479.ギーフ教
今日は珍しく早起きだ。
確実に塩ニンニク鍋の影響だ。
家を出てぶらつこうと思っていたらサリルハムで砂漠農業をしている獣人のイサがやってきた。
「ライル様。サリルハムの村の1つと信頼関係を結べたと思います」
「従業員として雇えそう?」
「はい。一番小さな村で13人しかいませんが…」
「十分だよ。よく頑張った」
イサは自信無さげだったが、十分すぎる成果だ。
「じゃあその13人は雇う方向で。イタロは学園があるから、イタロいる時に正式に雇う。だけど『秘密の通路』を教えたりはもう少し働いてからにしよう」
「わかりました」
「土地は俺が買いに行くか。他の村とはどうなの?」
「良い関係を築けていると思います」
「じゃあサリルハムを大改造しておいた方が良いだろうな」
俺はイサと共にサリルハムに向かった。
▽ ▽ ▽
俺はシャハルードに来ていた。
案内された部屋でマルティル元首を待っている。
部屋にやってくるマルティル元首の顔色がかなり悪い。
「ライルくん。久しぶりだね。今日はどうしたんだい?」
「サリルハムの土地を追加で購入しようと思ったんですが…。体調は大丈夫ですか?」
「すまないね。体調は全く悪くないんだが、最近色々と忙しくてね」
「復興ですか?」
「ああ。まあそれだけじゃないんだけどね」
この前の事件でハザリ領のテミという街がかなりの被害に合った。
それに反乱を起こそうとしたガルワシ派の領主達もそのまま領主を続けることは不可能だ。
マルティル元首の仕事は一気に増えているはず。
「食料の販売をもっと増やしますか?」
「いや十分足りている。今起きている問題は簡単には解決できないんだ」
「話を聞いてもいいですか」
「構わないよ。気分は悪くなってしまうかもしれないから聞きたくなくなったら言ってくれ」
「はい」
マルティル元首はサオラルで起きてる事件について話し始めた。
「テミの街を中心に、ガルワシ派が治めていた領地で大量の自殺者が出ているんだ」
「自殺者…」
「しかも人為的に自殺を促している者がいる」
「どういうことです?」
自殺を促すという言葉の意味が理解できなかった。
「自殺者は全員同じマジックアイテムを持っていた。『鑑定』をしてみたが名前以外の詳細がわからなかったのだが、名前から不安を増幅させる効果がある可能性があった」
「そのマジックアイテムとは?」
俺がそういうとマルティル元首は壊れたネックレスのようなものを取り出した。
俺はそれに既視感を感じた。
「恐慌のシンボルというマジックアイテムだ。これをギーフ教の神官と名乗る人間が配っていたという情報もあった」
「シンボル!」
「ライルくん。何か知ってるのか?」
「実は…」
俺は最近のシンボル関係の話を全てマルティル元首に話す。
「なるほど。これはかなり計画的な行動みたいだ」
「そうですね。ギーフ教。ワイアット国王にも共有してもいいですか?」
「問題ないよ。こちらも様々なシンボルがあることも知れた。やれることは限られるが、どうにか防ごうと思う」
俺はマルティル元首と情報を共有し、土地の購入を済ませた。
▽ ▽ ▽
バッフン!
俺はサリルハムの大改造を終えた。
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壁家家家▢厩厩庭庭▢畑畑畑畑▢村村村壁 M
壁庭庭庭▢庭庭庭庭▢畑畑畑畑▢村村村壁 L
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かなり改造をした。
イタロの住居兼管理等を広くし、村人が農作物を治める倉庫を作った。
村人が住むところもアパートを数棟建てて、他の村の人が従業員になっても大丈夫なようにした。
畑はすべて砂の畑だ。
「イサ、こんな感じにしたから」
「ありがとうございます!」
イサ達は喜んでいる。
「あ!ロックシトラスの使い道が増えたよ」
「聞きました。生産量を減らさないことにしました」
「うん。イタロの授業がない日に村人との顔合わせお願いね」
「はい。任せてください」
俺はイサ達と別れ、ヤルクへ帰った。
▽ ▽ ▽
ヤルクに帰るとヒューズさん達が帰ってきていた。
「ライル。ダンジョンは地下5階層までで余裕だったぞ」
ヒューズさんは笑顔で言うが、リリアンさんは不満そうだ。
「私が大変なだけじゃない!」
「なんだよ」
「バカヒューズが暴れるせいで大変だったのよ」
「悪かったって。謝ったろ!」
「もうライルくんからも注意して!」
なぜか急に俺に振られた。
「えーじゃあヒューズさんはリリアンさんに[鬼火亭]を奢ること。ついでにクララさんにも」
「はぁ?」
「やったー!」
「ヒューズ。それで許してあげるわ」
「おい!ライル!」
「とりあえずヒューズさんはダンジョンの報告をお願いします。リリアンさん達は休んでていいですよ」
「そう?ありがと」
リリアンさんとクララさんは家に帰っていった。
「おい!裏切者」
「この件でリリアンさんの機嫌を損ねないでくださいよ!」
「しょうがないだろ!」
ヒューズさんの言い返しが子供みたいだった。
「ダンジョン頑張ってくれたので、俺のおごりをヒューズさんのおごりってことにしていいですから」
「おー!本当にお前は俺の味方だ!!」
「さっきは裏切り者って言ってたのに」
ヒューズさんは調子が良かった。
「それでダンジョンについて教えてください」
「ああ。地下4階層まではライルも見たことのある海に囲まれた島だ。階段は毎回違う島にあった」
「移動がしんどそうですね」
「ノヴァの用意した漁船が無かったらしんどかった」
船移動だと食べられるモンスター探しはめんどくさそうだ。
「地下5階層は全面海水だ。水中での戦闘をさせられる。ボスモンスター自体はそんなに強くなかった」
「なるほど。食べれそうなモンスターは?」
「うーん。ドロップアイテムに肉はなかった。もう少しちゃんと探せばあるのかもしれないが、海のモンスターはめんどいんだよな」
「俺が行くときは時間をかけて探しましょう」
「わかった」
[鬼の隠れ家]を開店させたいし、チバラスの街にも行きたい。
なので攻略はだいぶ先になるので、【海獣の高波】にダンジョン外に出たモンスターを間引くように指示してもらうことにした。




