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転生したから、ガチャスキルでやれなかったことを全部やる!  作者: 甘海老男
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473.怪しい僧侶

昨夜はブライズさんとアヤノにアドバイスをもらってメニューを完成させた。


アヤノにはある物の作り方を教わった。

これを売るとなったら絶対に大変になるから、手を出していなかったらしい。


仕込みは大半終わっている。

あとはガルスタン達の前でライブ調理をやるだけ。

『料理』があるので心配はしてないが、少し緊張している。


夜までまだ時間があるので、俺は工場エリアに籠った。


▽ ▽ ▽


「マスター。遅くなりました!」

試作を続けていると、ゴーレが急にやってきた。


「おかえり。ダンジョンは?」

「無事に攻略し、コアを持ち帰ってきました」

ゴーレの手には割れたダンジョンコアがあった。


「かなり時間かかってたけど、大変だった?」

「はい。リビングソードダストが出ました」

「うわ」

リビングソードダストは物凄い小さなリビングソードで、呼吸をすると肺に入って中から攻撃してくる。

俺も1回戦ったが、『クリーン』が無かったら死んでいた。


「『クリーン』を取得している人がいたのでどうにかなりましたが、そこから攻略速度が落ちました」

「【光剣の輝き】と【ドルビダ一家】はどうだった?」

「ドルビダの子供達も『体術』を取得したようでした。ドルビダとセルカリアはかなり強いと思います」

「あーあの2人は飛び抜けてるよね」

「【戦場の毒花】も前よりもかなり連携が良くなっていました。それにヴァイオレットさんはより強くなっていました」

ゴーレの話し方が満足げだ。

多分ヴァイオレットと模擬戦でもしたのだろう。


俺はゴーレの報告を受けながら、今晩の準備をした。


▽ ▽ ▽


ガルスタン達にはフルコースを堪能してもらった。


だがそこから長かった。

製造部門の食器をどうするか会議が開催された。


「サラダは木の食器でいいですよね?」

「問題ない!問題はガラスの食器をどういう風にするかだ」

「海鮮の2品はどうですか」

「そうだな。『硝子工』を取得したソーバスが作れそうならだな?」

「作ります。絶対に」

「なら魚料理と最後の甘味もガラスにしよう」

製造部門の話し合いは白熱していた。


「ライル様。皿は10組ずつあればいいですか?」

「うん。あ!飲み物のグラスはかなり多めで」

「あ!そうだ。酒もあったんだ」

ガルスタンは思い出したように叫んだ。


「これはオラ達も『硝子工』を取得しないとまずいな」

「そうですね」

製造部門はかなりこだわってくれるみたいだから、安心して任せることにした。



▽ ▽ ▽



翌日、ムズリから連絡が来たとゴーレに言われた。


俺とゴーレはデスヘルに移動し、冒険者ギルド地下の牢屋にやってきた。


ムズリに案内された部屋の扉を開ける。

冒険者達は俺を見て顔を青ざめさせた。


「俺を知ってるか?」

「お、鬼将軍…」

3人は俺のことを知っているようだ。


「リーダーは?」

「は、はい」

「名前は?」

「タラスです」

30代前半くらいの男が俺みたいな可愛らしい子供を見て怯えないでほしい。


「タラス。なんで俺が来たかわかるか?」

「は、はい。[鬼将軍の調理場]で暴れたと聞きました」

「記憶がないのか?」

「3人共、所々無くて」

解放のシンボルの影響なのかもしれない。


「お前達をどうするかは話してから考える。だから質問にちゃんと答えろ」

「「「はい」」」

怯えてるおじさん相手は正直だるい。


「まずこれをどこで手に入れた?」

俺は壊れた解放のシンボルを見せる。

タラス達は首を傾げた。


「俺達が持ってたんですか?」

「手に入れた記憶がないのか?」

「は、はい。あるか?お前ら」

タラスは仲間に聞く。

すると1人が頭を抱えながら口を開く。


「も、もらったんだよ。どこでだ?思い出せない。でももらったはずだ」

「あ!何か思い出しそうだ…。あいつだあいつに渡された。あんなに一緒にいたのに名前も顔も思い出せない」

「ん?そうだ。ザビュル!ザビュルの依頼に付いて行って……。ダメだ思い出せない」

3人共、必死に記憶を思い出そうとしていた。


「ザビュルって奴とデスヘルから出たのか?」

「は、はい。何の依頼だったんだっけ?」

「でも確かにあいつからそれをもらったはず」

「ザビュルだな。わかった」

3人は思ったよりも強力的だった。


「あともう1つ聞きたいことがある。お前達は獣人やドワーフなどが嫌いなのか?」

俺がそう問いかけると、3人の顔がこわばった。


「ちゃんと本心を答えろよ」

俺が圧をかけるとタラスは口を開く。


「嫌いというよりかは苦手です。俺達はダラーガ出身で人族以外は汚らわしい物だと教わってた。冒険者になり、いろんな国に行ってそんなことはないと分かっているんだけど、幼い頃に染みついた思想は簡単には変えられなくて」

「でも!苦手だけど相手が悲しむような対応はしていない!俺達の感覚がおかしいってのはわかってるから…」

「差別や他種族を侮辱したこともない。ただ不意に出会うと身体に拒否反応が出てしまう時があるんだけなんだ」

3人は申し訳なさそうに言った。


でも何となくわかった。

解放のシンボルは心の奥底の悪意を肥大化させる。

盲信のシンボルは教えられたことを信じてやまなくなる。


同じ他種族へ対する悪意だけど出所が違う。


「ザビュルは冒険者だったんだよな」

「ああ。ソロの冒険者だったと思う」

「わかった。お前達はあと数日反省の為にここにいてもらう。それ以降は自由だ。デスヘルにいてもいいし出て行ってもいい」

「良いんですか?」

「デスヘルにいるなら、ずっと順位表に載れるように頑張れ」

「「「はい。すみませんでした」」」


俺とゴーレは1階に行き、マリーナさんの執務室に向かう。


執務室に入ると仕事をしているマリーナさん。

「話は終わったの?」

「はい。ザビュルという冒険者が関係ありそうです」

「ザビュル?」

マリーナさんは思い出そうとしていた。


「あーいたわ。Fランク冒険者で回復魔法とメイスを使う僧侶だったはず」

「僧侶?聖職者ってことです?」

「うん。どこかの教会に所属して修行をしてから冒険者になっているはずよ」

「なるほど。その教会が信仰している宗教が怪しいな。捕まってる3人はザビュルの依頼に付いて行ったと言ってるんですが調べられます?」

「少し時間が掛かるけど調べてみるわ」

ザビュルに関してはマリーナさんにお願いしよう。


変な宗教絡みはめんどくさい。

信者がそれなりにいて、本部が力を持っていたらもっとめんどくさい。


教会1つを叩くだけで終わってほしい。


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