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一流料理人転生したら獣人でした  作者: みずいろ
マリジャナル編
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第57話「暴れん坊や」

次の日朝起きて準備をして下に降りるともうみんな揃っていてすぐさまスノウドラゴンのいた洞窟に戻ってきた。


今度はそう危険もないだろうとの事でアベルも着いてきた。


「わぁ〜すごい魔素ですね。こりゃすごいものが出そう〜。」


魔法カバンから面白い形のアイテムを出しながら目をきらきらさせるアベル。


「なんだその変な形のアイテムは。」


「これですか!?これはですね、魔素の量や流れを図る機械で要は探知機みたいなものなんです。これを使えば地中に埋まってたり壁にめり込んでる遺物も探せます。」


「すげぇ!壁壊して欲しかったら言えよ。魔法でどうにかしてやる。遺物の取り扱いもよくわからんからその時教えてくれ。」


「ありがとうございます!助かります。」


そこからはすごく地味な作業が続いてたまに襲ってくる魔物をぶっ倒しては異物探しを続けるという流れ。


ちなみにそんな作業が一週間くらい続いた。

みんなが疲れたら帰って休んで次の日も同じことをしてという感じ。


アルスやアベル的にはいいものが見つかったらしく手を取りあったり抱き合ったり途中途中喜んでいた。


そうして俺らは無事帰還し次の日の朝、アルスから正式に報酬を貰ったわけ....わけなのだが!?


「なんじゃあこりゃあ!」


見たこともない大金の小切手を渡され正直チビるかと思った。

その金額はなんとびっくり250万J!パーティメンバー全員で山分けにしても50万Jだ。


「まぁ今回は最初やし、これから協力してもらう前金も含めて...こんなもんでどやろか?もちろんその都度、報酬は払うで。

なあなあ、悪くないやろぉ?」


ニヤーっとこちらを見るアルス。


「悪くないどころか...いいのか?」


「ンフー!かまへんかまへん!君は将来絶対オオモンになるさかいとっときぃ。」


「けっ...サンキューな!」


「んで?次はどうするん?もう少し手伝ってくれるん?」


「んー...それもいいけどもう少し世界を見て回りてぇなぁ。例のお菓子屋にも行きたいし。」


「あー!それならそっち方面でちょうどいい依頼があるわ!」


「どんだけ俺を働かせるつもり?」


「まあまあ〜!交通手段の手配はこっちでやるさかいそれにスノウドラゴンよりは気楽に構えてこなせる依頼やさかいに安心してーな。」


「はぁ...次はどうするか聞いたくせに俺に拒否権は無いって事ね。」


「アハハハ!まあまあそう言わんと目的地までは船と大陸鉄道でいくんやで。鉄道は最高級の部屋を抑えるさかいお楽しみにや。」


「ふぅん?まあ...それならいいか。」


「マリジャナルまでは船でそこから大陸鉄道で移動するんやけど途中の景色もそりゃあ見事なもんやで〜今回は急ぎとちゃうし途中途中俺も仕事させてもらうさかいその度君たちは好きなことしててええよ。」


「まじ!?それなら旅行みたいなもんだな!ワクワクしてきた!金沢山貰ったし色んなレストランにも行けそうだぜ!モーティ!マリジャナルの観光案内はお前に任せたぜ。」


「おう!まかせろ!俺のふるさとだしな!王都だけじゃなく俺の街があるほうも案内してやるよ!」


「お〜たのしみだ!」


アルスのペースに飲まれつつあることに若干の違和感を感じてはいるが世界中を回ればその分フープル出来る場所も増えるしコネクションを増やすいい機会なので違和感は心の隅に置いておくことにした。


