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三蔵島  作者: たま


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19/25

博打

部屋の前に隣の部屋の女子大生達がなぜか待っていた。

「あの…お兄さん、もしかしてアフロディアじゃないですか?

あの、あの、もしそうなら…」そこで優は声を遮る。

「すいません。それ本当に良く言われるんですが、違います。誰ですか、その人?」標準語でそう言うと淳の肩を抱いて大急ぎで部屋に入った。

「やっぱり〜嫌な予感してたんや。」優がガクッと肩を落とす。

「そうか!Vチューバーって学生に人気だから!

ファンに偶然会っちゃったのね?」淳も状況を理解したが

口を急にふさがれた。

「黙って!ココ本当に声筒抜けなんだから!」優は真剣な顔をする。

「フフッ」ふさがれた手を払い除けながら淳が笑う。

「嵐で動けないけど、世間に知らせる方法はあるよね?特にアナタは声も聞かれてないし。

友人が自殺した話してたじゃん?雑談配信で。

島に行ってる他の仲間達から連絡入ったって、ココから配信できるじゃん?」

優が目を丸くしてる。

「大学生男子がこの民宿だけでも7人いる。他の民宿も男子学生の方が圧倒的に多い。グループなら殺せない。目立ちすぎる。」

淳の提案に戸惑ってるのか?目が右往左往してる。

「アナタのキャラは東京に居る設定で出来ない?

環境がないか?」淳が優の手を握る。

「…やろうと思えばやれるかも…でも、島を離れてからやらへんと

僕らの命が危なくない?」優ももしかしたら考えてたのか?

でも、根が優しいので淳の身を案じて口にしなかったのかも?

相手もどう出るか分からない。

これは、賭けになる。


ここは田舎の南の島だが、相手は東京のスレたオシャレじじいだ。

新しい物にも目ざとい。

淳は言っちゃ悪いが群馬生まれの群馬育ちの生粋の群馬っ子。

片や関西人、お上り3年目。

老獪(ろうかい)さでは太刀打ち出来そうにない。

「騎士アフロディアをどれだけ東京に居る演出出来るか?だよね。

島に遊びに来てる子達はリア充で身体も体育会系が多い。

役所のヒョロちいオッサン達はまず手を出さないと思う。それもグループの子達ばかりだし。」

「もうVチューバー界のコレコレと言われてる界さんにはデーター送ってる。チャンネル登録者100万人超えてる人だからTVのニュースより影響あるよ。

ただ彼は案件大量に抱えてるから表に出るのに時間掛かる。」優が話す。

「もう!さすが!じゃ、私達が失敗しても、この事は表面化するわね!

良かった〜う〜ん、良い子!」淳に首に抱きつかれて

頬ずりされる。

優は、「ウザァ〜」と言いながら満更でもない。

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