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転生したから、ガチャスキルでやれなかったことを全部やる!  作者: 甘海老男
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477.シンガ教

冒険者ギルドに着くとマリーナさんがいた。


「あれ?俺がいるってよくわかりましたね」

「たまたまね。ゴーレムちゃんが教えてくれたの」

本当にゴーレム達は優秀だ。


「【蒼玉姫】のサフィオラさんと模擬戦をします」

「その前にちょっといい?」

「はい。サフィオラさん、少し待っててください」

「わかりました」

俺とマリーナさんは少しみんなから離れた。


「ザビュルについてわかったことがあって」

「なんです?」

「まずザビュルがデスヘルから離れたと思われる時期に、冒険者ギルドでは依頼を受けていない」

「あー【月の騎士】が付いて行った依頼はそもそも嘘ってことか」

「そうなるわね」

ここまでくると【月の騎士】が少し不憫だ。


「それとザビュルがデスヘルにいる間、宗教の話を聞かされた冒険者が何組かいたわ。みんな最初は仲良かったみたいなんだけど、宗教の話をする時の異様さで距離を置くようになったみたい」

「なるほど。それでなんて宗教だったんですか?」

「シンガ教という宗教らしいわ。なんか己を解放することを神は求めている。偽りのない己を曝け出すことが大事みたいなことを言ってたらしいわ」

「うわー。怪しすぎる」

「【月の騎士】も少し記憶が戻ってきたみたい。ザビュルからシンガ教の話はデスヘルにいた頃に聞いたことはあったみたいだけど、信仰してるってことしか聞かされなかったらしいわ」

「なんか全貌を話して距離を置かれ続けたから、戦略を変えた感じしますね」

「私もそう思ったわ」

シンガ教が怪しすぎた。


「今の所わかっていることはそれくらいよ」

「わかりました。ありがとうございます」

「ライルくん。冒険者ギルドは壊さないでね」

「わかってます」

俺はマリーナさんと別れ、サフィオラさんの元へ向かった。


▽ ▽ ▽


訓練所に到着すると、サフィオラさんはソフトボールくらいの鉄球を4つ取り出した。


「それが武器ですか?」

「はい!そうです」

鉄球はうっすら青く輝いていた。

めんどくさいマジックアイテムな気がした。


「じゃあやりますか。模擬戦なのでとどめは寸止めで」

「はい。お願いします」

俺は距離を取る。


すると4つの鉄球が宙に浮き、俺に向かって飛んでくる。

俺は[武鬼]に着替え、鬼潰棒で鉄球を弾く。


「うわーなんだよこれ」

鉄球はまっすぐ飛んでくるわけではなく、サフィオラさんが操ってるみたいだ。

4つが全然違う方向から突っ込んでくる。


サフィオラさんは距離を詰めて来ない。

近接は苦手なのか?


俺は鉄球を弾いたり避けながらサフィオラさんに近づいて行く。

するとサフィオラさんはニコっと笑ってマントをめくる。

マントの内側には、鉄球と同じ素材だと思われる青く輝くナイフが数十本付いていた。


「わー。それも操れるのかな」

「寸止めはしますので!」


サフィオラさんがマントからナイフを取り出そうとした瞬間。

「ワープ!」

俺はサフィオラさんの背後にワープし、武鬼斧をサフィオラさんの首元に添える。


「…ま、参りました」

「すみませんね。そのナイフを使われ始めると負けちゃいそうだったので」

俺は武器をしまって私服に着替える。


「サフィオラさん、本当にEランクなんですか?」

「そうですね。長く同じ街にいなかったのでなかなかランクが上がらなくて。今まででデスヘルが一番長いんです」

「そうなんですね」

とても既視感を感じた。


マクシリオさんと境遇が似てる。

似てるというか全く一緒だった。


「他の2人も強いんですか?」

「強いかはわかりませんが、私と同じくらいには戦えます」

「ランクが低くても順位表に載ってる理由がわかりました」


凄い違和感を覚えたが、たぶん気にしすぎだ。


「サフィオラさん。マクシリオって冒険者知ってます?」

「【六迅剣】のですか?」

「はい。知ってますよ。同じ街で1週間ほど活動してたことがあります」

「そうなんですね」

「友人とかではないんですけどね。知り合いとか顔見知りですかね?ライルさんも知ってるんですか?」

「はい。俺も1回だけ一緒にダンジョンに入ったことがあって。サフィオラさん達と境遇が似てるから気になって」

「そういう事だったんですね。いきなりマクシリオさんの話になったので驚きました」

サフィオラさんは笑顔で言った。


なんか変な気分だが、知り合いなら似ちゃうこともあるだろう。

俺は考えることはやめた。


▽ ▽ ▽


家で寝る前にルフレッテから渡されたライル商会通信の仮原稿に目を通す。


もう週刊連載くらいのペースで持ってくるから、次からは内容量を増やして月刊連載くらいのペースに落ち着いてもらおう。


「製造部門の商品紹介か。うん。いいね。日用品と家具とアクセサリーね。マジックアイテムと武器は無難なものを選んだな。ガルスタンとマデリンが本気を隠してるのは気が利いてるね」

ライル商会にしか作らない物があるから、隠してくれるのは助かる。


「アイザックさんのインタビューもいい感じだけど。やっぱり固いな」

俺は仮原稿に[商人ギルド副ギルドマスターのリーラさんとフィーゴさんのアイザックさんについてのインタビューを追加]と書く。


ルフレッテは土鍋の使い方とレシピのチラシ・モンスターサーカスチバラス公演の取材・ライル商会レシピ本も作らないといけない。


「ライル商会通信はゆったりでいいのに」


俺は仮原稿の裏面に[第2弾はもっと記事を増やす。マヌセラの海鮮物紹介と【海獣の高波】インタビューを追加]と書き込んだ。


俺は仮原稿をゴーレに預けて、眠りについた。


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