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転生したから、ガチャスキルでやれなかったことを全部やる!  作者: 甘海老男
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455.帰ってきた鬼将軍

昨日はヒューズさん達のダンジョンの様子を映画を見るように楽しんだ。

ほぼ一日見ることになるとは思わなかった。


今日はさすがに何かしようと思ったが、遅めの朝食中にゴーレに呼ばれた。


「マスター。王都の家に来客です」

「え?王都?」

「はい。生徒の方々です」

「え?全員?」

「ダンジョンに入ってる4名以外全員です」

「あー了解」

俺はみんなが来ている理由が何となくわかった。


ライル商会に所属している4人が急に自主練に参加しないと言い出したからだろう。

ゴトフとイタロは自主練に参加しないことも多かったし、ルフレッテも最近忙しくなって参加率が減った。

そして一番勤勉だったアルヴィンの不参加表明で、授業外で指導を受けていると感づいたのだろう。


「ゴーレ。ライムとシスターナノンを王都に呼んでおいて。あと低級と中級ポーションも大量に」

「わかりました」

俺はゴーレにお願いをして、王都に向かった。



庭にハン・クラリ・ルサンナ・カイゼ・ブリギッタがいた。


「どうしたの?」

「ライルは王都にいるんだな」

「ん?あー。他の4人にはちょっと遠出をして、英雄4人とダンジョンに行ってる」

「「「「「え!」」」」」

5人はダンジョンと聞いて驚いていた。


「それでみんなはどうしてうちに?」

「もしゴトフ達が訓練をしているなら参加させてほしいと思って」

ハンは少し悔しそうに言った。


「あー。でも授業外だからなー」

「頼む。俺達もちゃんと強くなりたいんだ!」

「先生。お願いします」

「ライルくん!」

5人は真剣に俺を見ている。


「えーじゃあ。今週授業がある人」

俺がそれを聞くと誰も口を開かない。


「戦闘の授業を取ってるやつは経営学を月の日と火の日に取ってるから今日から次の月の日まで授業はない」

「そーなんだ。じゃあ着替えとか武器とかもって1時間後にここ集合」

「訓練してくれるのか?」

「うーん。みんなが本気なら本気でやってあげる。親か担任の許可は必須。授業じゃないから心が潰れない自信がある人だけ参加で」

俺の言葉に5人は少しビビっているようだ。


「1時間後にここに来た人が参加ということで!」

俺はそう言って家を出た。



家を出て向かったのは黄盾騎士団の訓練所。

知ってる騎士が門兵をしていたのですんなりオステオさんの元に案内された。


「お!ライルじゃないか。弟子達は本当に凄いな」

オステオさんはニコニコで伝えてきた。


「そうですか。それはよかったです。今日はオステオさんに相談があって」

「なんだ?」

「闘技場を明日まで借りたいんです。それとチャールズ兄とチェスターとコルカーを今日と明日だけ返してもらえます?」

「3人はいいが、闘技場は何に使うんだ?」

「学園で授業を請け負ってまして」

「あー聞いている」

「その生徒が訓練をしてほしいというので、壊れないところを借りたくて」

「ライル、どんな訓練をするつもりだ?」

オステオさんの顔が引きつっている。


「授業ではないですからね。ライル商会の特訓をしようと」

「な、なるほど」

「回復役もポーションも用意しているので安心してください」

「安心はできないが、闘技場を使うことは許可しよう。くれぐれも事件は起こさないでくれ」

「わかりました」

俺はオステオさんから闘技場の鍵を借りて、家へ戻った。



家に戻るとみんなが揃っていた。


「お!全員参加?」

「参加するぞ」

「はい。私も参加します」

「私もです!」

「俺も!」

「私も参加させてください」

5人のやる気は十分みたいだ。


ゴーレとライムとシスターナノンも到着していた。

「ゴーレ、ショーグンも呼んで。俺達は闘技場に行くから、ショーグンと一緒に来て」

「わかりました」


俺はみんなを連れて闘技場に向かった。


▽ ▽ ▽


闘技場にはチャールズ兄とチェスターとコルカーがいた。


「久しぶりだね。黄盾騎士団はどう?」

