馬車に乗って町に向かいます!
『ゆあ様!今日もお腹みてください!』
⋯⋯
ガイさんってばよ⋯⋯。
願望が出てるよまじで。
朝早くおきて支度してガイさんの部屋に集合なんだけど⋯⋯ガイさんを見ると⋯⋯
頭の上にそれ。
「ガイさんちょっと⋯⋯」
あたしはガイさんのお腹に手を当てて
「ヒール!はやくよくなーれー」
温かい光がお腹を包む。
⋯⋯
「おお!なんでわかった?!」
「⋯⋯書いてあったので⋯⋯」
「ぬぅ⋯⋯」
ガイさん⋯⋯
「おはよー」
カークさんが入ってきた。
「あ!おはようございます!」
⋯⋯
『お腹壊しちゃった⋯⋯しょぼん』
何食べた?!昨日!お前たち!
カークさんの頭にもそんなこと書いてあって。
しかも2人して仲良くお腹痛いのを隠すな!
あたしはカークさんのお腹に手を当てて
「ヒール!ぽんぽんよくなーれ!」
温かい光がお腹をつつみ⋯⋯
「わぁぁーなんでわかったの?!」
⋯⋯書いてあったんだよ!
「昨日なんか変なの食べました?」
あたしが2人を見ると
「んー?生肉かな?」
生肉だと?!
「えー、そんなものありました?」
「ゆあが部屋に戻ったあと、もう一杯やったんだけど。その時生肉食べた」
それだよ
「肉は生はやめてください!火を通したのを食べましょう!」
そう言うと
2人は残念そうに
『はぁい』
仲いいな!本当に!
人前でやるなって言っといて。そろいもそろってお腹壊すとか!
もう〜笑える
「ま、いいですよ。またこっそり治せばいいんだし!」
あたしは2人にそう言って笑った。
朝イチの馬車は人があまり乗ってなくて、乗り心地も良かった。
このまま大きな町に行くんだって。
そこがお店とかたくさんあるから、ここの村はさっさと出ようってことみたい。
馬車に乗るのは初めて!思ったより揺れないの。
心地よくて。
ウトウトしてしまっていた⋯⋯
気持ちよさそうに寝息を立てるゆあを見て⋯⋯
カークは笑みを浮かべる
「気持ちよさそうに寝ちゃったねぇ。」
「ああ。緊張感のないやつだ」
ガイは、そう言って自分の肩を少しずらし、寄りかかるゆあの体勢を無理のないようにする。
「ガイってばさあ、ゆあを肩に寄りかからせて!ずるーい」
「なんだそれ。コイツが勝手に寄りかかるんだろう」
「ふーん。しかし、規格外だね、この子」
カークが、ゆあを見つめてつぶやく
「ああ⋯⋯」
「ほかに何が出てくるだろうね。心奪われちゃうよ⋯⋯」
カークは優しい笑みを浮かべてゆあを見つめる
「⋯⋯次か⋯⋯なんだろうな。体力は低そうだな⋯⋯少し鍛えないと心配だ」
ガイは肩に寄りかかるゆあを見つめて呟いた。
「あはは、ほどほどにしないと嫌われるよ」
「善処しよう」
「んー!はっ!すいません!寝てました!」
ガタッと馬車が揺れた振動で目が覚めた。
「よく寝てたねぇ」
カークさんがあたしを見て笑う
「馬車で空気椅子ではなかったか?」
ガイさんがあたしに言った。
何言ってんのコイツ⋯⋯
速攻それを無視して。
「町まではまだ乗るんですか?」
カークさんに尋ねた。
「うん?んーそうね、あと半日くらいだね。気長に乗る感じだね。町に着くのは夕方かなあ」
まだまだ乗るんだ⋯⋯
と⋯⋯馬車が止まる。
「あれ?どうしたんですか?」
あたしがキョロキョロ見回すと
「休憩だよ。馬も疲れるからねぇ」
へーそうなんだ!
「ちょっと降りるか?」
ガイさんはそう言って立ち上がる。
馬車の外に出ると馬が休んでいた。
ジーっと見つめると
『今日右前脚痛い』
ええええっ?!
慌てて馬のそばによる。
「大丈夫?ちょっと待ってね!」
あたしはコソコソあたりを見回すと
よし!誰もいない!!
馬の右前脚にヒールをかける。
「大丈夫かな?」
あたしは馬を優しく撫でる。
「ゆあー?なにしてるの?」
カークさんの声。
「はーい!馬さんあと半日よろしくね!」
あたしは馬さんにささやくと、カークさんのところへ向かった。
「休憩と言っても何かあるわけじゃないんですねー?」
辺りは森の中で、何かがあるわけではない。
「馬を休ませる時間だからね。すぐ出発するよ。外の空気を吸ったら馬車に入ろう」
カークさんがそう言ってあたしに小さな木の実をくれた。
「これは?」
「甘いよ〜ちょっとこれ食べてあと少し我慢しよう。町についたら美味しいものを食べよう〜」
カークさんから受け取ったのは⋯⋯
さくらんぼみたいな感じの赤い木の実。
口に入れると。
うん!!!美味しい!甘い!
「そんなにいい顔してもらえるとうれしいねぇ!もっと食べな!」
カークさんにもう一個もらう。
んんんん!美味しい!!!
「俺のも食うといい」
ガイさんまで!!
ありがとう、2人とも!!
ニコニコしながらあたしは木の実をパクっ!!
美味しい!!
「さぁ、あと半日」
馬車に乗り込んだ




