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BLと旧支配者  作者: 藤井ざくろ
《旧支配者》やその眷属と関わりを持ったら大概ろくな死に方をしないものだが
15/18

川端雷魚

 放課後。悠太が自席で帰り支度をしていると、後ろから昴に声を掛けられた。

「ユータ。その、昼に言ってた詳しい人に相談するって、何時行くんだ?」

「これから。」

「おー。……それってさ。俺も行っちゃマズいかな? 今日は部活も休みだし。」

「んー……。」

 悠太は少し考え込む。これから向かう場所は悠太は慣れてしまっているが、特に未成年が行くには特殊な場所と言える。しかし昴は当事者だ。昴自身が気付かない原因を、誰かが気付く可能性もある。イロイロと問題があるかも知れないが、同席した方が良いだろうと悠太は判断した。

「大丈夫だと思うけど…一緒に行くなら私服に着替えた方が良いよ。あと、たぶん遅くなるから親に許可を貰わないと。」

「オーケー。何時に集合する?」

「5時にK駅行きのバス停で。JRのC駅まで行くから。」

「了解。 あ、ちょうどいいから一緒に…」

 と、昴が言い掛けたところで、教室の入口の方から声がした。

「昴ーう!? 早く来いよ、ユミちゃんも待ってンぞー!!」

 川端雷魚の声だ。

「ライギョ、先に帰ってろって言ったろ!」

「いいから来いっつってンだよ!!」

 あーもう、と昴が頭を掻きむしった。

「じゃあ、また後で。」

 真っ白なノートと綺麗な教科書、何度も読み返してボロボロになったオカルト雑誌を鞄に仕舞った悠太が席を立って言った。

「あ、う……、また後でな!」

 そう言って昴は廊下に駆け出し、川端雷魚にヘッドロックを噛ませて「コノヤロー!」と思いっ切り首筋を捻ってやった。

「痛でえッ! ガチはヤメろ、ガチは!」

「しつこいんだよ、ホントに!」

 そうジャレ合いながら仲間の方へと合流していく2人を見送ってから、悠太は静かに帰宅の途に着いた。


「――マジな話、山口と何かあんのかよ?」

 不機嫌そうな口調で問い正してきたのは、家の方向が同じ昴と雷魚が2人きりになった時だった。

「何もねーって。」

「何も無くはないだろ。」

 即答する昴に、雷魚がすぐに切り返す。

「何で陰キャで運痴でバカのクソザコナメクジを相手にしてんだよ。昴は、そーじゃねーだろ。」

「……そういう言い方は好きじゃないって、何度も言ってるだろ。」

「――。」

 それきり、2人の間の会話はしばらく途絶えてしまった。

「じゃあ、また明日な。」

 昴が自宅の前で声を掛けると雷魚は片手を挙げて応え、2人は別れた。


「――まったく何なんだよ、ライギョの奴!」

 ボヤきながら鞄を放り出し、昴は手早く学生服を脱いだ。昴が良く喋る友人グループの中で、川端雷魚と大内将司は特に「いじめっ子気質」が強い。他者への攻撃的な言動は、周囲の雰囲気を著しく悪化させてしまう。だから敢えて彼らと仲良くすることで、昴はそのような芽をそれとなく抑え込んでいた。しかし今、昴が悠太と仲良くしようとすることで、抑えてきたモノが吹き出してきたと言える。彼らの注目が悠太に向いたことで、嗜虐性が刺激されてしまったのだろう。

「くそ……。」

 仲間内でワイワイ騒いでいる分には問題なかった。でもそれは問題が解決された訳ではなく、単に先送りしているだけに過ぎなかったと昴は理解した。今まで上手く立ち回っていたと自負していた分、それがハリボテだったと痛感して落ち込む。

「――、……、リフレッシュ!」

 昴は落ち込んでても仕方ないと、とりあえず考えることを止めて、声に出して気合を入れ直した。出掛ける為にすぐに私服に着替えるつもりだったが、気分転換に熱いシャワーを浴びてお気に入りのシャツとパンツを着込み、母親にスマホで帰りが遅くなると伝えて家を出た。

「これは悠太きゅんとの初デート、これは悠太きゅんとの初デート!!」

 ――と声に出して嫌な気分を吹き飛ばし、昴は意気揚々とバス停に向かった。

■沢渡 勝也[Katsuya SAWATARI]

身長:183cm 体重:70kg

誕生日:1月12日(やぎ座)

血液型:A型 年齢:28歳

好き:アクアリウム、ガーデニング

嫌い:リア充

ポジション:ノンケ

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