強さ
配信者と言うのは、不特定多数と会話しながらゲームしたりする人達だ。
それ故、訳の分からない輩も出没する。
そこでバシッと怒る時注意する時は一歩も引かない強さが無いと
配信を続けていけない。
投げ銭機能のせいでお金を貰いながらなので、本当に流されたり押しに弱い、そんな人間では務まらない。
優もVチューバーとして、デビューして3年目である。
メンタルも鍛えられている。
アラシが暴れたり板が荒れた時の制御なども慣れている。
根性も胆力も鍛えられてる。
「今日見た奴等も皆閉じ込められているのかな?」
優が三角座りでうつ伏していたが、顔を上げた。
「そうだね。あの放射状に並んでた小さな小屋に4人づつくらい閉じ込められているんだろうね。
都内はアトリエ高いから、アートの島で無償のアトリエでゆったり絵を描こうと来たのに、まさかこんな目に合うと思わなかったろうね。」淳も頬杖つきながら横でため息つく。
「でも、親だって見に来るだろうし、こんなやり口長続きするはずない。
私達が脱出できれば、都内でお子さんが島に行ってる人達と連絡取り合って動ける。
まずは脱出だよ!それは分かってる?」最初、見ず知らずの淳を助けようとした優だ。
イヤな予感がして、とにかく島を出なくてはいけないと説得する。
相手が人の命なんて何とも思ってない事を解説したつもりだが…果たして伝わったか…
「淳ちゃんさあ〜明日ヘリ動いたら三宅島飛んで飛行機で調布飛行場のルートで帰りなよ!
船は台風過ぎるまで動かないだろうから。」やっぱり!
心配してた方向へ動いてる!
「ダメだよ!優が行かないなら私も行かない!」横にお尻をドカッと当てながら並んで座る。
「なんでこんな広い砂浜でギチギチに座るの?
危ない奴らなんだろ?
だったら早く島を離れた方が良いよ、淳ちゃんは。」
言い終わらない内に淳に両頬を鷲づかみにされて口づけられる。
「何すんだよ!」慌てて淳の肩を押すが、淳の手を塞がなかったので頭の毛をガシッと掴まれて、またキスされてしまう。
「…おまわりさん!ココに痴女がいます〜捕まえて〜」優は力なく抵抗する。
「ふん!イヤなら本気で抵抗しな!
いくらVチューバーだって、配信者だって、1人で何が出来るのよ?
絵も描けないアンタなんか生かす価値ないから、即海の藻屑だよ!遺体すら引き揚げて貰えないかも?」そう言うと優の手を引いて民宿へ歩き出す。
「明日ヘリでとにかく三宅島まで戻って計画立て直そう!
もしかしたら役所ごと絡んでる気がする。
とにかく行政区から抜けよう!」そう言いながら抵抗する優を引きずって宿に戻った。