「本当は転移札を使ってもええねんけどマリジャナルだけやのうて定期船の方にも用があるし、その先の鉄道会社とも話したいさかい今回は時間をかけてゆっくりと向かうで。」


「お前の商人根性は魂の奥の奥まで染み付いてんのな。」


「あははよしてや。まぁ燃料とか貨物で載せる荷物のこととか色々取引があんねん。貿易センターの連中は頭が硬とうてな!船と直接話しつけた方が円滑に行くねん。」


「へー。」


「まぁええわ、それじゃ今から四日後に出発するさかいそれまでは皆ゆっくりしとき〜!」


それから俺たちは解散になった。

と言っても泊まるのは商会なのでほぼ何かが変わるということもないが。


俺はタッカンブルの温泉が恋しくなったのでハルートを誘って行くことにした。

こちらはまだ朝だがあちらは夕方らしい。

日帰りで入浴させてもらってこちらに戻ってくればちょうど良さそうだ。


「ダイゴさん、あの!僕も行ってみていいですか?」


「アベルも行きたいのか!...構わんけど仕事はいいのか?アルス。」


「アベちゃん頑張ってくれとるしたまには行ってき〜。」


「あー!俺も行く!」

シャルも名乗りをあげその後モーティも行くと言い出したので結局、俺、ハルート、シャル、アベル、モーティで行くことになった。


ちなみにタッカンブルの風呂は男湯も女湯もなく空いてたら入れます方式。

村にはあまり女の人がいないらしくそれぞれが察しあって入ったりしてるんだとか。

今回は...どうするべきか?

などと俺が頭を抱えているとシャルが俺の背中をバンバン叩く。


「いんじゃね〜の!みんな一緒に入れば。」


「いやいやいやいやいやいや!それはまずいっしょ!お前らは良くても俺やモーティが反応しちまうわ!」


「ん〜...タッカンブルに着いてから決めたらいじゃね?」


「...まぁそうね。最悪順番に入ればいいか。」


「ぼく!ダイゴさんと一緒に入りたいです。」


アベルの一言に、勘弁してください!と思ったけどそういや俺がいつか一緒に行こうなどと口にしたことを今思い出した...。


「ん〜わかったタオル巻いて入っていいか効くか。それで大丈夫ならみんなで入ろう。」


「ッシャ!これで俺たちも裸の付き合いだな!」


シャルのやつは何故かすごく嬉しそうにしている。


マカフィが居たらなんか言われそうだなぁ。

あいにく彼女はそうそうに買い物に出かけて行ったけど。


はぁ...あんまりアベルやシャルに目線をやらないようにしよう。


そんなこんな気を使って疲れた俺はシワシワな顔をしながらフープルしてみんなをタッカンブルまで連れてきた。


「おぉ〜!こっちはちょーさみーな!」


はしゃぐシャルちゃん。良かったねぇ。


「温泉の匂いがするなぁ。」

モーティは目を細めながら口角を上げる。


俺たちは女将さんのいる宿へ行き事情を話すとあと三十分くらいしたら街のじじい共が帰るからそれからにしてくれと言われた。

幸いなことに今日は宿泊客はいないから好きにしなと言ってもらえた。


「温泉!生まれて初めてなんです。うれしいなぁ。アルスさんとどこか行ってもお部屋のシャワーしか入ったことないし楽しみです!」


可愛い...子供みたいにはしゃいで笑うアベルはすごく可憐に見えた。


「しかも聞いてください!アルスさんたら洗いっこしようとかアベちゃんが洗ってくれたらおじさん元気でるのになぁとか言ってくるんですよ!普段は僕のこと気遣って体を求めるようなことはしませんけど、ここぞって時はいつもセクハラしてくるんです!」


うわ...アルスきんも!


