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436.屋台料理

夜になり、ゴーレと共に工場エリアに行く。


中に入るとブライズさんとアヤノとシスターカモーエ、そしてガルスタンとマデリンとワー達がいた。

珍しくゴトフとワカチの従業員達もいた。


「あれ?なんでゴトフ?」

「サーカスの興行で屋台を出すんだから当然でしょ」

「あーそういうことか」

「うちの7人も『料理』を取得したからね」

ゴトフはワカチの従業員7人を見て誇らしげにしていた。


「ガルスタンとマデリンは調理器具かな?」

「はい。アヤノから腕のなる仕事をもらいましたんで。マデリンと気合を入れて作りました」

「焼コッコ用のマジックアイテムもいい感じだったね」

「ありがとうございます」

ガルスタンとマデリンは嬉しそうに微笑んだ。


アヤノが前に出て口を開く。

「ではライルさん。屋台で追加しようとしている料理を食べてください。調理はワカチの方々がやります」

「うん。夕食を食べてないから、楽しみだ」

俺がそういうと、ワカチの従業員が動き出した。



「準備があるので、屋台メニューとは別の物を味見してください」

そう言ってアヤノが皿を次々と出した。


「焼コッコのタレを作る流れで、照り焼きソースを作りました」

「照り焼き!?いいじゃん」

「それとバジルとクルミでジェノベーゼソースを作ったんでパスタです。これは売り出せます」

「おー!」

俺はコッコの照り焼きとジェノベーゼパスタを食べる。


「こっちは酢オークとシュウマイとワンタンスープです」

「え?中華?」

「はい。ジャガイモから何とか片栗粉を作りました」

アヤノの料理知識は本当に凄かった。


「これが前に話したキュウリのキムチとモチベーコンとベーコンアスパラです。梅干しはまだ作ってる最中です」

「結構多いな」

想像よりも量が多くて焦った。


「あとはアンパンとこちらをどうぞ」

アヤノはそういってアンパンと小さな器を2つ渡してきた。


「お!きなこ!それに白玉?」

「そうです。モチムチを加工したら白玉粉のようなものができました。本当は串団子とかも作りたかったんですが、うるち米の代用にはならないみたいで柔らかすぎてダメでした」

「うるち米かー」


アースも頑張っているみたいだが、白米は本当に見つからない。

見つけたのはタイ米みたいなタラン米とモチ米のようなモチムチとハンに食べさせてもらった赤米だけだ。


「あとスイートポテトも作りました!!」

どんどん出てくる料理に俺は焦った。


「えっと。これは屋台の料理とは関係ない奴だよね?」

「はい」

「ゴーレ、ヒューズさんとガッツさんを叩き起こしてきて」

「わかりました」

俺は2人の到着を待った。


▽ ▽ ▽


「おい!美味いな!」

「こんな時間から美味い物を食えるなんて最高だ!」

ヒューズさんとガッツさんがどんどん食べてくれる。

2人は新しくできた梅酒を呑みながら、食事を進める。


「そろそろ屋台の料理をいいですか?」

「あ!うん」

完全に大量の料理で忘れていた。


「まずはチーズバーガーとフライドポテトです。ポテトは黒イモなのでネットリ系です。チーズバーガーはブライズさんが最高のものを作ってくれてます」

ブライズさんが自信満々で俺を見ていた。


俺はチーズバーガーをひと齧りする。

「これは美味い!肉は何を?」

「オーク肉とミノタ肉の並しか使っていないよ」

「いやさすがですね。ソースも美味い」

ブライズさんは嬉しそうだった。


次に出てきたのは焼きトウモロコシとポップコーン。

「焼コッコのマジックアイテムで焼けるので、ちょうどいいかなと」

「焼きトウモロコシは良いね」

「はい。ポップコーンは塩とキャラメルです」

本当にアヤノの知識とブライズさんの腕があれば、白米以外は元の世界の食事が堪能できそうだ。


俺はもうお腹の限界が近づいて来たので、少し食べてヒューズさんとガッツさんに渡す。


「あとどれくらいあるの?」

「えーと2品です。カレーパンもあったんですが、[鬼将軍のパン屋]のカレーパンを屋台で揚げるだけなので今日は用意してないです」

「残り2品はとっておきなの?」

「1つは石焼き芋です」

「あれ?石焼き?」

「そうなんです」

アヤノがそういうと、ガルスタンがちょっと小さなドラム缶のようなものを持ってきた。


「これです。内側を火脈石という石で作りました。この中を高温にして保つことができます」

「すごいね」

「耐熱の手袋やトングも用意しているので、孤児院の子供達でも売ることが出来ると思います」

ガルスタンはとても自慢げだった。


「そして今日の目玉はこれです」

アヤノがそういうとワカチの従業員達が何かを運んできた。

凸凹になっている鉄板だ。


「これは?」

「鬼将軍焼きです」

「ん?」

すごく嫌な予感がした。


鉄板がフリードに乗っている俺の姿に凹んでいた。

これはライル商会のマークだ。

髪の毛がなびいているのが角に間違われるやつ。


「これはたい焼きってこと?」

「はい。あんことカスタードの2種類です」

アヤノは嬉しそうに説明する。

その裏でワカチの従業員は鬼将軍焼きを作り始めた。


俺は今日見せてもらった屋台用の料理を思い出して、一つ欠点を見つけた。


「アヤノ。これってどうやって提供するの?」

「どういうことです」

「ハンバーガーとかポテトとか皿では売れないよね」

「あ!」

アヤノは気付いたようだ。


[鬼将軍のパン屋]はカゴなどを持ってくることが多い。

[鬼将軍の楽園]はケーキ用の箱が出てくるマジックアイテムがある。


今までの屋台は串で提供してたからいいけど、今日食べた料理の大半が直接手渡しは難しい物だった。


「なんか紙を使うとかかな?」

「そうですね。完全に頭から抜けてました」

「明日アイザックさんに相談しよう。料理自体はいいからさ」

「はい。私も考えてみます」


俺達はワカチの従業員が作ってくれた鬼将軍焼きを食べた。



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