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終末パラノイア ~殺人罠師とミーム汚染アーカイブ #1~  作者: 結城 からく


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第8話 残酷な検証

 脱獄するにあたって必要なのは、想像力だけです。

 実にお得ですねぇ。

 お金もかかりませんし、誰でも気軽に再現可能なんですから。

 皆さんもピンチの時には実践してみてください。

 ただし責任は負いかねますので悪しからず。


 お巡りさんも動けないようですし、少し協力してもらいましょうか。

 意識はまだ残っているみたいですから、きっと彼の想像力も利用できます。

 感情を具現化するには、おそらく数が求められます。

 僕だけでは不足だと思うので、ナイーブなお巡りさんの心をお借りしますね。


 ちゃんと僕の声は聞こえていますか?

 ……うん、大丈夫みたいですね。

 今から話す内容を聞き逃さないでください。


 あー、無視しても意味ないですよ。

 そうやって意識から離そうとするほど声に集中してしまいますから。

 存分にリラックスしてもらって結構です。

 では始めましょう。


 狂った世界の中で、安全地帯など存在すると思いますか?

 どこだって危険だらけですよ。

 モンスターは人間を殺し回っています。

 きっと彼らは命に飢えているのでしょう。


 そんなモンスター達が、人間の集まった警察署を見逃すはずがないですよね。

 どうにかして侵入を試みるでしょう。

 僕達のすぐ近くまで来ているかもしれません。


 見張りや狙撃部隊なんで無駄ですよ。

 ただ犠牲者が増えるだけです。


 幽霊に銃が通じると思いますか。

 ゾンビは群れとなって雪崩れ込んできますよ。

 巨大ロボットだって忘れ物を取りに戻ってくるかもしれませんねぇ。

 僕を襲ったヴァンパイアが報復を狙って追跡してきた可能性だってあります。


 怖いですか?

 そうですよねぇ。

 実に真っ当な反応です。

 だからこそ引き寄せます。


 ほら、あなたの後ろにヴァンパイアがいますよ。

 扉を開けて堂々と入ってきました。

 部屋の外も騒がしくなってきましたよ。

 僕達の妄想が反映されたのかもしれません。


 見てくださいよ、お巡りさん。

 ヴァンパイアがあなたに接近しています。

 そういえば動けなかったのですね。

 筋肉弛緩剤の影響ですか。

 いや、混入してたかどうかは分かりませんがね。


 まあまあ、落ち着いてください。

 騒ぐとヴァンパイアを刺激してしまいます。

 まだ首を掴まれただけですよ。

 冷静に説得すればきっと……あっ。


 うん、これは仕方ないです。

 何事も上手くいくとは限りませんからね。

 あなたの首が千切り取られたのも事故です。

 大人しく諦めてください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] >脱獄するにあたって必要なのは、想像力だけです。 この物語世界ならではの脱獄法ですな。w [一言] 続きも楽しみにしています!
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