「サイテーだな!」


「ね!最低ですよね!あはは。」


それからタッカンブルの村を少しだけみんなで散歩して川を見たりして時間を潰した。


宿にもどると女将さんは笑顔でおかえりと迎えてくれた。


「あんた達、ご飯まだでしょ?うち食べておいき。」


「いいのか!?泊まらないが、宿代はきっちり払わせてくれ。」


それからみんなでタッカンブルの郷土料理をつついて酒を飲んだ。

アベルはいつにも増して楽しそうでシャルはアベルの肩をずっと組んでいた。


「それにしてもみんな優しい人たちだなぁ。」


モーティは陽気に笑う。

俺が商会からパクってきておっちゃん達に差し入れたマル酒をアホみたいに飲まされていたのに相変わらずケロッとしている。


それにしても相変わらず陽気な村人達だ。

おっちゃん達はモーティを気に入ったようで楽しそうに笑っていた。

そういえば以前ハルートが差し入れたキャベツ種も順調に育っているらしく今度来たらキャベツ料理を振舞ってくれると言っていた。


大浴場へと戻ってくると入口には貸切の札が貼られていた。

女将さんが気を使ってくれたんだろうな。


「俺たちのがおそらく着替え早いしアベルとシャルはあとから来いよ。」


「あぁ!わかった!」


ハルートとモーティと俺は一足先に服を脱ぎ掛け湯をしてから寒空の下の露天へと足を突っ込んだ。

酒を飲んだとはいえすっかりと冷たい空気で冷えてしまったからだにジンと来る温泉の温かさが心地よい。


しばらくするとアベルとシャルがバスタオルを体に巻いて露天へとやってきた。

シャルたちはタオルの上から掛け湯をするとゆっくりと湯船に浸かり始めた。


「くぁ〜!さいこーだな!こりゃ」


「ほんと!気持ちいいです!」


あんまり見ないようにはしてたのだけどどうしても二人が目に入ってしまうのでハルートと喋りながら空を見たいた。


...にてしてもアベルの胸結構大きいな。

まぁシャルはそれの比じゃないほどだけど。

湯船に浸かる時目を逸らしてたつもりだったのについアベルやシャルが屈んだ時に二つの山に目がいってしまった。


くそっ!イカンイカン!奴らは俺の仲間なんだ。

...といってもまだ俺三十にもなってないんだよ?一応二十代だぜ?そりゃそれなりにお盛んなわけ...女の子二人が風呂の中に入ってくるんだ。

見ないようにする方が無理ってもんだ!

おっと...女の子二人ってのはアベルに失礼になるか。


はぁ...モーティは気にしてないように見えて多分結構気にしてる。

凄いのはハルートのやつだ。

全く動じず目線ひとつ送らず俺の方を見て笑顔で喋ってんだよ。


何?修行僧かなにか?それとも特殊な訓練を詰んでる?

欲がない?...末恐ろしいやつだぜ。


その後、良くないことにアベルの奴は俺の隣に来たことなんだよ。

それにくっつくようにしてシャルも隣に来るし!

俺がそういう気持ちになるなんて微塵も思ってない...と言うよりは信じてくれている雰囲気なんだ。

だからこそそんな信用を崩したくなくて必死に冷静さを欠かないようにした。


気が気でない時間を過ごししばらくするとシャルはあちーと言って先に上がって行った。


タオルがべったりと体に張り付いて筋骨隆々なのに女性らしい身体のラインが丸見えになっていた。

アベルも一緒になって出ていったがこちらもやはりタオルが張り付いて体のラインが丸分かり、アルスが連れて歩いて自慢したくなるのもわかるほどのしなやかで美しいプローポーション。

勘弁してください。


俺はいっそ目を潰してくれと思いつつモーティの方を向くとモーティはお湯の中でしっぽをブンブンしていた。


「おーい大丈夫か。」

小声で囁くとモーティは首を横にブンブン振った。


「みんなで入ると言い出した時全力で止めるべきだったと後悔してるよ!暴れん坊が暴れてやがって、お湯から出れそうにねぇや。」


「わかる!俺も!あっはははは!」


モーティの反応を見て安心した俺は爆笑した。

ハルートは相変わらずケロッとしていてちょっとおっかなかった。


俺たちの子供たちが収まり無事温泉から上がり外に行くとシャルがビールを飲んでいた。


「あっずりーー!俺も飲みてぇ!」


「女将さんが瓶で売ってくれたぞ!お前らの分も金払ってあるからそこの魔蔵庫から出して飲めよ。」


シャルちゃん気が利くぅ〜!


さっきまであんなに悶々としていた感情もすっかりと収まりほっかほかに温まった体を寒空の下飲むキンキンのビールで冷やしていく。


「くぁ〜んめー!」

この辺のビールはアサヒ〇ーパードゥルァイというよりはサッ〇ロ風のサッパリとしてキレは控えめな爽やかぁなお味。


夜空を見上げれば満点の星々が今にも降り注ぎそうでこんなにも満ち足りた気分になったのは久しぶりに思えた。

思えば最近は、ところどころ休めてはいるものの、アルスに振り回されてばかりだからぁ。


それからまたみんなで他愛もない話をして過ごし寒くなったので女将さんにお礼を言い料金をチップも込で払った後、

商会へと俺のフープルで戻ってきた。

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