伝わる技術は死神の中で
葉月リュウノスケとツクヨミについて
2020年8月に出会い体が弱ったリュウノスケじいさんにツクヨミが取り憑いて体力を取り戻させた。老いてもカッコつけたいというじいさんの人柄を気に入って2人は仲良くなった。意識はじいさんのもの。
12:00 p.m.
昼食は和食料理店に行った。御膳というのは1つ1つは小さいが全部合わせると中々量が多い。というよりはコトノハが大量に食べさせようとしてくる。僕はそんなに大食いじゃあないのだから勘弁してほしい。こんなに食べたら午後絶対動けなくなるから。だから天ぷらを黙って僕の皿にのせるのやめて。コトノハさんはともかく一条さんまでやるのなんで。
「ぜんざいも食べるよね?」
「黒蜜苦手なんでやめておきます。」
「じゃあ天ぷらもう1ついけるよね。」
笑顔に恐怖を覚えた瞬間だった。鏡は見ていないが僕の顔は青ざめているだろうな。
「うぇっぷ...。」
「育ち盛りなのに体重全然無いんだから普段からもっと食べないと駄目だよ。休日いつも朝ごはん食べてないの知ってるんだからね?いつもお昼まで寝て。」
「良いじゃないですか休日くらい。毎日早起きなんてしてたら耐えられないですよ。」
「不死身のくせに。」
「九尾さん死なないと疲れないはイコールじゃないです。」
「いつまで話しとるつもりじゃ。早く修行するぞ。早く月影流をマスターするんじゃ小僧。」
「じじい。そんなせっかちになんなくてもスダチはやる気あるから安心しろ。」
「無理じゃ。だって一刻も早く弟子入りさせてここ継がせるもん。」
「もんじゃねえよ。スダチはうちで監視しなきゃいけねえから無理だわ。」
「監視対象を京都に行かせてもいいんスカ?」
「たしかに。普通東京から出すことすらしたくないはずなのにどうして...。」
上層部は人間の体を持つだけで人殺しのヤツなのにのうのうとゴーストハンターやってる僕を最近野放し気味だ。たしかにおかしい気がする。死なないから有効活用したいとはいえ、殺せる方法を見つければすぐに拘束できる状況下に置きたいはず。一条さんやアトラースさんも同じだ。未知の部分が多い以上、遠出なんてさせられない。なにか意図があるのだろうか。やめよう。今は深く考えてもしょうがない。それよりも、月影流を極めて早く僕の記憶を取り戻すヒントを探そう。そのためにわざわざ京都まで来たんだ。月影斬・三日月は月影流の技の中で最も基本的な動きらしい。大きく溜めをつくり、敵に向かい突撃。長物で大きく弧を描きその一瞬の動きは三日月の形を見せる。今の僕では腕力も、バネも足りない。あの時出来たのは落下の勢いがあったから。それでも、さっきじいさんが放ったものより断然遅い。
「やはり。お前は別にバネやパワーが足りないわけではない。まあそれも鍛えるが。もっと母指球に力を入れろ。転ぶことは考えるな。もっと体を前へ傾けるんじゃ。陸上のクラウチングスタートってあるよな。それをもっと体を前に傾けてぶっ倒れる勢いをお前のバネにのせるんじゃ。やってみろ。」
足腰に力を入れる。ぐっと曲げてそのまま体全体を前へ傾ける。転びそうと思っても足は出さない。膝が地面に着く直前にタメを一気に解放する。勢いそのまま、槍を長く持って凪払う。
「うげっ。」
顔面から転んでしまった。突進中にバランス崩した。いや、勢いが足りなかったのか。鼻血出てる。
「悪くなかったぞ。もっと強くタメをつくるんじゃ。力も母指球に入っておるし、タイミングも良かった。あとは反復じゃな。夕方までひたすらやるぞ。」
「はい!」
「黒崎って、やる気とかそういうの無さそうに見えるけど意外と根性持ちだよな。」
「私が本当に意外と思ったのはそれで熱くなっても決して頭の回転を止めてないことよ。色んな人見てきたけど、常にどっちもMAXで出せるヤツなんてそうそういないわよ。15歳のうちからそんなことできるなんて普通じゃないわ。」
「中身幽霊なのに年齢とか関係あんのか?」
「彼は食事も採るし、睡眠もする。あくまで人間の代謝で生きているのよ。しなくても生きられると思うけど。つまり、彼の代謝が人間である以上、脳の代謝も人間のものであるはず。彼のガワは15歳の人間なわけだから、思考回路もそれとなく15歳のものに近くなるはずなのよ。死神としての記憶がないから尚更ね。」
「なるほどな。全然わかんねえけど。」
「要は15歳の体の中にある15歳の脳で考えてるから思考は15歳のものってことじゃ。妾なんてこんな子供じゃからすぐ感情的になってしまうのじゃ。魂ではわかっておるんじゃがの。」
「色々と大変なんだな。人間に取り憑く幽霊も。」
「私は一条カオルの脳を使わずとも魂だけ中に入っておるだけだからなんともないがな。そこの例外2人だけだ。」
「そういえばアトラースってどうやって空の肉体に入れたの?」
「それがわからんのじゃ。気付いたらこの体に入っておった。正体不明の仕業じゃろう。」
夜。ホテルに戻り入浴の時間。
「細い!」
「細くないです。」
「細い!」
「細くないです。」
「細い!!」
「細くないです。」
「もっと食え!」
「食べてます。」
「いや、だってもうほぼ骨と皮じゃん。あばら骨浮き出てるし。」
「別に普通ですよ。あなたたちが筋肉つけすぎなんですよ。体固くなりますよ。」
「いーやそれにしても普通と比べてお前は細すぎる。ほんと細身の女みてえな体型だぞ。骨格のせいもあるけど...。」
なんだ。なに驚いてるんだ。カヅタカさんの方向いて。
「黒崎。今起こったことをありのまま話すぜ。俺はお前の体が細すぎると伊藤さんにもお前にもっと食えって言ってもらおうとした。そして伊藤さんの方を見たんだ。そしたらいつの間にか、あまりのアレのデカさに腰が抜けていたんだ。何を言っているのか分からねえが、俺も何を言っているのか分からねえ。とにかくお前も見るんだ。」
普通にアレじゃないか。ていうか僕に言われても普通の大きさなんか分からないし4月までに何度も見てるから大して驚くようなことではない。むしろ自分のが小さいのだと思っていたんだがあっちが並外れていたのか。てかどうでもいい。お腹減ったし早くご飯食べたい。
こんなに更新が遅かったのはきっと新手のスタ○ド使いの攻撃を受けたからです。生きてるので安心してください。心配する人いないけど。