「訓練って感じかなー。仕事も王都の警備ばっかりだし」

「そんな感じなんだ」

「うん。オステオさんと模擬戦が出来るのは凄いためになる」

チャールズ兄がそう言うと2人も頷いた。


俺は闘技場の扉の鍵を開けて中に入る。


「今日は俺が授業で教えてる生徒の訓練を手伝ってほしくて」

「えー本当に先生してるんだ」

「してるよ。元同級生もいるけど後ろの5人が生徒。あと4人いるけど、ライル商会の従業員だから別でダンジョンに行ってる」

「僕達は何をすれば?」

「えーっと、明日の昼くらいまで模擬戦」

「「「え!?」」」

俺の発言にチャールズ兄達は驚いていた。


「明日の昼まで?ずっと?」

「うん。そうだね。無理そう?」

俺の質問に3人の空気がピリッとする。


「いややるよ」

「はい。ライル様の命令なら」

「俺もやるぞ」

「よかった!騎士団行ってなんも成長してなかったらどうしようって思ってたんだよ」

俺の言葉でさらに空気が重くなる。

ただの手伝いではなく、自分達の成長も見られると気付いたみたいだ。


「ずっと本気で。休憩とか食事の時間も少しは用意するつもり」

「うん」

「「はい」」

さっきまでの久々に会った緩い空気から一変した。


「チャールズ兄はルサンナの魔法攻撃を受けながら近接で対応。魔法や戦い方で気になることがあれば教えてあげて」

「うん。わかった」

「チェスターは獣人のカイゼが『獣化』を使えるから獣化状態で戦闘。スキルなどを上手く使えるように助言をお願い」

「わかりました」

「コルカーはクラリに弓の指導。コルカーは近接とスキルで攻撃。弓に関して気になることは都度指導して」

「はい!」

3人に説明を終えると、ゴーレとショーグンがやってきた。


「ゴーレはブリギッタと模擬戦。スキルの優位性や意外性のある攻撃が出来るように指導してあるから、そこら辺を見てあげて」

「承知しました」

「ショーグンはハンっていう剣士と戦って。剣術と身のこなしを見て。あと雨や水関係のスキルを使うから、その攻撃は受けた上で助言してあげて」

「承知いたしました」


俺の会話を聞いていた生徒達の顔が引きつっている。


「えーっと明日の昼くらいまでずっと模擬戦をやるから。腕がちぎれたりしても治るから本気でやって」

「「「「「は、はい」」」」」

「一応休憩とかはあるけど、疲れたらポーション無理やり飲ませて戦わせるから。限界がきたら休めると思わないでね」

生徒達が後悔していてもおかしくない。

でも強くなれるはずだ。


「じゃあみんな始めて」

俺がそういうと、みんな闘技場内に散らばった。


▽ ▽ ▽


訓練を始めて数時間。

夕方になるくらいの時間にオステオさんがやってきた。


「な、何をしてるんだ?」

「え?何がです」

オステオさんは目を見開いていた。


「これは学生の訓練なのか?」

「はい」

オステオさんはタイミングが悪い。

今が一番ひどい状況。

指導側の5人に強めの言葉をかけた後だから、5人の力が入りすぎていた。


「これが鬼将軍か……」

「やめてもらえます?俺はそれ認めてないんですよ」

「こんな訓練、どの騎士団でもやってないぞ」

「それはそうかもしれないですね。平民や元奴隷の俺達は生きるか死ぬかなんで」

そんなことを話していると、カイゼの腕が半分斬れた。

すぐに回復係の2人が対応する。


「優秀な回復役がいるから出来る訓練だな」

「そうですね。でもあと数時間したら訓練は終わりにしますよ」

「そうなのか?」

「はい。みんなには明日の昼まで続けるって言ってますけど、さすがにそんな厳しくはしないです」

「おいおい。あの子達は明日の昼までやると思っているのにこんなに全力でやってるのか?」

「はい。思ったよりも気合が入ってたみたいです」


本当に想像以上に5人の気合があって驚いていた。

ハンとクラリとルサンナは卒業試験が相当悔しかったみたいだ。

訓練の場所をここにしたのも、偶然だが良い方向に作用したのだろう。


カイゼとブリギッタのがむしゃら感は本当に弟子達を思い出す。

心が折れずに頑張ってほしい。


俺はそんなことを思いながら、みんなの夕食をこっそり準備した。



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