表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】タイムスリップREstaurant  作者: しーなもん
第1章:レストラン永久伊光
12/53

第12話『仲の悪い偉人』

 私がチビチビ飲んでいたビールをやっと空にできて自己満足に浸っていたら、それまで黙々と将棋を打っていた後ろのテーブルから声が聞こえた。


「王手です」


 エッちゃんがそう発すると、身動き一つせず盤面を眺める信さん。

 同じく盤面を眺める龍馬さんが、信さんの肩を軽く叩いた。


「信さん、どんとまいんどじゃ」


 信さんは肩を大きく揺らして龍馬さんの手を振り払い、怒鳴った。


「気安く触るな、この似非えせ南蛮かぶれが!」


「信さんよりかはワシん方が海外の国に詳しいぜよ。そもそも南蛮ちうけんど、ようろっぱは南じゃのうて、西やき」


「それくらい知っとるわ!」


 おいおい、なんかこの二人、仲悪いなあ。


「エッちゃん、終わったならお皿とジョッキ、こっちに持って来て」


 大将がそう言うと、エッちゃんは元気に返事した。

 どうやら、将棋はエッちゃんの勝利で終わったらしい。


 ふと、スマホの時計を見る。

 時刻は20時になろうとしていた。


「あっ、ヤバッ!」


 思わずそう言うと、結斗さんに聞かれる。


「どうかしましたか?」


「実は、ホテルを予約してなくて……」


 そう答えると、大将が渋い顔をして言った。


「アチャー、この時期、ここらの宿はどこも満室になりますよ」


 そうだよね……。

 桜のシーズンの京都だもんね……。


「なんじゃ、宿を探しておるのか?」


 いつの間にか龍馬さんと言い争いが終わった信さんに質問される。


「はい」


「妙覚寺でよければ、一部屋用意してやってもよいぞ」


 妙覚寺……いやいや、お寺ですか!?


「いや、さすがにそれは……。ってか、私と信さんじゃ時代が違うし」


 そう言うと、あっけらかんと大将は衝撃の発言をした。


「店の扉を信さんと一緒に出たら、歩実さんも信さんの時代に行けますよ」


 は……?

 えっ、どういうこと……?


 呆気に取られていると、たまたま目があった結斗さんが私に言う。


「正確に申しますと、信さんが開けた店のドアを閉じずに一緒に外に出ると、一緒に信さんの時代に行けるのです。同じ理屈で、龍馬さんが開けたドアを一緒に出ると龍馬さんの時代にも行けます」


「それって、タイムスリップじゃ……」


 思わずそう言うと、結斗さんは深く頷いた。


「ええ、まさしく。ここは、タイムスリップレストランなのです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
タイトル回収キターーーーーー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