に着くと、僕はしゃがみ込み、土を掘り始めた。
湿った土が指先に触れた。
土を掘るたびに、あの日のことが近づいてきた。恐怖も、後悔も、あのときの光景も、次第にはっきりしていった。
指先に硬いものが触れた。
僕は手を止めた。
あの日――




