新たな力を得ました!
「結局、噂がある以上は、ゆあのように違う世界から来たものがいるのかもしれない。それを探すために行ってみるで、いいんじゃないのか?」
ガイさんがボールペンを握りしめてそう言った。
⋯⋯気に入っちゃったんだね⋯⋯
「ガイさん、ボールペン⋯⋯かえしてくださいねー?」
私が手を出すと。
名残惜しそうに私の手にのせた。
あげても良かったんだけど。
異世界の物をあげて良いのか分かんないよね⋯⋯
まぁさ時代が変わるとかそういう凄いことはなさそうだけど⋯⋯
ひとまず様子見よう。
「さて、支度もできたから行こうか?」
カークさんが私に言った。
!!とうとう出発!
「はい!」
あたしは力強く頷いた。
「えっと、外には魔物がいるんですか?」
あたしが恐る恐る聞くと
「ん?そうだよ〜」
カークさんがのんびり答える。
「ひとまず今日は、となりの村まで、歩いていこう。そんなに遠くない。今からいけば夕方には着く。」
ガイさんが説明してくれた。
⋯⋯
ぼ、冒険のはじまりってことね!
ひのきのぼうを握りしめたレベル1のゲームを思い出した。
ゲームは死んだらやり直しだけど。
ここは現実死んだら終わり。
怖い!!
「ゆあ?平気だよ。僕たちがいるんだから!」
カークさんがの~んびり笑いながら私を見た。
「なんかいる⋯⋯」
外に出ると⋯⋯
目の前になんかいるの!
え?
二本足でたつ⋯⋯うさ⋯ネズ⋯⋯
うーんネズミとウサギの混ざったようなやつ。
「あれは、大ネズミだね」
カークさんが指さす。
ネズミか⋯⋯
かわいくない⋯⋯
すると
あれ
ふっと、その大ネズミの頭の上に
『5発ぶん殴ると即死。ただし、ゆあ専用アイテムで倒した場合、レアアイテムドロップ。ゆあ専用アイテムは一撃で即死です』
って書いてある。
は?
「あぁあぁあの!あの大ネズミ?の上に、5発ぶん殴ると即死、私の専用アイテムで倒すとレアアイテムドロップって書いてあるんですけど⋯⋯」
あたしが字を読むと。
「えー?あいつ5発で即死なんだ〜」
カークさんは驚いたように言った。
そこじゃないよ〜?
「ゆあ専用アイテムでレアアイテムドロップか⋯⋯」
うん。そこだよね。
「あの⋯⋯」
「よし!ゆあ!そのナイフでやってみろ!」
ガイさんが私を見た。
えええええ
怖いよ!
「大丈夫だよ!僕たちがいるでしょ?!」
カークさんが私の隣で微笑む。
あたしはナイフを握りしめて
「わかりました!」
あたしは大ネズミに向かって走り込んで⋯⋯
「えい!!!」
ナイフをたたきつけた!
ズバ!!
派手な音を立てて大ネズミは真っ二つ!
そして、ざらざら〜と、黒い砂になり消えた。
「え?!」
私は砂をみてポカーン
「あー魔物は倒すと消えちゃうよ〜」
ひぇーそうなんだ!
「あ!!なにあれ!」
その瞬間
足元に金色のリング?
「指輪だ⋯⋯」
それを拾い上げでじっと見ると⋯⋯
『右手小指につけると治癒魔法取得。小指以外は無反応。左手につけると尻から魔法が出る。』
は⋯⋯
なんで尻?!
意味がわかんない!!
あたしは迷わず右手の小指に指輪をはめた。
指輪はみるみる縮んで⋯⋯
私の指にピッタリはまった。
「おお!ゆあ専用アイテムか!」
カークさんは私の指を覗き込む。
「何の効果があるんだ?」
ガイさんが指輪を見ながら尋ねた。
「なんか、治癒魔法取得って書いてあります」
私が答えると
『な!なんだって?!』
2人が同時に声出した。
⋯⋯ほんと仲良いな⋯⋯この人たち⋯⋯
「ためしてみろ!!」
ガイさんは指を剣で切ると私の前に出す。
小さな切り目から血がにじむ。
んと⋯⋯
「魔法はなんか唱えたりします?」
ゲームだと
ヒールとかハイヒールとか?かな?
「んーヒールとか?」
カークさんがそう言ってあたしを見た。
その辺はゲームと同じ仕様だね!
「ヒール?」
ガイさんの指に手を当ててそう唱えた瞬間。
小さな緑色の光がガイさんの指を包み⋯⋯
傷はきれいに消えた。
わ!!!
わわわわ!!!
「おおお!ヒールだ!」
カークさんはガイさんの指をみて驚いた声をだす。
「すごいな⋯⋯」
ガイさんも目を見開いた。
「ヒール使える人間なんかそうそういないよ?!」
え!そうなの?
「冒険に治癒って必要じゃないんですか?」
普通ゲームって
アタッカーがいて、魔法使いとかいて、
防御してくれるのがいて
必ず回復がいるよね?
キョトーンと2人を見つめると。
「治癒は教会でやるんだよ。普段の冒険にはよっぽどのことがない限り同行はしないんだ。だから冒険者はケガをしないようにしてる。あとは、教会で売ってる、薬草とかさ、ドリンクを買うんだ」
ドリンク⋯⋯
ポーションみたいなやつかな?
「それ飲んだりすると、ケガが?」
「うん。完ぺきじゃないけど、治るよ。」
あたしの問いかけにカークさんが答えてくれた。
ひぇーそうなんだ!!!
ゲームの世界とはちょっと違う〜!
「ゆあ!お前はすごい力をもってるぞ!!たいしたもんだ!」
ガイさんは私の手を取ってブンブン振った。
「えっええ!お、お役に立てそうでよかったです⋯⋯」
ちょっとホッとした。
何も役に立たなかったら迷惑ばっかりだもんね。
指輪と腕輪をまじまじとみた。
しっかりはまっていて、抜けそうにないの。
これはあたしの体にくっついてしまいました〜って感じなのよ。
まるで、体の一部。
「これで、3人で冒険も楽になるよ。あとは⋯⋯ゆあの魔力がどれくらいか⋯かだよね」
カークさんが私を見た。
魔力?
んー?あ!MPみたいな?!
「そういうのはどうやったらわかるんですか?」
私が首を傾げると。
「冒険者カード見せて」
ん?
あーこの間ギルド?とかってとこでもらったやつかな?
私はカードを出してカークさんに渡す。
「これにね、基礎体力とかそういうのが書いてあるんだよ。持っている人の詳細を示してるんだ。
ゆあは⋯⋯体力100は、まぁ、普通の女の子はそんなもんか⋯⋯え?!」
大きな声を出すカークさん。
えーなに?
「どうしたカーク」
ガイさんも私のカードを覗き込んだ。
『なんだってー!!』
2人の声がまた、ハモる。
すっげー仲いいよね2人⋯⋯




