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終末パラノイア ~殺人罠師とミーム汚染アーカイブ #1~  作者: 結城 からく


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第6話 警察署にて

 いやはや、参りましたよ。

 一時間ほど前に警察署に着いたのですが、僕が"罠職人"だと判明した瞬間に投獄されてしまいました。

 それからずっと牢屋に閉じ込められています。

 食事も出されないのでお腹が空いてきましたね。

 SNSで拡散されたら炎上しそうな環境です。


 正直、こんな仕打ちを受けるとは予想外でしたね。

 今の状況で犯罪者を捕まえる意味はあるのだろうか。

 こちらに協力の意志がある以上、気持ちを尊重してくれるのが道理だと思うのです。

 その考えを裏切られてショックですよ、ええ。


 警察の方々はもっと融通が利くと思っていました。

 実際はパニックと疑心暗鬼で話し合いができなかったです。

 避難してきた人々もいましたが、しきりに僕を殺せと叫んでいましたね。

 なかなかの歓迎ぶりに涙が出そうでした。


 本当は抗議したかったのですが、四方八方から銃を向けられちゃったので、さすがに従うしかなかったです。

 反撃も逃走も不可能な状況でした。

 僕はサイコキラーですが、別に身体が特別に強いとかはないのですよ。

 チェーンソーとか鉈を振り回すようなことはしません。

 頭脳で戦うタイプですから、フィジカル勝負に持ち込まれると弱いです。


 婦警さんも薄情ですよね。

 到着した途端、僕の素性を報告しちゃうんですから。

 きっと心底では信頼されていなかったのでしょう。


 いや、気持ちは分かるんですけどね。

 ただ空気は読めていないなぁと思ってしまいました。

 今回の一件は、後ほどお礼をするつもりです。

 そもそも彼女をアジトで捕まえた段階でそうする予定でしたからね。

 数時間遅れですが、気にせずスケジュールを消化しましょう。


 まあ、ここから脱出するのが先決ですけどね。

 持ち込んだ武器とか道具はすべて没収されてしまいました。

 きっと警察署を守るために活かすのでしょう。

 ちょっとくらい感謝してほしいものです。


 そんな状況ですが、ビデオを没収されなかったのが幸いですかね。

 何も仕込んでいないことを調べてもらって、なんとか取り返すことができました。

 だからこうして録画を再開できています。


 さすがの僕も一生懸命に説得しましたよ。

 これがないと撮影できませんから。

 記録は大事です。

 いつどこでどう役に立つか分かりませんのでね。


 ただし、予備のバッテリーは取られたままなので、後で貰えないか交渉します。

 今のご時世、助け合いが大切ですからね。

 きっと警察の方々も理解してくれるはずです。

 承諾してもらえなかったら……まあ、最終手段を使います。

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