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三蔵島  作者: たま


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11/25

変装

「手元は遠くて見えなかったけど拡大コピーを何枚も重ねて置いてるようだった。

で描きかけだけど明らか、ゴッホのヒマワリ、星月夜、糸杉だし、モネの睡蓮、ルノワールのイレーヌ、セザンヌの林檎描いてた。」淳が説明する。

「あっちもバレたと思ったかな?」優が心配する。

「学芸員とか言ったから〜どうだろう?

でも贋作を指示してる人か組織に連絡してると思う!絶対。」淳は真剣な顔で話す。

ヘリポートまで来たら1番ハデで大きなカフェに入る。淳は辺りを見回す。浮かれた観光客だらけだ。

「この人達に擬態ぎたい)しょう。」優に相談する。

「どうやって?」優は諦めてるようだ。

「普通の人間は、服変えたりグラサンして別人なるの!絵師さんに頼まないの!自分で変わるのよ!」

そう言うとグッズ売り場で『海人』と背中に大きなロゴのある真っ赤なTシャツとグラサンを2個買ってきた。

「アンタは麦わらカブって!気持ちは海賊王ね!

で私達は新婚カップルだから!」優に渡してトイレに先に立つ。

「エーッ!!!」優が驚く。

「優くーん、どう似合う〜?」トイレから戻った淳はブリブリの新婚妻になって戻ってきた。

「淳ちゃんだけだと恥ずかしいよ〜カレピの優くんも早く〜」と声は甘ったるいが、すごい力でトイレに押し出した。

元がVチューバーなので、トイレから出てきた優はすっかりキャラ変してきた。

「へい!ハニー待たせたな!」とグラサンの真っ赤な海人に成って戻ってきた。

「で、どうすんの?」ドカッと、座りながら淳に耳打ちする。

見事に陰キャの面影は消えた。

「私は往復で船のチケット買ってるのを帰宅早便に変更するけど、優は買ってるの?」優の耳をひっばって聞く。

「僕まだ買ってないよ!」優が答える。

「じゃ、急いでチケット買いに行こう!

明日の便買えたらラッキーなんだけど…」淳は心配そうに空を見る。


「えっ、明日は欠航?」船会社の窓口行くと言われた。

「はい、今夜の竹芝出発はもう台風が接近してるので見送られたそうです。

うちは離島なんで、しょっちゅうなんですよ。

急ぐならヘリで三宅島行って飛行機で帰るチケットをネットで取るしかないですね〜」と言われた。

もう今日のヘリは終わった。

明日は台風の影響で飛ぶか飛ばないかは明日にならないと分からないらしい。

それより変な話が出た。

優は帰りのチケットをこの島で買うのだが、そうなると身分証明書が要ると言うのだ。

「竹芝では身分証明書なんか求められなかったけど?」と窓口のお姉さんに言うと、

「この島だけですね。島ルールです。島からチケット買って竹芝向かう人は、身分証が要るんてすよ。」とお姉さんがマニュアル見ながら言った。


「どうしたの?その格好?」民宿に戻るとおばあちゃんに驚かれた。

それも淳は優の腕に巻き付いている。

「へへ、昨夜看病してたら、そういう関係になってしまいまして。

で、早く東京戻って結婚する事になったんです〜♪」と真っ赤な嘘をつく。

「まあまあ、それはめでたいわね〜良かった良かった!

最初から絶対引っ付く気がしてたのよ!」おばあちゃんはニコニコと納得してくれた。

が、民宿のおじさんは信じてない気がする。


「なんで僕ら新婚ならなアカンの?」優が文句タラタラだ。

「あのアトリエ訪問した2人から1番程遠い者にならないと!イチャイチャカップルが1番ありえないでしょ?」淳が小声で夕飯食べながら話す。

「そうか?そうなのかな?」優的にはそう見えるかも?と思うが…

まあ、落ち着いたモブカップルが急にアホカップルになったら別人やろ。

いや、頭おかしい人らに見えるかも?

実際おじさんは、こいつら正気か?と言う顔で見てる。

もう後片付けして帰るだけだが、親であるおばあちゃんに「何かあったら連絡してな」と声掛けして帰った。

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