第23話
あと1月で令和という元号が始まりますが、これからもよろしくお願いします。
翌日、俺達とナギナは盗賊狩りに出発した。
潜んでいると言われる森までは約4日、これよりも近かったり、被害が大きければ治安維持の為の騎士団が出動するらしく、盗賊もその辺りは見極めているそうだ。それでもクレア曰く、冒険者で鎮圧出来なければ騎士団とか正規兵が出張ってくるらしいけどな。
あと盗賊討伐と聞いた時点で気になってた事を、クレアに聞いてみた。
(そういえば対人戦って初めてなんだが、武技とか魔法とかの対策ってどうすんだ?)
クレアは少し考え込みつつ、
(魔法はともかく、基本的に武技は切り札と考えて、必殺のタイミングで使われることが多いな。だから隙を減らし、弱みを作らない立ち回りが重要視される)
と答えてくれた。
(まぁ武技を使うレベルで鍛えた者が、盗賊に身をやつすほど落ちぶれるのは稀だ。冒険者で食っていける程度には稼げるらしいから、そうなる事が少ないんだ)
とも補足された。(これは先輩から聞いた話らしい)
(それと魔法だが、これは避けるのが最上だな。受けて無理矢理突破したり、こちらの魔法で対抗するのも良いが、今のショウの熟練度では近接戦の最中に魔法を使うのは難しいのが理由だ)
最近は走りながら程度の動きなら魔法が使えるようになってはきたが、クレアに言わせればまだまだらしい。剣と魔法を同時に使いこなすのはもう少し先になりそうだ。
(ああ、それと今回の戦いは君に任せる。対人戦の経験を積むのは今後の為にも良いだろう)
俺達の目標の魔族討伐。魔族も人型に分類される以上、その経験を積むのは必要なことだとクレアが言った。
(構わないけど、ヤバくなったら助けてくれよな?)
(必要なら手を貸そう。でも君なら出来るはずだ)
目的地に近づくまでの夜営では俺達とナギナで交互に見張りをしている。ナギナが寝ている間に俺達は動きの確認、具体的にはクレアの指示の下、俺は少しでも戦いの中での魔法や攻防の基礎を叩き込んでいく。それに対して、クレアは身体強化でのズレを修正するための実践的動きをしていく。俺が見る限りではズレを感じないが、クレアの中ではまだイメージと実際の動きがズレているらしい。
出発から2日半、想定よりも少し早めに俺達は盗賊のねぐらと思われる森に着いた。そしてふと思った事をクレアに聞いてみる。
「そういえば、盗賊って集めた金とかどうやって使ってるんだ?」
クレアに聞いたつもりだったが、声に出ていたらしい。ナギナが先に答えてくれた。
「私が聞いた話ですと、変装などをして街で買い物したり、農村で穀物を買ったりに使うらしいですね。ある程度仕事をしたら離れた地へ拠点を移して追跡を逃れるそうです」
小首を傾げながら解説するナギナが可愛く、それに合わせて大きな胸が小さく弾む。俺は魅惑的な胸から慌てて目をそらして、
「そ、それならもう逃げてた時はどうするんだ?骨折り損って奴か?」
と聞いた。
「いえ、その場合も拠点にしていたであろうポイントを見つけて、それを報告すれば6割の報酬が貰えることになってます。その場合は職員達が確認をして、その拠点と周辺を破壊して使えなくしてしまうらしいです。依頼書に書いてありましたよ」
ギルドにとって盗賊の扱いはいくら潰しても湧いてくるゴブリンみたいな存在らしく、更にゴブリンと違って知恵が回る分、厄介者なのだそうだ。
なのでその手の依頼では討伐以上に拠点を潰してしまい、次の盗賊の拠点になるのを防ぐのが大事らしい。その上で討伐も出来れば最上なのだそうだ。
「でも、そうなると嘘吐いて騙そうとする奴も出るんじゃねーか?」
「複数人が一定以上の期間、拠点にしていれば生活の痕跡は残りますからね。それとギルドには嘘を判定する魔法使いが常駐してて、そこで詐欺師は捕まるらしいですよ」
その魔法はギルドや国の上層部と言った限られた者に伝えられる秘儀らしく、どのような仕組みなのかは知られていないそうだ。
「さて、無駄話はこれくらいにして、盗賊狩りに行きましょう。目指すは2000リュフです」
そう言ってナギナが先に森に入り、それを追うように俺達も侵入した。




